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- 創業者の思いを繋げていく ~経営の承継~
小谷野です。
前回触れたファミリー・ミッション・ステイツメント(FMS)に関係するお話です。
家族憲章などともいわれ、一族の理念、価値観や使命、事業運営方針、支配のあり方などの記載があります。
日本的な話ですが、上記FMSほど明確な文章は作らず、また遺言書にも記載がないが、何世代も経営の交代を、争い無く行っている企業があります。
前回の兄弟骨肉の訴訟合戦で会社を失ったケースとは対極的な事例です。
異なるのは、創業者の経営承継のメッセージが明確にされて次世代に受け継がれていることです。
会社の継承において、遺言書はなくても、創業者の遺言(意思表示)が守られているのです。
2社ほど事例紹介です。
1つ目の例は、創業者の2名の息子に対して、自分の後は長兄が社長、その長兄が会長に就任するときに、弟が社長に昇格、弟が会長になるときに、長兄の子供が社長に昇格(ワンクッション入る場合もあります)と決めている会社です。
現状では男子が継承していますが、女子の場合も今後は同様のルールが継承されていくのでしょう。
双方のファミリーから交互に社長を輩出させる、見事に、たすき掛け人事が続いてます。
2つ目は、兄弟で創業した会社で、創業者兄の子供が社長、創業者弟の子供が副社長、創業社兄の子供が会長になると、創業社弟の子供が副会長に就任という例です。
3世代目になっても現状ではルールは変えていません。創業者兄弟2人の家系からそれぞれ経営者が、主と副の立場で排出します。出資は同水準ですが、絶対的な支配権はどちらのファミリーも持ちません。
このような事例は法的文章ではない紳士協定ですから、未公開会社、上場会社の株式保有会社においてはどこかで、株主間契約などで、会社運営に係る合意事項、株式譲渡のルールなど明確にする必要があるとは思います。
~うまくいっているのは、生来の人間性、親の教育の成果?、小谷野でした~