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- ハイブリッド戦争 〜サイバー攻撃〜
小谷野です。
先週から、米国最大の燃料パイプラインがサイバー攻撃により停止し、車のガソリン、ジェット燃料まで供給が止まる事態が続きました。この他にも、企業を狙ったサイバー攻撃の報道が続いています。
先週末読んでいた本が『ハイブリッド戦争』(講談社2021.2 廣瀬陽子著)でしたので、その要旨です。
戦争は陸・海・空・宇宙の正規軍が戦うだけではない。サイバー攻撃、敵国へのプロパガンダ戦略、政治・経済・外交の情報戦、心理戦など様々なツールを組み合わせて展開されるようになった。
ハイブリッド戦争の特徴は、正規軍の維持にくらべて「低コスト」、「効果が大きい」、「言い逃れができる」などが挙げられる。
サイバー攻撃は、単なる犯罪の場合もあるが、相手国の政治や経済を混乱させる国家レベルでの関与が多いのが特徴である。
民間の軍事会社(PMC)の存在も大きく、単なる傭兵ではなく、WEB戦略をはじめ幅広い軍事活動を支えている。
今回の米国のパイプラインへのサイバー攻撃事件において、システムの正常化のための身代金の支払有無は不明ですが、有事の際には、経済社会を混乱させ、インフラを止めるサイバー攻撃は大きな効果があることが証明されたようです。
先進各国では、メディア・リテラシー教育(注)やフェイクニュース対策教育などが実施されているそうですが、日本の情報リテラシーは低いようで、英ソフィス社、米ファイア・アイ社の調査結果によると、日本企業はサイバー攻撃の検知能力が先進12国で最下位のようです。
(注)新聞、テレビ、WEB等メディアからの情報を受動的ではなく、主体的、能動的、批判的に読み取り、解釈し、意見を持てるようにする教育。
日本はこのハイブリッド戦争への危機感が薄く、備えが脆弱である事を筆者は警告していました。
~家でも見えない戦争、小谷野でした~