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【税理士監修】確定申告のやり方ガイド!いつからいつまでの収入?郵送のケースや必要書類・マイナンバーカードについて

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【税理士監修】確定申告のやり方ガイド!いつからいつまでの収入?郵送のケースや必要書類・マイナンバーカードについて

「確定申告」という言葉は耳にしたことがあるけれど、「確定申告をしたほうがいいのかわからない」「どうやって申告するのか」「そもそも確定申告とは?」など、わからないことが多いという声を聞きます。慣れない人にはわかりにくい一方で、申告義務がある場合はとても重要なものです。ここでは、確定申告の意味から、申告の具体的な方法まで詳しく解説します。

確定申告とは?

法務 イメージ

「そもそも確定申告とは?」「対象の収入はいつからいつまでなのか?」「青色申告、白色申告とは?」など、確定申告をするうえで基本的な部分をしっかり理解しておくことが重要です。確定申告の意味や種類、時期など、確定申告の基本事項について説明します。

所得税の申告

確定申告とは、「1年間の所得に対してかかる所得税の額を計算し、税務署に正しい所得税を申告する手続き」のことです。源泉徴収や予定納税があった場合、年末調整ができない控除がある場合などに、確定申告によってその過不足を清算するという目的もあります。

所得税は、収入から仕入や経費などを差し引いた、いわゆる儲けである「所得」に対してかかる税金で、10種類に分かれています。

それぞれの収入から仕入や経費を差し引き所得金額を算出した後は、「所得控除」を差し引き「課税所得金額」を算出します。そこへ所得税の税率にしたがって所得税率をかければ所得税を算出することができます。必要経費の範囲や所得の計算方法が定められているので、確定申告をする際にはそれぞれ確認しましょう。

「所得控除」は、すべての人が受けられる基礎控除を含み、15種類あります。申告者の状況によって受けられる控除は異なるので、どの控除が受けられるのか把握しておきましょう。

確定申告は所得税を申告する仕組みですが、同時に「医療費控除」「寄付金控除」「住宅ローン控除」「ふるさと納税」のように、確定申告をしなければ適用されない控除を申告して還付してもらう(還付申告)意味もあります。

青色申告と白色申告とは?

確定申告には「青色申告」「白色申告」の2種類があります。それぞれの違いを説明します。

青色申告のメリットは、基準を満たせば高い節税効果があることです。青色申告には「青色申告特別控除」というものがあり、複式簿記で記帳していることや各種書類が揃っていること、期限内に申告書提出などを条件に55万円の控除があります。e-Taxで申告すれば、控除額は65万円となります。簡易簿記でも一定の要件を満たせば、10万円の青色申告控除を受けることができます。ほかにも、配偶者に支払う給与を必要経費に算入することができたり、赤字を前年や翌年の所得金額から差し引くことができるなど、白色申告にはないメリットが多くあります。

青色申告をすることができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得がある人で、対象となる年の3月15日までにあらかじめ「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出していなければなりません。1月16日以後に新規に事業を開始した場合は、業務を開始した日から2ヵ月以内に提出している必要があります。一度承認されれば、翌年度以降は自動的に「青色申告者」として申告することができます。

白色申告では、事前申請の必要もなく記帳方法も簡易的でよいので、気軽に申告できる方法です。申告の手続きや準備が青色申告に比べて簡単というメリットがある一方で、税制上の優遇がないため、同じ売上や経費であれば、青色申告より税金が高くなる可能性があります。

青色申告と白色申告の特徴を理解したうえで、どちらが自分によい方法かを選択しましょう。

確定申告の時期はいつからいつまで?

所得税の確定申告期間は、青色白色問わず、申告対象の年の翌年2月16日から3月15日までです。基本的に毎年同じ期間で、青色申告で青色申告特別控除を受けるためには、この期間内に必ず提出していることも条件のひとつとなっています。

期間に遅れても提出することはできますが、延滞税や無申告加算税などのペナルティが与えられる可能性がありますので、注意が必要です。

確定申告はいつからいつまでの収入?

所得税の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた収入を対象としています。個人事業主であってもフリーランスでも、すべての人が同じ期間です。

出典:「所得税のしくみ」国税庁

参考:「はじめてみませんか?青色申告」国税庁PDF

確定申告の対象者

確定申告は、すべての人が対象になるわけではありません。しかし、会社員やパート・アルバイトであっても、その年の所得の状況によっては確定申告をしなければならない場合があります。「自分が確定申告をする必要があるのかわからない」「どういった場合に確定申告の対象者となるのかわからない」といった疑問にお答えします。

個人事業主

自営業やフリーランスなどの個人事業主は、基本的に確定申告を行う必要があります。

ただし、収入から経費などを差し引いた「事業所得」が基礎控除を下回る場合は、確定申告は不要です。

たとえば、合計所得金額が2,400万円以下の個人事業主の場合、48万円が控除額となります。1月1日から12月31日までの事業所得が48万円を超える場合には、その金額に対して所得税がかかるので、確定申告をして税金を納めなければならないということです。

一部の給与所得者

会社員など給与所得者も確定申告が必要な場合があります。通常、会社員で収入が2,000万円以下の場合、勤務先が源泉徴収額によって納めた税金の過不足を清算してくれます。これを「年末調整」といい、年末調整を受けた会社員は、基本的に所得税に関して確定申告をする必要はありません。しかし、下記に当てはまる場合には、給与所得者であっても確定申告が必要になりますので注意してください。

  • 副業で年間収入が20万円以上ある場合
  • ふるさと納税のワンストップ納税対象外、もしくは6件以上の寄付をしている場合
  • 医療費控除の対象となる場合
  • 住宅ローン控除の初年度
  • 不動産所得や配当所得などがある場合

上記の場合、副業収入20万円以上、不動産収入、配当所得などの場合は追加の納税という意味で確定申告が必要ですが、住宅ローン控除や医療費控除、寄附金控除の場合には還付のために確定申告を行います。

出典:「No.1199 基礎控除」国税庁

参考:「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」国税庁

   「マイホームを持ったとき」国税庁

              「ふるさと納税をされた方へ」総務省 PDF

確定申告のやり方の種類

確定申告書はどのように作成すればよいのでしょうか。手書きで作成する以外にも便利な方法がありますので、ご紹介します。

確定申告ソフト

確定申告ソフトを使用すれば、必要項目を入力していくだけで、会計に関する知識がなくても簡単に確定申告に必要な書類が作れます。日々の取引入力や、自動仕訳をしてくれたり、銀行口座等との連携をしたりと、各種申告に必要なデータの作成をすべてソフト上で行うことができ、そのままe-Taxによる申告もできるというメリットがあります。

一般企業が提供するソフトのため、白色申告なら無料、期間限定で無料、青色申告は有料など各社の提供内容やサービスはさまざまです。いくつかのサービスを比較して自身にあったソフトを探しましょう。

確定申告書作成コーナーで作成

「確定申告書作成コーナー」とは、国税庁が提供する、確定申告書や青色申告決算書などの作成をサポートしているWebページです。

確定申告ソフト同様、画面の案内に従って必要項目を入力するだけで、確定申告に必要なデータを簡単に作成できます。確定申告書作成コーナーで申告書を作成しそのままe-Taxで申告する際には、マイナンバーカードやICカードリーダライタが必要となりますので用意をしておきましょう。マイナンバーカードを使用しない場合には、事前に税務署でIDとパスワードを発行してもらわないといけませんのでご注意ください。確定申告書作成コーナーで申告書を作成したのち、印刷して郵送することも可能です。

使い方がわかりにくい、事前準備が多いという声も多いサービスですが年々アップデートされており、完全無料で利用できるのがメリットといえます。

出典:「確定申告書等作成コーナー」国税庁

手書き作成

従来通り手書きで確定申告書を作成することも、もちろん可能です。確定申告書などの用紙は、確定申告会場や税務署で配布しているほか、国税庁Webサイトからもダウンロードできます。

手書きで確定申告をするメリットは、自分の事業の経営状態について確認できるとともに、税金について理解を深められることです。ただし、手書きの場合には各項目をすべて自分で計算しなければならないため、ミスや記入漏れがないよう十分注意しましょう。

不安であれば、税務署や確定申告相談会で申告書を持ち込み直接相談しながら進めることも可能です。時間に余裕のある方や、税金について理解したい方、パソコンが苦手な方、相談しながら慎重に進めたい方などにおすすめです。

参考:「確定申告書等の様式・手引き等」国税庁

税理士に依頼

税理士は、税のプロとして確定申告書の作成・代行も可能です。「税務書類の作成」や「税務の代理」「税務相談」は税理士の独占業務です。そのため、申告者の代わりに確定申告の申告が行えるのは税理士のみ。確定申告書等作成コーナーや、確定申告ソフトを使用しても、結局は自分自身で作業をし、申告しなければなりません。

税理士に依頼することで、申告にかかる時間の削減、様々な相談ができる、適切な処理で節税が期待できる、正確な内容で申告できるので安心感があるなどのメリットがあります。自分で確定申告を行う時間がない方や、仕訳方法などで困っている方、申告方法に自信のない方などにおすすめです。

契約によっては、確定申告のみの契約も可能です。確定申告期は税理士も繁忙期であるため、早めに相談しましょう。

なお、公認会計士は代行業務は行えませんので注意が必要です。

確定申告の提出方法

税理士に確定申告の代行を依頼した場合には、税理士からの完了報告を受けるだけで問題ありません。一方で、確定申告書等作成コーナーなどで申告書類を作成した場合には、自身で確実に提出する必要があります。提出方法には、主に下記の3つがあります。

e-Tax

e-Taxとは、国税に関する各種手続きをインターネット上で行えるシステムです。所得税だけでなく、贈与税、法人税、地方法人税、消費税等の申告や納税もできるほか、電子納税証明書の申請・発行や開業届の申請なども行え、年々利用者数も増えている公的サービスです。

e-Tax最大のメリットは、自宅にいながら各種申告や手続きを行えるという点です。従来、税務署に持って行ったり郵送していた手間を省け、24時間手続き可能、費用削減につながります。また、青色申告者がe-Taxを通して確定申告をした場合、e-Taxを通さない場合に比べて「青色申告特別控除額」が10万円アップするという利点もあります。

一方で、e-Taxで申請するには、事前準備が必要というデメリットがあります。マイナンバーカードの取得や、ICカードリーダライタの購入、e-Tax環境の整備など、利用する以前の準備が多く面倒に感じてしまう人も多いようです。

e-Tax対応の確定申告ソフトを使用すれば、書類を確定申告ソフトで作成し、申請をe-Taxから行うことも可能です。

出典:「e-Tax 国税電子申告・納税システム」公式Webサイト, 国税庁

窓口に持参

確定申告というと、税務署の窓口に持参することをイメージする方も多いかもしれません。確定申告書を窓口で提出することのメリットは、その場で担当者が必要書類の不備を確認してくれ、確実に提出できるということです。収受印付きの控えが必要な場合にも、その場で受け取れます。

一方で、確定申告の時期の税務署は、窓口が混雑し、建物の外まで列が並ぶということも珍しくありません。税務署が家から遠い場合や並んでいる時間がない方には、大きなデメリットといえるでしょう。

通常土日祝日は閉庁していますが、確定申告期間内の特定日に限り、一部の税務署が確定申告会場を設置し、閉庁日でも確定申告の相談・受付をしています。大変な混雑が予想されますが、平日の開庁時間に行けない場合には検討するとよいでしょう。入場には整理券が必要なこともありますので、事前によく調べてから行きましょう。

提出だけであれば、各税務署に設置してある「時間外収受箱」に投函することで提出も可能です。税務署の開庁時間に持参することができない場合や、申告期限ギリギリの開庁時間に間に合わなかった場合などには、時間外収受箱へ投函するとよいでしょう。控えがほしい場合は、返信用封筒に切手を貼って同封しておけば、返送してくれます。

ただしこの場合、投函の際に税務署員による書類のチェックなどは行われませんので、もし不備があった場合には後から連絡が来ます。連絡を見逃さないよう注意しましょう。

郵送

確定申告書は、郵送でも提出できます。この場合、近場の郵便局やポストから投函できるというメリットがありますが、確定申告書は信書に該当するため、必ず「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」で送付しなければなりませんので注意してください。

「郵便物」または「信書便物」とは、普通郵便や定形外郵便、レターパックなどを指します。「郵便物」または「信書便物」以外では送ってはいけないと郵便法で定められており、「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」では信書の送付ができません。

また、「郵便物」または「信書便物」で送付すれば、消印が提出日とみなされますが、もし「郵便物」または「信書便物」以外の方法で送付した場合には、税務署に届いた日が提出日とみなされてしまいます。申告期限がギリギリの場合には、「郵便物」または「信書便物」で送付することと、ポストに投函せず窓口で消印が期限内となるよう、確実に確認をしましょう。

簡単に提出できる方法ですので、勤務先や事業の予定で平日に税務署へ行く時間がない場合、税務署が自宅から遠い場合、確定申告に慣れている場合などに便利な方法です。

参考:「【申告書の提出】」国税庁

              「信書の送付について」郵便局

確定申告の必要書類

税理士 確定申告 費用-2

確定申告において頭を悩ませるもののひとつが、必要書類でしょう。「必要なものがわからない」「領収書は提出するのか」など、よく質問される部分です。ここでは、確定申告の必要書類について詳しく解説していきます。

確定申告書

従来確定申告書Aと確定申告書Bに分かれており使い分けが必要でしたが、2023年にこれらが統合され、「確定申告書」としてひとつの書式になりました。確定申告において、全体を把握するメインの書類であり、確定申告をする場合必ず必要です。申告書は第一表と第二表に分かれていますが、どちらも記入して提出します。「確定申告書等の様式・手引き等」に沿って各項目を記入していけば納税額が算出される仕組みですが、計算間違いや記入間違いに注意しましょう。

国税庁のホームページからダウンロードできるほか、税務署や市町村担当窓口、確定申告相談会場でも手に入れられます。所轄税務署に相談のうえ、切手を貼った返信用封筒を同封した郵送で取り寄せることも可能ですので、スケジュールに余裕をもって手に入れましょう。

参考:「確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税および復興特別所得税の確定申告分)」国税庁

「【申告書用紙】」国税庁

収支内訳書/青色申告決算書

「収支内訳書」「青色申告決算書」は、どちらも売上や仕入、経費を記入する書類ですが、白色申告をする場合は「収支内訳書」を使用し、青色申告では「青色申告決算書」を使用します。

収支内訳書は、記載項目が少なく比較的簡単に作成することができます。一方で青色申告決算書は、貸借対照表をはじめとして収入、経費、利益などの内訳等を細かく記載しなければなりません。そのため、帳簿を普段からしっかりつけておく必要があります。

固定資産台帳

減価償却できる固定資産を保有している場合、青色申告者は「固定資産台帳」を作成・保存し、確定申告の際には提出しなければなりません。白色申告者には、固定資産台帳の作成義務はありませんが、減価償却費を収支内訳書に記入する際に台帳があると便利ですので、作成しておくほうがよいでしょう。

事業主が10万円以上の建物や車両、備品などを購入した場合には、固定資産として計上する義務があります。固定資産というと土地や建物のことをイメージするかもしれませんが、場合によっては看板やパソコンなどの備品も含まれ、販売などを目的とせず1年を超えて使用・保有する資産を指します。

固定資産はそれぞれ耐用年数が定められているため、取得額を一定の計算方法で減価し、その年の評価額を台帳に反映します。確定申告時に必要であるほか、将来買い替えの目安がつくなど固定資産の管理にも役立ちます。

請求書・領収書・レシートや帳簿

帳簿を記入する際に必要とした請求書や領収書、レシートは、確定申告の際に提出することは求められませんが、白色申告の場合は5年、青色申告の場合は7年保存することが義務付けられています。

対して帳簿の保存は白色申告、青色申告ともに7年間の保存が最長ですので、税務調査などの場合にそなえて帳簿とともに7年間保管しておくとよいでしょう。

また、青色申告では記帳方法が非常に重要になってきます。「青色申告特別控除」で55万円または65万円の適用を受けるには、複式簿記での記載が必須です。単式簿記でも青色申告での申請は可能ですが、その場合青色申告特別控除は10万円となりますので注意してください。

参考:「記帳や帳簿等保存・青色申告」国税庁

源泉徴収票と取引先情報

2020年分の確定申告から、源泉徴収票の添付が不要となりましたが、確定申告書に記入する際に必要となりますので、あらかじめ準備しておきましょう。

複数の取引先からの収入がある場合には、すべて用意しておきましょう。確定申告書第一表にはそれらの源泉徴収票の合計額を記載し、第二表の「所得の内訳」にて取引先別に詳細を記入します。

控除に関する書類

確定申告で控除をしてもらうには、その根拠となる証明書等を提出しなければいけません。

所得控除には基礎控除、扶養控除など、合計15種類の控除があります。基礎控除以外は、人によって受けられる控除が異なりますので、自分がどの控除を受けられるか、まずはチェックしてみましょう。

給与所得者の場合は、基本的に会社側が年末調整の手続きで申請してくれるので確定申告は必要ありませんが、年末調整で控除を受けられないものがある場合は、自分で確定申告をして控除してもらわなければなりません。いずれも、申告する内容の証明がなければ、控除を受けることができませんので、あらかじめ準備しておきましょう。

会社の年末調整できない控除として、代表的なものに「医療費控除」「寄附金控除」「住宅ローン控除(初年度のみ)」などがあります。

「医療費控除」には医療費の領収書、「寄附金控除」には、ふるさと納税などの寄付をした際の領収書を用意します。

「住宅ローン控除」は、会社員の場合は初年度のみ確定申告が必要です。住宅ローン控除は、年末の借入残高に対して控除可能額が決められるため、10月頃より金融機関から送付されてくる借入残高証明書を使用します。そのほか、土地・建物の登記事項証明書や不動産売買契約書の写し等も必要ですので準備しておきましょう。2年目以降は、必要書類を会社に提出することで、年末調整で申請してもらえます。

マイナンバーがわかる書類

確定申告の際には、申告者のマイナンバーの記載と、申告者の本人確認書類が必要です。マイナンバーカードがあれば番号確認と身元確認が1枚で済むので問題ありませんが、マイナンバーカードがない場合は番号確認書類+身元確認書類を提出しなければなりません。

番号確認書類とは、マイナンバー通知カードや、マイナンバー記載の住民票または住民票記載事項証明書を指し、身元確認書類とは運転免許証、健康保険証、パスポートなどを指します。

窓口で申請する場合には各書類を提示すればよく、郵送の場合は各書類の写しを同封します。e-Taxの場合には、端末上で電子的に本人確認を行います。

参考:「税務署に提出する申告書等にはマイナンバーの記載が必要です」国税庁

口座情報

その年の源泉徴収額が納付すべき所得税額より多い場合や、予定納税額よりも確定所得税額が下回った場合には、確定申告(還付申告)をすることで還付金を受け取ることができます。

その場合に還付金を受け取る方法として、預貯金口座への振込による方法と、最寄りのゆうちょ銀行または郵便局に出向いて受け取る方法があります。

預貯金口座への振込であれば、口座情報を確定申告書に記入するだけでよく、ゆうちょ銀行等に赴く必要もないためおすすめです。

参考:「【税金の還付】」国税庁

利用者識別番号

e-Taxから確定申告をする場合、16桁の利用者識別番号が必要です。利用者識別番号は、マイナンバーカードを利用して、e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーから「電子申告・納税等開始(変更)届出書」を提出することで発行できます。1人につき1つ必要で、すでに発行している場合には転居等をしても原則同じ識別番号を使用します。

過去にe-Taxを利用したことがある場合には、「申告書等送信票(兼送付書)」や「確定申告のお知らせ」などに表示されているので確認してみましょう。

ICカードリーダライタがない場合はスマートフォンにマイナポータルアプリをインストールし、マイナポータル連携をすることにより、利用者識別番号を取得できます。受信したe-Tax用のID(利用者識別番号)とマイナポータル連携を利用し、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを利用します。

出典:「Q.利用者識別番号とはなんですか?」国税庁

参考:「ご利用の流れ」国税庁

確定申告のやり方と手順

初めて確定申告をする場合は「何から始めたらいいのかわからない」「流れがイメージできない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、確定申告の手順を詳しく説明します。流れをつかむことで、確定申告のハードルを下げることができますよ。

必要書類と情報の収集

確定申告をするにあたって、金額等を記入する主な書類は「確定申告書」「収支内訳書または青色申告決算書」であり、補助的な書類として源泉徴収票等を使用します。申請内容によって必要書類は異なりますので、上記を参考に手元に用意しましょう。

また、確定申告の期間を改めて確認したり、税務署や税理士の相談会開催日などを事前に調べておくことで、相談日までに進める作業の計画ができるなど、順序よく申告作業を進められます。

収支内訳書への記入

確定申告書に記入する前に、収支内訳書・青色決算報告書を記入するとよいでしょう。白色申告をする場合は、収支内訳書を使用します。収支内訳書には、売上原価や経費の内訳、取引相手、事業専従者の情報、減価償却の計算など、事業にかかる1年の収支をすべて記載します。

青色申告書の作成

青色申告の場合は、青色申告決算書を使用します。白色申告の収支内訳書と同様、事業にかかるすべての収支を記載します。収支内訳書とは異なり、貸借対照表が含まれるほか、月別の売上の記入や、減価償却費の仔細も記入する必要があります。

確定申告書の作成

記入した収支内訳書、青色申告決算書をもとに、申告書の作成をします。第一表では、用意した書類をもとに該当する項目について記入し、申告納税額を算出します。

第二表では、主に第一表に記載された金額の内訳を記載します。手書きの場合、計算ミスや転記ミスが起こりやすいため、下書きを用意するなど慎重に作成しましょう。

郵送の場合は必要情報の添付

確定申告書を郵送(もしくは時間外収受箱に投函)する場合には、本人確認書類としてマイナンバーカードの写しを添付することを忘れないようにしましょう。マイナンバーカードを持っていない場合には、下記の組み合わせで本人確認書類として添付します。

  • マイナンバー通知カード+運転免許証やパスポートなど
  • 番号記載の住民票や住民票記載事項証明書+運転免許証やパスポートなど

添付漏れは書類不備として税務署から連絡が来ますが、確定申告の時期は混雑時期ですので、すぐに連絡をくれるとは限りません。送付前に書類を再確認し、漏れのないように準備をしましょう。もし添付忘れに気づいた場合には、すぐに税務署に確認しましょう。

出典:「申告手続きの流れ」国税庁

「確定申告書には①マイナンバーの記載②本人確認書類の提出等をお忘れなく!」PDF 国税庁

参考:「本人確認に関するFAQ」国税庁

e-taxの場合はマイナポータルと連携

e-Taxを利用する場合はマイナポータルを連携させることで、確定申告をより簡単にすることができます。

マイナポータルとは、子育てや介護などの行政手続きがワンストップで申請できる政府運営のオンラインサービスです。マイナポータルとe-Taxを連携させれば、e-Tax利用の際に必要としていた利用者識別番号と暗証番号の入力をすることなくe-Taxにログインできるようになります。

さらに、マイナポータルを経由することで、ふるさと納税や、各種保険料控除、医療費控除など、確定申告に必要な控除証明書などのデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動反映できるようになりました。初回のみ事前設定が必要ですが、書類の管理が減ることや計算の手間がなくなることで、確定申告の負担を格段に減らすことができます。

出典:「令和5年分の確定申告はマイナンバーカードとe-Taxでさらに便利に!」国税庁

確定申告書の提出

書類がすべて揃ったら、確定申告書の提出です。確定申告書の提出方法は下記の3種類です。

  1. 所轄税務署の窓口(または時間外収受箱)に持参する
  2. 郵送で提出する
  3. e-Taxで提出する

税務署に提出するのメリットは、その場で担当者に必要書類が揃っていることをチェックしてもらえること、控えがその場でもらえること、確実に提出できることなどが挙げられます。税務署の開庁時間に持参できない場合には、各税務署の外に設置されている時間外収受箱に投函することで提出することもできます。書類のチェックや控えの手渡しなどはできませんが、税務署員が確実に回収してくれるという点で安心です。時間外収受箱は、申告期限最終日の翌朝8時30分に職員が回収するまでが、期限内申告分として処理されますので、申告期限ギリギリに書類が完成した場合などにも利用できます。

郵送で送付する場合には、信書が送れる「郵便」または「信書便」で送付するようにしましょう。「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」では信書の送付はできません。郵便または信書便で送付された場合のみ、「消印を提出日」とみなすことができます。申告期限ギリギリになってしまった場合には、申告期限内の消印が押されるよう窓口での発送がおすすめです。

e-Taxの申請では申告期限最終日の日付が変わる前までの提出分が期限内として受理されます。しかし時間ぎりぎりに提出しようとすると、サーバーの混雑状況や通信状況でうまく送信することができず、提出期限を過ぎてしまう可能性もありますので、時間に余裕をもって送信することが重要です。

税金の納付または還付

確定申告書の提出で納付する税額が発生した場合は、期限内に納付する必要があります。逆に還付金が発生した場合には、受取方法を指定しておけば、自動で還付金が送付されます。具体的には、下記のような方法があります。

納税のやり方

納税の期限は確定申告書の提出期限と同じ3月15日です。納税の方法としては、下記の7つがあります。

  1. 口座振替
  2. ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
  3. インターネットバンキングやATMから納付
  4. クレジットカードを使用して納付
  5. スマホアプリを利用して納付
  6. QRコードを利用してコンビニで納付
  7. 金融機関または所轄税務署で現金納付

①口座振替や④クレジットカードを利用して納付する場合は、資金決済は後払いになるため、資金繰りに余裕が持てるので、直近で納付する資金がない場合に有効です。ただし、④クレジットカードを利用して納付する場合には、納付税額に応じた手数料がかかりますのでご注意ください。

②ダイレクト納付の場合は、e-Tax上で申告から納税まで完結できる一方で、事前に「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を提出しておく必要があります。利用可能となるまでに1ヵ月程度要することから、ダイレクト納付を希望する場合には、早めに対処することが必要です。

③インターネットバンキングやATMから納付を希望する場合にも、事前にe-Tax利用開始手続きとインターネットバンキング等の利用設定をしておく必要があります。納税のできる金融機関は、ペイジー対応の金融機関のみとなっているので注意しましょう。

⑤スマホアプリを利用して納付する場合には、Pay払いを利用した納付システムのため、事前にアカウントの登録及び残高へチャージが必要です。6つのPay払いに対応しており(2023年12月1日現在)、普段からPay払いをしている場合には便利な方法です。

⑥QRコードを使用してコンビニで納付する場合には、自宅のパソコン等を使用して国税庁のWebサイトで必要情報を入力し、QRコードを作成します。作成したQRコードをコンビニのキオスク端末に読み取らせることで納付書を発行、レジで支払う(納付)という流れです。対応可能なコンビニは、現在、ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」設置店舗のみ)、ファミリーマート(「マルチコピー機」設置店舗のみ)となっているので、持ち込み予定の店舗が対応しているか確認が必要です。

⑦金融機関や税務署で直接現金納付をすることも可能です。この場合は、金融機関や税務署に用意してある納付書に必要事項を記入して提出します。現金で納税する場合のみ、領収済通知書が受け取れます。確実に納税をした証明として手元においておきたい場合には、納付書を作成して納付するのがよいでしょう。税務署も金融機関も営業時間が決まっており、確定申告の時期は、混雑するので注意が必要です。

申告方法と同様、納税も多様な方法があるので、自身の環境やスケジュールにあった方法を検討しましょう。

還付を受けるやり方

確定申告書で「還付される税金」の欄を記入した場合には、払いすぎた税金の還付を受け取ることができます。

還付金を受け取るには、指定の預貯金口座へ振り込んでもらう方法と、ゆうちょ銀行または郵便局に出向いて受け取る方法があります。受取先は、還付申告の際に、確定申告書第一表右側の「還付される税金の受取場所」で指定します。

ゆうちょ銀行や郵便局で受け取る場合は、還付手続きが完了すると国庫金送金通知書が送付されてきますので、身分証明書とともに窓口に提出することで受け取れます。確定申告時に指定したゆうちょ銀行または郵便局以外の窓口では受け取れませんので、注意してください。

会社員が療費控除や住宅ローン控除の初年度、寄附金控除を受ける場合などは、この還付申告をします。還付申告に使用する用紙は、確定申告と全く同じものを使用し、確定申告と同様指示にしたがって該当項目を記入し、証明書などの必要書類をそろえて提出します。

還付申告に関しては、確定申告期間とは関係なく申告書の提出することが可能ですが、対象となる年の翌年1月1日から5年間が申請期間となっているので注意しましょう。

参考:「還付申告」国税庁

出典:「申請手続きの流れ」国税庁

              「税金の納付や還付手続きについて」国税庁

確定申告はなぜ必要?

インボイス領収書

そもそも、なぜ確定申告をする必要があるのでしょうか。「確定申告をしなくてもよいのでは」「確定申告をしないとペナルティはあるの?」といった疑問もあるのではないでしょうか。確定申告の義務がある人が、申告をしなかった場合について考えてみます。

確定申告をしない場合の罰則は?

日本国憲法により、納税は国民の義務として定められています。給与所得者であれば、源泉徴収という形で納税していますが、個人事業主やフリーランスの場合は、自分で確定申告をすることで納税しなければなりません。

確定申告が必要な人とは、個人事業主やフリーランスで1月1日から12月31日までの所得が48万円以上の人(所得が基礎控除額以上になる)や、年間の副業所得が20万円以上の人、給与が2,000万円以上などの場合も確定申告が必要です。

確定申告義務があるにもかかわらず確定申告をせず税務署の調査が入った場合には、本来の納税額を徴収されるだけでなく「無申告加算税」が課され、本来納めるべき税額によって15~20%のペナルティが発生します。悪質であると判断されると、重加算税として35~40%のペナルティが課されることもあります。また、本来受けられるはずでった控除も、確定申告をしなければ受けられません。

申告忘れや申告期限内に確定申告書を提出できなかったときは、できる限りすぐに提出しましょう。申告期限を過ぎたあとの提出は「延滞税」が徴収されるほか、場合によっては「期限後申告」として5%の無申告加算税が発生してしまいます。

確定申告義務がない人が確定申告をしなかった場合は、本来還付される可能性があったお金が受け取れないだけですので、ペナルティなどは特にありません。

以上のように、確定申告をしないとペナルティがあるだけでなく、控除や還付のメリットも受けられません。確定申告義務がある人は、必ず期限内に確定申告書を提出するようにしましょう。万が一期限に間に合わなくても、できるだけ早く提出することが重要です。

参考:「確定申告が必要な方」国税庁

「確定申告を忘れたとき」国税庁

確定申告の相談先

上述のように、確定申告での申告漏れはペナルティにつながる恐れがあります。申告書作成時に困ったことやわからないことがあったら、積極的に専門家に相談しましょう。

青色申告会

青色申告会とは、個人事業主が中心となって組織する納税者団体です。個人事業主のサポート活動と青色申告者のための税制改正運動をしており、会員になれば記帳や決算、経営の相談をすることも可能です。

確定申告の時期には、全国の税務署等で無料相談会を実施しており、青色申告のプロとしてさまざまな相談に乗ってくれます。

税務署窓口

税務に関する一般的な相談先として、税務署の窓口がイメージされるでしょう。年末から3月にかけての確定申告の時期は、混雑する傾向があります。開庁時であればいつでも無料で相談に乗ってくれるので、普段からわからないことは聞いておくといいでしょう。

確定申告の時期には、臨時で特定日に相談会を開催していることがあります。会場によっては予約制の場合もありますので、あらかじめ調べてから行くようにしましょう。

税理士

税の専門家といえば、税理士でしょう。確定申告の相談や、希望があれば確定申告の代行も可能です。契約内容によっては、確定申告だけでなく節税対策などの相談や個別の事情に合わせてアドバイスを受けたりと、事業の相談もできることがメリットです。

ただし、確定申告の時期は税理士の繁忙期でもあるため、新しい契約を閉め切っている場合もあります。確定申告の時期に間に合わない場合は、地域の税理士会による確定申告無料相談会が各地で開催されるため、参加してみるとよいでしょう。

確定申告は事前準備が重要

確定申告をスムーズに進めるコツは、事前準備をしっかりし、流れをつかんでから申告書類の作成を始めることです。

マイナンバーが発行されe-Taxが広まったことにより、確定申告の申告方法は多岐に渡るようになりました。便利になった一方で、使い方や処理の仕方がわからず時間がかかることも考えられます。とくに初めてe-Taxを利用したい場合には、利用登録などの事前準備も時間がかかるものとして考えておいたほうがよいでしょう。

わからないことは税理士や税務署に相談しながら、申告期限を意識してスケジュールをくみ、計画的に進めていきましょう。

また、確定申告を進めるにあたって、不明点があればぜひ一度お気軽に小谷野税理士法人までご相談ください。経験豊富なプロが、丁寧にサポートさせていただきます。

この記事の監修者
今野 靖丈小谷野税理士法人 税理士
1997年中央大学経済学部卒業後、東京国税局に入所しました。法人の税務調査の現場では税の議論だけでなく、企業の経理体制の優れた点の説明や、改善すべき点をアドバイスしてきました。国税徴収に関わる部門では、多くの中小企業の経営者、個人事業主と財務に関わる面談をし、資金操計画の作成アドバイスを行ってきました。
会計・財務・税務に関する様々な相談に対応し、提案をすることをライフワークと考えています。お気軽にご増段下さい。
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