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副業の税金対策とは?いくらからかかる?副業で節税できる方法を詳しく解説!

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副業の税金対策とは?いくらからかかる?副業で節税できる方法を詳しく解説!

本業以外でも収入を得るために、副業をされている方の中には「副業をすることで税金対策になる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。一定の要件を満たすことで、副業をしていることが節税につながる場合がありますが、副業を行うことによって変わるお金のしくみを知ることが大切です。そこで、今回は副業の税金対策とはどのような仕組みなのか、いくらから税金が発生するのかといった点について詳しく解説していきます。

副業とは

副業とは何か?定義について

副業とは、本業のほかに収入を得ている仕事のことを指します。働き方が多様化している現代において、収入を増やすために副業を始めたという方も多いのではないでしょうか。実は、副業の定義については法律で明確に定められているわけではありません。しかし、サラリーマンのように本業としての仕事がある方が、それ以外で収入を得ている仕事のことを「副業」と呼んで差し支えないでしょう。

兼業との違い

兼業とは、本業以外の仕事にも取り組むことを指します。副業と同じように思われるかもしれませんが、兼業は「本業となる仕事をいくつも抱えている状態」という点で、厳密にいうと副業とは異なります。ただし、「副業」と「兼業」は同義として使用される場合が多い表現です。政府のガイドラインでは「副業・兼業」と同じ意味を持つ言葉として表記されており、経団連の報告書においても副業と兼業は同義であると記されています。

複業との違い

副業と混同されやすい言葉に「複業」があります。複業とは、本業として取り組んでいる仕事を複数抱えている働き方のことです。つまり、抱えている仕事に本業と副業という区別がなく、いくつもの本業に取り組んでいるという点で副業とは異なります。並行を英語にすると「パラレル(parallel)」という言葉になりますが、複業をしている方を「パラレルワーカー」と呼ぶこともあるのです。

ダブルワークとの違い

ダブルワークとは、文字どおり「ふたつの仕事を掛け持つこと」を指します。しかし、ダブルワークの仕事はどちらも本業ではなく、アルバイトやパートタイム労働など、非正規雇用として働いている状態を指すことが一般的です。

企業に勤めている正社員が、別の仕事で収入を得ることを副業といいますが、ダブルワークは本業の仕事がない方が掛け持ちで働いているという違いがあります。

副業の税金はいくらからかかる?税金がかからない収入はいくらまでか

副業に該当する仕事とは?

副業に該当する仕事とは、本業以外に取り組んでいるすべての仕事のことを指します。勤務時間後に別の会社で働くことはもちろん、本業がある場合にはキャバクラやホストクラブでの勤務も副業です。また、ハンドメイド雑貨やアクセサリーを作成し、フリマアプリなどで販売することも副業に該当します。

副業の所得合計が20万円を超えた場合は確定申告が必要

確定申告が必要な所得の基準は、給与所得が2か所以上あるかどうかによって異なります。給与所得が1か所からの場合、「副業の所得合計額が20万円を超えた場合」に確定申告が必要です。一方、給与所得が2か所以上からある場合には、「年末調整をされていない収入が20万円を超えた場合」に確定申告が必要となります。

副業の所得合計が20万円以下でも確定申告が必要となるケースもある

上述のとおり、副業や年末調整をされていない収入が20万円以下の場合、確定申告は不要です。しかし、場合によっては確定申告をしたほうが税金対策になるケースもあります。例えば、副業の収入から所得税が多く源泉徴収されていたり、住宅ローン控除を初めて利用したりする場合などに確定申告をすると、所得税の還付を受けることが可能です。副業の収入が20万円を超えていなくても、所得税の還付が受けられる場合には確定申告を行いましょう。

副業が節税となる主な理由と手段

経費を活用できる

副業が節税になる理由として、副業に必要な支出を経費として計上できることが挙げられます。例えば、以下の支出は全額が経費として認められる可能性があります。

  • 副業を行うための交通費
  • 打ち合わせの際の食事代
  • パソコンやタブレットなどの電子機器
  • 営業のための贈答品
  • 書籍代

また、以下の支出の一部が経費として認められる可能性があることも覚えておきましょう。

  • 家賃
  • 光熱費
  • スマートフォンなどの通信費

青色申告特別控除が利用できる

確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、「複式簿記での記帳」と「電子帳簿での保存・提出」という要件をクリアすることによって、青色申告をすることが可能です。そして、青色申告は手続きが複雑になる代わりに、最大65万円もの控除を受けられる「青色申告特別控除」という制度が用意されています。つまり、副業で利益を得た場合に青色申告をすることで、最大で年間65万円までは税金がかからないということです。

副業で節税する手段をとるなら開業届と確定申告の実施が必須

副業で節税したいのであれば、まずは開業後1か月以内に「開業届」を提出します。そして、業務を開始してから2か月以内に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。この手続きを踏まなければ、青色申告で確定申告をすることができません。書類に必要事項を記入するだけで簡単に提出することができるため、忘れずに手続きを行いましょう。

サラリーマンが副業で節税する方法とは

青色申告を実施する

副業をしているサラリーマンの方は、副業によって得た収入を「雑所得」として申告している場合が多いのではないでしょうか。しかし、たとえサラリーマンであったとしても、副業の内容や規模によっては「事業所得」として申告することが可能です。

そして、事業所得として申告できる場合、青色申告をすることができます。上述のとおり、青色申告では最大65万円の控除を受けられるため、高い節税効果が期待できるでしょう。

必要経費を計上する

副業によって得られる収入には税金が課せられます。しかし、収入にそのまま税金を課せられるわけではなく、収入から必要経費を差し引いた「課税所得」に税率をかけることで計算します。そのため、副業の収入が多かったとしても、計上できる経費が多ければ税金の負担を抑えることが可能です。副業に関係のある支出は経費として計上できるため、領収書はしっかり保管しておきましょう。

給与所得との損益通算を行う

副業による収入が「不動産所得」や「事業所得」に分類され、所得が赤字となった場合には、本業の給与所得との「損益通算」を行うことが可能です。損益通算を行うことで年間の合計所得額を圧縮することができるため、節税につながります。

なお、雑所得として申告した場合には、損益通算を行うことができません。副業による収入がどの区分に該当するのかによって、節税効果に大きな違いがあることを覚えておきましょう。

サラリーマンが副業で赤字を出した場合も節税できる

赤字副業で税金が安くなる可能性がある

「赤字副業」は、経費を多く計上することで副業による収入を赤字で申告し、サラリーマンの課税所得と損益通算することによって、給与から天引きされた税金の還付を受ける方法です。副業で得ている収入が高額ではない場合、副業で必要なパソコンや通信費、家賃や光熱費の一部を経費計上することで、赤字で申告することができます。つまり、副業によって生じた赤字を本業の給与と相殺することで、節税につながる可能性があるのです。

ただし、税務署も赤字副業に目を光らせているので注意は必要

  • 事業所得と雑所得の境界線に注意

副業の収入が雑所得に該当する場合、サラリーマンの給与所得と損益通算することはできません。そのため、節税するためには「事業所得」として申告する必要があるのですが、事業所得と雑所得の境界線には注意が必要です。

副業の収入が事業所得に該当するかどうかは、事業に「継続税・反復性」があるかによって判断されます。例えば、フリマアプリなどで一時的に販売を行った場合などは事業所得に該当しません。所得の区分は、あくまで事業の実態によって判断されるということを覚えておきましょう。

  • 問題になった事例を紹介

給与所得との損益通算や青色申告を行いたいがために、雑所得に区分される副業の損失を事業所得として申告した事例があります。このようなケースで税務署から悪質な行為と判断されてしまうと、脱税行為として告発されてしまう可能性があるため注意が必要です。副業で節税をしたい場合は、事業内容に継続性や反復性があるかを確認し、正しく申告するようにしましょう。

どんな副業をしている?人気の副業

クラウドソーシング

クラウドワークスやクラウドテックといったクラウドソーシングサイトでは、多くの企業から副業となる案件が募集されています。動画編集やプログラミングなど、自分のスキルに合った副業を見つけられるため、これから副業を始めたいという方はクラウドソーシングサイトを活用してみましょう。

アンケートモニター

アンケートモニターとは、リサーチ会社やクラウドソーシングのサイトで募集しているアンケートに回答することで、謝礼としてお金やポイントを受け取る副業です。大きな収入を得ることは難しいかもしれませんが、スマートフォンがあれば簡単に取り組めることから人気を集めています。

ポイントサイト

ポイントサイトを経由して買い物や会員登録をすることによって、ポイントを貯めることができます。また、貯まったポイントは現金や電子マネーに換金することが可能です。アンケートモニターと同様に手軽さが魅力ですが、大きな収入を得ることは難しいといえるでしょう

せどり

せどりとは、商品を安く仕入れて高く売ることで、その差額による利益を得ることを指します。実際の店舗やインターネット上のサイトなどから仕入れを行いますが、予算を自分で設定できるため、比較的ローリスクで副業を始めることが可能です。仕入れのリサーチ方法などを覚える必要はありますが、成功すれば大きく稼げる可能性があります。

デリバリースタッフ

Uber Eatsや出前館など、料理や日用品を配達するデリバリースタッフも人気の副業です。デリバリースタッフの魅力は、スキマ時間に取り組むことができ、稼働した分だけ報酬を得られる点にあるといえます。ただし、一部の地域ではUber Eatsの報酬額が引き下げられたこともあり、今後の動向には注意すべきといえるでしょう。

ライブ配信

ライブ配信では、リスナーからの投げ銭やギフト、配信時間などに応じて収入を得ることができます。副業として取り組む場合は顔出しに抵抗があるかもしれませんが、声だけで配信をすることも可能です。誰でも手軽に始めることはできますが、リスナーを獲得するにはさまざまな工夫や努力が必要になるでしょう。

覆面捜査官

覆面捜査官は、企業から依頼を受けてお店や施設のサービスなどを調査し、その結果を報告する副業です。一般客を装って調査を依頼された店舗を利用し、お客様目線でのチェックリストやレポートを作成します。また、覆面捜査をすることによって、そのお店のサービスをお得に利用できることも人気の理由といえるでしょう。

株式投資

株式投資とは、企業の株式を購入し、その企業からの配当金や株式を売却することによって利益を得ることを指します。ある程度の初期費用は必要になりますが、NISA(小額投資非課税制度)を利用することで、少額から株式投資をスタートすることも可能です。ただし、投資であるため元本割れのリスクもあることを理解しておきましょう。

FX

FX(外国為替証拠金取引)とは、日本円と米ドルなど、ふたつの通貨を交換することで生じた差額が利益となる取引です。レバレッジを効かせることで、少額の資金で大規模な取引ができるため、成功すれば大きな利益を得ることができます。しかし、逆にいえば大きな損失を被るリスクもあるため、FXを始める方は仕組みをしっかり理解しておきましょう。

不動産投資

不動産投資とは、取得した物件を賃貸することで、家賃収入を得ることが主な目的の投資です。入居者がいる限り毎月安定した家賃収入を得られることから、サラリーマンにも人気の副業となっています。ただし、不動産投資は初期費用が高額であることや空室リスクなどもあるため、物件を慎重に選定する必要があるといえるでしょう。

仮想通貨

ビットコインなどの仮想通貨を購入することによって、売買の価格差から収入を得ることが可能です。株式のように仮想通貨も価値が下落する可能性はありますが、専門的な金融知識が求められるわけではないため、資金さえあれば初心者でも簡単に始めることができます。

副業禁止の会社もある?なぜ副業禁止なのか

会社が副業禁止する理由

リクルートキャリアが2018年に実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査」を参照すると、副業を容認している会社は28.8%で、約70%の会社は副業を禁止していることがわかりました。

会社が副業を禁止している理由として最も多かったのは「社員の⻑時間労働・過重労働を助⻑するため」で、44.8%という結果が出ています。また、「労働時間の管理・把握が困難」という理由が37.9%の割合を占めており、従業員の健康管理に関する問題が主な要因のようです。そのほか、会社の情報漏洩や利益相反に該当する副業を行うリスクも懸念されています。

大手企業などが副業解禁の流れをつくっている

まだ副業を容認している会社は少ないものの、大手企業などが副業解禁の流れをつくり始めていることをご存知でしょうか。例えば、ソフトウェア開発会社の「サイボウズ」では、利益相反にあたらない限り副業を認めることを就業規則で規定しています。また、「ロート製薬」では平日の就業後と休日に副業ができる「社外チャレンジワーク」や、社内で部署を掛け持ちできる「社内ダブルジョブ」という制度を設けたことで話題を呼びました。

これまでは原則として禁止されていることが多かった副業ですが、働き方改革によって方針が大きく転換しています。大手企業が率先して改革を進めることで、今後は副業を容認する会社が増加していくかもしれません。

副業で節税対策をうまく行いたい場合は専門家に相談を検討

今回は、副業による税金対策の仕組みや、具体的な節税方法などについてご紹介してきました。副業は単純に収入が増えるだけでなく、税金面においても大きなメリットがあります。また、先行きが不透明な現代において、ひとつの仕事に縛られない働き方はリスクヘッジにもなるでしょう。副業をすることで効果的な税金対策を実施したいという方は、専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
税理士「今野 靖丈」

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