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- 働き方改革が遠い業界~新春歌舞伎~
小谷野です。
今月の歌舞伎は、国立劇場が、正月恒例(吉例)の尾上家による復活狂言ですが、
今年は鶴屋南北作の仇討物を、菊五郎を筆頭に、両(ダブル)花道で菊之助と松緑が魅せます。
新橋演舞場では今年5月に歌舞伎界の大名跡、市川團十郎を襲名する市川海老蔵家族総出の舞台でした。
「め組の喧嘩」では、勧玄君が江戸っ子言葉の連発で笑いを取っていました。
舞踊劇「仲国」では、「ぼたん」を襲名した麗禾(れいか)ちゃんの踊りに、
若くして乳癌で亡くなった麻央さんの面影もあり、客席は市川家応援団で溢れていました。
ところで、歌舞伎役者は、働き方改革と縁遠い職業です。
朝から夜遅くまで毎月25日間休みなく舞台に立ち、千秋楽を終えれば次月の稽古にはいります。
人気役者が、次々と深刻な病気で急逝する理由は、体調が悪くても舞台に穴を開けることをためらい、
病院に行かず、発見が遅れて病が深刻化するとも言われています。
昨年海老蔵さんが、月中で休演日を設ける働き方改革を提案し、
松竹は今年4月から15日を休演日とするようですが、改革は1歩を踏み出した程度でしょうか。
歌舞伎役者と同様に、働き方改革と縁遠いのが医師の世界です。
昨年公表された厚生労働省の医師の働き方改革の報告書では、
残業時間の上限を年1860時間(月155時間)とする内容でした。
一般企業の過労死ラインの2倍の残業時間が上限規制となっていました。
勤務医の友人達は、週1日の休みを取るのが精一杯で、その休みも患者の看とり、
見送り(遺体の引き取り立ち会い)で出勤になることも多いといいます。
診療科にもよりますが長期休暇の取得は難しいようです。
参考までに、一般企業の働き方改革の残業上限規制は以下の通りです。
・年間の残業時間720時間以下
・1ヶ月100時間未満
・2ヶ月~6ヶ月平均で80時間以下
・45時間超えの月は年6回以下
~ もっと働こう改革の企業も見かけるのに、小谷野でした ~