代表 小谷野幹雄のブログ

2023年02月16日会社の相続事件簿 ~子供は平等でよいか~

小谷野です。

創業者から、会社を引き継いだ兄弟の争いが絶えない会社がありました。

 

創業者の理念は、長男も二男も平等に扱うこと、それが争いを防ぐ最良の方法と信じていました。

会社の支配権である会社の株式も50%ずつ生前に贈与されていました。

そしてたまたま、取締役会において長男を支持する役員数、二男を支持する役員数が同数でした。

この結果、頻繁に取締役会無効を訴え、株主総会無効の訴を繰り返しているうちに売上減、業績悪化により、他社に会社を売却せざるを得なくなりました。

 

事業承継の現場では、不平等が悪ではなく、平等が悪になる場合もあります。

本事案の場合、創業者が兄弟どちらかを主たる後継者と指名して、さらに贈与する株式数に差を付けていたなら、この悲劇は避けられた可能性があります。

 

少々専門的になりますが、ファミリー・ミッション・ステイツメント(FMS)、日本語で言うと家族憲章や家訓でしょうか、歴史のある同族企業グループで、経営、事業所有、親族の関わり方、資産管理方法など、家族の根本原理や使命を明文化しているところもあります。

 

これを代々引き継ぎ、時代に応じて時には修正をして、親族間の争いごとを減らすことに成功している一族もあります。

 

次回は、創業者のファミリーミッションが明確にある企業の承継事例について取り上げたいと思います。

 

 

~平等は悪にもなる、小谷野でした~

 

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