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- ゼロから分かる量子コンピュータ ~開発競争よりも平和利用への枠組み作りが重要~
小谷野です。
スーパーコンピュータを遙かに凌ぐ、量子コンピュータの本(小林雅一著『ゼロからわかる量子コンピュータ』)を読みました。
量子とは、何度も何度も分割し、原子サイズまで小さくなった物質やエネルギーのことのようです。
昔、「0」と「1」のビットやバイトを理解しましたが、現代の量子力学の極小の世界では、「0でもあり1でもある」という奇妙な状況が成立するそうです。
「量子の重ね合わせ」という現象がおき、2個の量子ビットでは「00」「01」「10」「11」という4つの状態、3個では「000」「001」・・・8つの状態、n個の量子ビットでは「2のn乗」個の状態を同時に読み取ることができるそうです。
n=280では、宇宙に存在するすべての原子の全個数に匹敵するそうです。
これを1台のコンピュータ内部に無限の状態を創り出し、同時平行処理すると「富岳」のようなス-パ-コンピュータが原始時代のコンピュータに思えるそうです。
現在のアマゾン、グーグル、マイクロソフト、IBM等が提供している量子コンピュータサービスは数十個の量子ビットしか搭載しておらず、スペックは大きくないようです。
(量子コンピュータが進化すると何ができるのか。)
・創薬に係る膨大な時間とコストの削減
・天候や交通状況に応じた信号機制御等による交通渋滞軽減
・配達ルートや輸送ルートの最適化
・競争優位を保つ投資活動
・巨大な仮想経済圏(メタバース)の形成 …
(大きな懸念)
量子研究が一番進んでいるのは中国で、推定100億ドルの予算で軍事研究として開発を加速させている。
米国国防総省も軍事予算により技術開発を進めている。
軍事転用されると、核兵器並の破壊的な結果をもたらす技術である。
あらゆる暗号は解読され、産業競争面でも強力なアドバンテージになる。
(最も重要なこと)
量子コンピュータは、適切な管理、平和利用へ導く世界の枠組みを作ることが開発よりも優先させる重要な課題である。
~夜のスケジュールは量子暗号化、小谷野でした~