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- 網走監獄 ~国防に散った囚人~
小谷野です。
今回は、道東(北海道の東側)の網走監獄の話です。
映画の世界では、高倉健主演で10作まで続いた「網走番外地」が有名でしょうか。
40年前にテントをオートバイに積んで日本一周をしていたころ、歴史館としてオープンしたばかりの網走監獄を訪れたとき、真実の発見にひどく驚いたことを思い出します。
当初は重大な凶悪犯人が逃げられないように、わざわざ北の果ての極寒地に刑務所を作って、念入りな罪人隔離を行っていたと思っていましたが、真実はそう単純ではありませんでした。
時は明治、不凍港を求め南下政策をとるロシアの脅威から、北海道開拓は急務で、人や物を運ぶ道路を作る必要がありました。
そこで、日本の国防のために旭川から道東のはて網走まで、網走監獄の囚人を活用して山中に道をつくることを政府が決意しました。旭川から網走まで約220kmを手作業で道を作っていったのです。雨の日も昼夜問わず工事は続き、約1200人いた囚人のうち6人に1人にあたる約200人が僅か8ケ月の間の工事で亡くなったと言われています。
網走においては、このような国防のために道路建設も、農地の開拓、鉄道建設、港を作ったのも囚人達でした。
現在の網走監獄は、多くの建物が再建され、いたるところに蝋人形を配置し、映像なども充実して見やすい歴史館に生まれ変わっています。
~刑務作業とよんでよいのか、小谷野でした~