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- 雇用の規制緩和見送り~守れない規制維持は誰が得をするのか~
小谷野です。
昨日政府は雇用規制の大きな緩和を見送りました。
いわゆる「ホワイトカラー・エグゼンプション」や人材流動化を促す制度導入は棚上げとなりました。
産業界の強い要望は、ミクロの改正でお茶を濁しました。いつものことです。
女工哀史の時代に、工場で集団的、従属的に過酷労働に従事する者を守るためにできたのが労働関連法令です。
現在の産業実態とかけ離れています。
ベンチャー企業が新しい事業を立ち上げるために毎晩遅くまでワイワイやっているのは、
労働者の合意があっても違法行為です。
現在の労働関連法令は、上場会社も守りきれません。
つまり、「規制緩和」などという難しい事では無く、現代社会の産業実態に合わせる作業も棚上げになったのです。
海外では、ホワイトカラーの職種によって適用ルールを変更するのは当然ですが、
裁量労働制は形式上存在しても経団連の指摘の通り、実務では使い物になりません。
この守れないルールの存続を守って得をするのは、裁量権という大きな権力が発揮できる人たちだけでしょう。
ていたらくな社員のつぶやきです。
「ベースアップなんて、俺には必要ない。人事評価が低くても問題はない。
毎月の残業申請書に数時間上乗せすればよいのだ。
ホワイトカラーは、受け取る給与は自分で決めれば良い。労働基準監督署も、
会社に居た時間や、パソコンの電源を落とすまでは労働時間と見てくれる。」
~ やる気のある社員への悪影響を心配する 小谷野でした ~