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ダブルワークの年末調整や確定申告は必要?判断方法と手続きまとめ

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ダブルワークの年末調整や確定申告は必要?判断方法と手続きまとめ

近年の社会の多様化に伴い、ダブルワークと言われる働き方は身近な存在となりつつあります。源泉徴収の総決算である年末調整、ダブルワークを行っている場合はどのように行う必要があるのでしょうか。また確定申告の必要性はあるのでしょうか。本記事では、確定申告の必要性の判断方法と具体的な手続き方法についてご紹介します。

ダブルワークで年末調整や確定申告は必要か?

ダブルワークで働いている場合、基本的には、主たる勤務先1か所のみで年末調整を行う必要があります。また、もう一方の勤務先については、条件によっては自身で確定申告しなければなりません。

ダブルワーク・年末調整・確定申告それぞれのワードについて、本項目でもう一度おさらいしましょう。

ダブルワークについておさらい

ダブルワークとは、2つの仕事を掛け持ちして働く「働き方」のことであり、近年注目を集めています。ダブルワークという言葉は、どの仕事も本業とするのではなく、アルバイトやパートなど非正規での雇用の仕事を掛け持ちをする際に用いられる傾向です。

一方の副業とは、一般的に正規雇用など本業のかたわらで掛け持つ「仕事そのもの」のことを指します。

本記事におけるダブルワークは、正規雇用・非正規雇用にかかわらず、2つの仕事を掛け持ちして働いている点に注目して解説していきます。

関連記事:副業の税金対策とは?いくらからかかる?副業で節税できる方法を詳しく解説! 

年末調整についておさらい

年末調整とは、該当年に源泉徴収された税額の合計額と、本来の税額とを一致させる精算の手続きです。

つまり、給与支払を受ける一人ひとりについて「所得税の過不足を精算するために会社が行う手続き」であり、給与の源泉徴収の総決算とも言うべきものです。

年末調整の対象者は、原則として勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している方が該当します。

なお給与の収入金額が2,000万円を超えるなどの条件によって、一部の方は年末調整の対象とはなりません。

年末調整の手続きを行う際には、主たる勤務先に以下の書類を勤務先に提出します。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 又は住宅借入金等特別控除申告書

例外もありますが、多くの給与所得者は年末調整によって該当年の所得税と復興特別所得税の納税が完了するため、改めて確定申告の手続きをする必要はありません。

個人における確定申告の手間を減らすといった意味からも、年末調整は大切な手続きと言えます。

参考:給与所得者(従業員)の方へ(令和5年分)|国税庁

確定申告についておさらい

確定申告は、1年間に得た所得税の額を確定させるために、納税者本人が行う手続きです。確定申告についての詳細および年末調整との違いは、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【税理士監修】年末調整と確定申告の違いとは?両方が必要なケースや適用される所得控除を解説!

ダブルワークで年末調整する方法

確定申告・経理業務をする若い女性

ダブルワークで働く方の中には「年度末調整をどこで、どのように行うかわからない」という方もいるでしょう。

本項目ではダブルワークで働いている方の年末調整方法について、具体的にご紹介します。

ダブルワークで年末調整を受けられるのは1つの勤務先のみ

年末調整は該当年の勤務先のうち1か所でしか受けられないため、ダブルワークの場合は、1つの勤務先のみで年末調整を行う必要があります。

生命保険料控除や配偶者控除、扶養家族控除など個人の事情に合わせた所得控除は、重複して適用できないためです。

基本的に年末調整を行うのは、最も多く給料を受け取っている勤務先が良いでしょう。給料を多く受け取っているほうの勤務先に扶養控除等申告書などを提出して、年末調整を行いましょう。

ダブルワークで複数の勤務先から年末調整の書類を受け取ったとき

もし2つ以上の職場で年末調整をしてしまった場合、上記で述べたそれぞれの控除の申請が重複してしまうことになります。

その結果、収めるべき納税額も誤った金額になってしまいます。後々誤りに気づき面倒なことにならないよう、たとえ複数の勤務先から年末調整の書類を受け取ったとしても、手続きは1か所のみで行いましょう。

万が一2つ以上の職場で年末調整をした場合には、扶養控除申告書の取り下げと確定申告により、訂正が可能です。

ダブルワークで確定申告が必要な判断基準

確定申告書類とパソコン

ダブルワークでは、本人から扶養控除等申告書の提出を受けた1つの勤務先は「本業」、その他の勤務先は「副業」扱いとなります。

副業の所得等の条件によっては、年末調整以外に本人で確定申告を行う必要がありますが、確定申告を実際に行うかどうかは、以下の3つの条件の確認が必要です。

  • 副業の所得が20万を超える場合
  • ダブルワークのどの勤務先でも年末調整がされなかった場合
  • 年末調整の対象者に該当しない場合

本項目では、ダブルワークで働いている場合に確定申告をする必要がある判断方法について、解説します。

1.副業の所得が20万を超える場合

年末調整をする会社以外の副業で20万円を超える以上の給与もしくは事業所得、または雑所得があれば、確定申告をしなければなりません。

仮に副業の所得が年間20万円を超えているにも関わらず確定申告を行わないと、ペナルティとして「無申告加算税」が課される恐れがあります。他にも「延滞税」が発生する可能性もあるため、注意しましょう。

例外として所得が20万以下でも以下のような場合、所得税還付の理由から確定申告が必要となることがあります。

  • 副業の収入から、所得税が多く源泉徴収されていた場合
  • 住宅ローン控除を初めて利用した場合

参考:申告の流れ、申告が必要な方|令和5年分 確定申告特集

関連記事:【税理士監修】確定申告が間違っていたときの修正申告の手順や方法

関連記事:個人事業主の税金はいくら?税理士はいらない?税金の種類やシミュレーションなども含めて解説!

2.事業所得と雑所得の合計額が48万を超える場合

ダブルワークの収入が、個人事業主やフリーランスなどで得た事業所得や雑所得であるケースもあります。所得の合計額が基礎控除額の48万円を超えた方は、確定申告が必要です。

3.どのダブルワーク勤務先でも年末調整を受けられなかった場合

扶養控除等申告書の提出をしておらず、どのダブルワーク先でも年末調整を受けられなかった際には、基本的に確定申告を行います。

ダブルワーク先それぞれから源泉徴収票を受け取り、記載内容を参考に、自身で確定申告書へ記入しましょう。

参考:給与所得者(従業員)の方へ(令和5年分)|国税庁

4.年末調整の対象者に該当しない場合

もしダブルワークで給与収入がある場合でも、年末調整の対象外となれば、基本的には確定申告が必要です。

【ダブルワークで年末調整の対象外となる場合】

  • 継続して同一の雇用主に雇用されていない場合(日雇労働など)
  • 年途中で退職し再就職をしない場合
  • 主な給与の年間収入金額が2,000万を超える場合
  • 災害減免法の規定により源泉徴収の猶予もしくは還付を受けている場合
  • 日本国内に住居を持たずに海外に居住している場合
  • 年末調整を行うときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合
  • 他の給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している場合

以上に当てはまる方で、所得税を収める必要があるときには、確定申告を行いましょう。

参考:国税庁 年末調整とは

参考:No.8004 災害を受けたときの所得税の取扱い|国税庁

ダブルワークで年末調整や確定申告をする際の手続き方法

税務署のイメージ画像

ダブルワークで働いている方の年末調整や確定申告は、実際にどのような流れで行うのでしょうか。手続きの流れについて、詳しく見てみましょう。

ダブルワークの年末調整の手続き

ダブルワーク先で年末調整を行う場合でも、提出する書類や書き方は基本的に他の方と同じです。

記入例を参考に、対象年度の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書などを作成・提出しましょう。

年末調整を行う本業以外の副業については、本人が確定申告を行うのが前提です。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

ダブルワークの確定申告の手続き

ダブルワークの副業とする分の確定申告手続きの流れは、主に以下のようになります。

  1. 確定申告書の用紙を入手する
  2. 確定申告書に必要事項を記入する
  3. 確定申告書を提出する

確定申告書を作成する際には、本業となる源泉徴収票も必要ですので注意しましょう。もしインターネット環境があれば、国税庁の確定申告書作成コーナーを利用して申告書を作成するのがおすすめです。

確定申告書の提出方法は、持参のほか郵送や電子申告がありますので、自身に適した方法を選びましょう。

参考:申告手続きの流れ|国税庁

関連記事:【税理士監修】確定申告のやり方ガイド!いつからいつまでの収入?郵送のケースや必要書類・マイナンバーカードについて

ダブルワークは適切な方法で年末調整・確定申告を

本記事ではダブルワークで働いている方向けに、年末調整や確定申告の必要性について解説しました。

ダブルワークの年末調整や確定申告においては正しい知識を身につけたうえで、自身の働き方や収入などを考慮した最適な方法を選択することが大切です。

所得金額や扶養控除等(異動)申告書の有無など、さまざまな条件によって年末調整と確定申告どちらも行うか、どちらかだけ行うかを判断する必要があります。

自身で判断が難しいというダブルワーカーの方は、年末調整や確定申告に詳しい税理士に相談すると安心です。

ダブルワークの年末調整や確定申告についてのお困りごとやご相談がある方は、些細なことでもぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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