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- ワークマン ~売り方を変えるだけで2倍~
小谷野です。
流通業界の多くの会社は、EC(電子商取引)に押されて、売上げは毎年減少を
続けています。そこにコロナ禍により店舗休業、営業時間短縮を余儀なくされ、
苦境に立たされているのが現状です。
このような環境下で驚異的な伸びを見せている会社がワークマンです。
その秘密は、「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけで、
なぜ2倍売れたのか」(日経BP社 2020/6/29)に書かれています。
ワークマンと言えば、軍手、長靴、作業服など、働く人が商品を購入するお店の
イメージでしたが、今は大きく進化しているようです。
発端は、この作業服専門店のイメージであった「ワークマン」から、
アウトドアショップ「ワークマンプラス」として、
マネキンやポップを多用した洗練した店構えにすることにより、
全く同じ商品群にも関わらず、怒濤の進撃が始まったようです。
印象に残った記述です。
1.「商品では無く製品を売る」
一般的な小売業は、人が作ったモノ(商品)を店頭に並べて販売します。
ワークマンは自分が開発して作ったモノ(製品)を売ります。
流通業とは、生産と消費を結びつける業ですが、ワークマンはモノ作りの
生産者でもあったのです。
製造小売(SPA)に大きく舵を切ったようです。
2.物作りのコンセプトは「機能性」
「遮熱、接触冷感、放熱、通気、ストレッチ、耐久、軽い・・・」
全ての製品に機能が付け加えられています。
SPA転換後の製品開発力は目覚ましく、ヒット商品は数え切れません。
・本格的ランナーまで虜にした、980円軽量靴
・登山家を魅了した580円のフィット素材靴下
・バイク乗りを魅了した、高コスパのレインウェア
・外食産業界に浸透した滑らない靴
・スポーツ、レジャー用の電動ファン(扇風機)内蔵のベスト、ジャンパー
(元来は暑い過酷な環境で働く人のために開発された製品)
・・・・
3.目標原価率65%
原価率65%は、消費者側からは相当なお値打ち価格で機能性製品が
購入できることを意味します。
しかし、会社は売上が1000億円を超えても営業利益率は20%以上を
維持しています。
ローコスト・オペレーションを徹底しており、家賃は売上げの3%に抑える、
外部委託業者を効率的に活用する、One to One マーケティングが必要な
商品は作らない売らない、価格は980円・1900円・2900円のスリープライスが
中心の品揃え、海外店舗は持たない・・・
「非効率なこと、無駄なことはしない」が徹底されています。
4.FCシステムの特徴的な運営
ワークマン店舗はほとんどがFC店です。
FCオーナになるための審査は何回も資質確認の面談があり、
また開店する地域に住んでいる地元に密着している人のみが対象で、
6年のFC契約期間中にオーナーが70才になる場合は契約更新をしない定年制、
安易な子供へのFC契約承継も認めない等々、相当厳しいようです。
一般の小売業の店舗にいるサラリーマン店長では、太刀打ちできない
店長さんたちのようです。
ところで、ワークマンの店舗は100坪に1700アイテムと、
ドン・キホーテと同様、ジャングルの中を歩く「宝探し感」も堪能できます。
~5坪に500アイテム、私の部屋もジャングル、小谷野でした~