代表 小谷野幹雄のブログ

2016年11月17日税制改正議論にみる日本の家族観~女性の社会進出の壁~

小谷野です。

この時期は来年度の税制改正の議論が渦中に入ります。
女性の社会進出を促進する税制も議論になります。
しかし、早々に本年も抜本改革案は見送られました。
配偶者控除額の調整でお茶を濁すようです。

 

抜本改革案は、夫だけが働くことを前提にした配偶者控除を廃止し、海外でよく見られる夫婦控除制度を導入するというものです。
見送った表向きの理由は、不利になる低所得世帯が発生することですが、「女性は家を守り男は社会に出て稼ぐ」という日本の家族制度の根幹に関わる問題は、もっと時間をかけて議論すべきとの考えが背景にあります。

 

現在、働こうとする主婦の方には103万円の壁があります。
収入が増えると、夫の所得税計算上の配偶者控除がなくなり、家族の手取りが増えないのに、夫に年末調整の手間暇から迷惑をかけるというものです。

さらに大きな壁は130万円の壁です。
年間の収入が130万円を超えずに主婦でいれば、実際には年金保険料を払わなくても払ったとみなす制度です。(本年10月から大企業のパートに限って年収106万円以上の方に厚生年金の加入が義務づけられました。)

フルに働いている女性は、通常通り全額支払い義務があり、働かない主婦が保険料を全額免除される3号被保険者制度は、働く女性から不公平と長年言われており、主婦の就業意欲を削ぐ制度となっています。

民間の経済団体では、女性の社会進出を促進するために配偶者手当を廃止・縮小するようにとの指導が会員企業に出ているようです。

 

~ 女性就労の足かせ多過ぎ 小谷野でした ~
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