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- 伝統芸能の承継~天邪鬼と褒殺~
小谷野です。
久しぶりに国立劇場で文楽を見てきました。
人形浄瑠璃文楽は歌舞伎、能楽と同じく世界無形文化遺産に登録されています。
これだけ高度な大人向けの人形劇は世界唯一といってよいでしょう。
文楽のよいところは、人形遣い、太夫、三味線の三業を楽しめるところでしょう。
歌舞伎になるとどうしても役者中心の楽しみ方になってしまいます。
5月の最終演目「壇ノ浦兜軍記–阿古屋琴責の段–」でメインの阿古屋を操った
桐竹勘十郎さんと公演後、食事をする機会に恵まれました。
人形の操作の奥深さ、琴・三味線・胡弓の音の素晴らしさ、人形遣いが少ないこと、
橋下大阪市長がこの上方文化への補助を削減すること、などなど話は尽きませんでしたが、
その中でも承継問題への対応は大変面白いお話でした。
次世代の子供たちに、伝統芸能にどのように興味を持ってもらうか思案を
相当めぐらしているようです。
例えば、琴をわざと子供たちが走り回る場所に置き、「大事なものだから触ってはならんよ」と
釘を刺すと、子供たちはいたずらで触りだすという。
これは、子供達の「あまのじゃく(意に逆らう)」の性質を逆手にとっているそうです。
そこで子供たちがポロンとやりだすと、「うまいやんけ、ほな、少々おしえたろか」と
今後は褒め殺し戦法。こうして、伝統芸能の世界に誘っていくのだそうです。
有能な経営者が、無意識で使っている手法ですね。
テンションの高い優秀な社員にはとても効果がありそうです。
~ 人たらしと呼ばれたい 小谷野でした ~