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- 父より息子への手紙 ~実業や人生の教訓~
小谷野です。
『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(キングスレイ・ウォード著、城山三郎訳、新潮文庫)からです。
著者は公認会計士から実業家に転じ、成功を収めましたが、心臓手術で死に直面し遺言の代わりに息子に手紙を書き始めました。
これが実業界での経験、人生の知恵、ノウハウを息子に語る内容で、父が息子に事業を譲り引退するまでの20年間に書いた手紙である。(抄)
(成功について)
最初の公認会計士試験の失敗が信じられず、6年も大学で学んだことが無駄になったように大きく落ち込んだ。
人は成功者の今の姿だけを見がちである。彼らの長年の努力、失敗、欲求不満、そしてこれまでに遭遇し、克服してきた多くの困難は人の目に入らない。
成功している人は勝利への一本道を歩いているように見えるが、そんな人は知らない。苦しい時期を乗り越えられるかどうか、道を歩き続ける粘り強さがある。
失敗は何かを学ぶ、貴重な教訓を得る場合も多い。
道徳心、熱意、勤勉さ、そして責任感、君は毎日、日常のできごとの中で保たなければならない。
(金銭感覚)
息子の取引先との豪華な接待請求費用を見た父からの手紙です。
お金の用途は2つある。ひとつは、事業に投資して利益を上げること、二つ目は、使って楽しむことである。
取引先接待で、会社の繁栄ぶりを示すことは大切だが、贅沢に見えたり、金を浪費する愚か者に見えたり、時には相手側に、取引の価格が高すぎたのではないかと疑問を相手に感じさせる。
一つの事業で儲けると自分は天才と思い込んで、分野の全く異なる事業に乗り出す人が多く、その結果せっかく築いた財産をすっかり失うことも少なくない。
(読書の価値)
他人の過ちから学べ。自分で全ての過ちを経験する必要は無い。
読書は他人の経験から学ぶことができ、経験では得られない問題に関する洞察力を人に授ける。
14才で地方図書館の本を全て読破したトルーマン大統領はその例である。
経営の腕を磨くということは、人々について読むことである。ストレス、投資、運動等々、多数のテーマの本も人々の考え、行動について語っている。経営技術を向上させるためには、広範囲の人々について読むことが需要だ。
~書いたことがない身内への手紙、小谷野でした~