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- 世界で最初に飢えるのは日本 ~食料安全保障~
小谷野です。
日本の食糧事情の悪さは長年警告されていますが、欧州で戦争が始まり、中国消費激増や物流情勢の変化もあるため、もう一度最新情報として日本の食糧事情に関して読むことにしました。
書籍は『世界で最初に飢えるのは日本(2023.1 第4刷 講談社+α新書)』です。
著者は農林水産省勤務を経てから母校東大農学部に戻り、現在東京大学大学院農学生命科学研究科で教授を務める鈴木宣弘氏で、食料安全保障推進財団理事長にも就任されているようです。
2020年37%といわれる自給率ですが、種と肥料の海外依存を考慮すると日本の自給率は10%程度で、物流が停止したら餓死者が出るという話は大げさではないと、著者は警鐘を鳴らしています。
<日本の食糧自給率は何故下がったのか>
・貿易自由化と食生活の改変政策
自動車関税撤廃の引き換えに農産物の関税が引き下げられて、農産物の輸入枠設定により日本の農業は圧迫されてきた。
・米(こめ)中心の食を減退させた「洋食推進運動」
自国の食生活から欧米型食生活へ急速に変化させた民族は珍しく、米国の食糧戦略の結果と言う人もいる。
・有事には誰も助けてくれない
食料大国から日本への食料輸出は、政治的に簡単に止められてしまう。
<世界のカロリーベースの食料自給率>
(農林水産省のHPより)https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html
著者は著作内で、他にも「危険な輸入食品」、「土を大切にしない人災」、「農業の再興戦略」などの話を展開しています。
先進国の中で、日本が真っ先に飢える国に成りかねないとの警告です。
~日本ではメタボの言葉が無くなる? 小谷野でした~