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- 落語は高度な伝統芸能~仕草と言葉~
小谷野です。
久しぶりに落語を聴く機会に恵まれました。
「古今亭圓菊(ここんていえんぎく)遺伝子の会」と名をうった会でした。
昨年10月に逝去された圓菊師匠は、独特な体のひねり、投げキッス、
手話落語など話題の多い噺家で古今亭のリーダーとして多くの名跡を残されました。
その遺伝子を引き継ぐ弟子達の高座でした。
落語には歌舞伎のように楽曲や踊りや艶やかな衣装もありません。
身振りと語りだけで人を魅せるのですから高度な伝統芸能といえます。
その継承は簡単ではありません。完璧なコピーでは人を魅せられず、
独自の個性の構築が必要となります。
経営承継の現場でよく見る光景です。
まずは先代をまねること、徐々に次世代の個性が出て浸透していき、
虎の威を借りなくても誰もがリーダーと認めるようになっていきます。
ところで「落語家」と「ビジネス界での巧みな講演者」には共通点を感じました。
落語で言う出だしの「枕」、本題と直接は関係ないことで客の笑いをとりリラックスさせ、
客との距離を縮めておく、本題に入るときには羽織をとって合図をして本題にはいる。
客にメッセージを伝えるツールに、大道具、歌、踊りもなく、仕草と言葉のみで客を魅せる。