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- 文化観が行動を左右する ~水戸徳川家の伝統~
小谷野です。
水戸徳川家15代当主である徳川斉正氏の話を聞く機会がありました。
歴史は見る立場によって理解が変わること、受け継がれた文化は強く人の行動を左右することを
知りました。
水戸藩といえば2代藩主、徳川光圀が水戸黄門で有名ですね。
若き不良時代の光圀さんの話も面白かったですが、水戸藩の文化観は新しい発見でした。
水戸9代藩主徳川斉昭の七男、徳川慶喜は15代将軍として朝廷に政権を返し(大政奉還)、
錦の御旗をあげた薩長軍と戦わず、軍勢を関西に残したまま江戸に逃げ帰った、
などと武将としても為政者としてもドラマなどでの取り上げ方は今ひとつでしょう。
しかし、彼が教育された伝統的な文化観を知ると、それらは至極当然の判断であり、
江戸に戻って謹慎したのも理解できてしまいます。
水戸藩は創設以来、朝廷が一番、幕府は二番との教育を徹底していました。
水戸の那珂川で捕れる一番鮭は朝廷、二番鮭は幕府へ献上するという伝統にも表れています。
「幕府に反くとも朝廷に向かひて弓引くことあるべからず」は、犯すことのできない伝統・文化観なのです。
このように歴史は見る立場によって理解や評価が変わります。
経営的にいえば、事実を一方向からのみでは無く、多角的に見る癖が重要ということでしょうか。
また、人や企業を見る場合にその文化観を理解しないと、行動を予知できず損失を被る場合もあります。
私は職業上、多数の業種・企業を長年見ていますが、バブル、○○ショック、長い不況を経ても、
業界文化、企業文化はあまり変わらないというのが印象です。
伝説の経営者といわれる方々は、組織に独自の文化を形成して普遍性を持たせるのに成功したケースが多く見られます。