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- 倫理とリスク・リターン~食品偽装再び~
小谷野です。
また食品偽装発覚です。
老舗酒造会社が、安酒に高級品ラベルを貼って出荷したり、
純米酒に醸造アルコールを足したりと、
日本酒好きには怒り心頭です。
ビジネススクールの教科を通じてこの事件をみると、2つの側面が浮かび上がります。
ひとつは企業倫理(Business Ethics)です。
企業行動は社会に大きな影響を与えるのであるから、
企業とその従業員の倫理観が高くなければ存続は望めない。
もうひとつが、リスクとリターンの理論です。
株式投資でも事業においてもリスクとリターンを明確に定義、測定、
比較検討して意思決定する事が重要との理論です。
小さなリターン(収益)しか見込めないのに大きなリスクをとってはならないという、
米国大学院まで行って学ばなくても分かる理論ですが、
現実にはこのような意思決定は数多くなされます。
今回の事件である食品偽装は、雪印、ミートホープ、船場吉兆など、
過去の事例をあげるまでもなく、企業の存続ができなくなるリスクがある行為です。
企業倒産という最大のリスクをとって、いくらのリターン(収益)を追求したのでしょうか。
また発覚したのが、従業員の告発や消費者のクレームではなく、
国税局の調査というのは、根の深い問題です。
~ まじめに日本酒造りをしている人の苦悩顔が浮かぶ 小谷野でした ~