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- スポーツという商品を魅力的にする ~MLBから学ぶ(3)~
小谷野です。
米国大リーグは大谷さんのドジャーズ地区優勝が決まり、これからポストシーズンに入ります。
日本の多くの野球チームの実態は赤字で、親会社の費用として運営されています。一方米国では、独立事業体として巨額の収益を上げる球団が沢山有ります。「MLBから学ぶ」3回目は、商品を磨く姿勢からです。
<野球の試合時間を短く>
顧客のためにスピーディ改革を実施。
子供の頃は、よく野球場に行きましたが、社会人になってからは、足を運ぶ回数が極端に減りました。理由の一つが、試合時間が長いことです。夜10時になっても試合の勝敗がつかないこともしばしばあります。
そこからの帰宅時間を考えると、翌日の仕事への影響を考えてしまいます。
日本のプロ野球の平均試合時間は、昨今の短縮化努力により改善していますが、今だ3時間を超えます。一方、米国大リーグは2時間半を達成しています。
日本でも様々な時間短縮のルールが導入されつつありますが、大リーグでは先行して以下のようなルールが厳守されています。
・ピッチクロック:投手が次の球を投げるまでの時間は15秒以内(ランナーがいる場合は18秒以内)
・打者もピッチクロック残り8秒までに打席で集中していないと、ストライク追加
・攻守交代チェンジの時間:2分15秒 3アウトになった瞬間から時計のカウントダウンが始まります。
・投手交代:2分45秒
・投手の牽制球(プレートから足を外す行為)は2球(2回)まで。3球目でランナーをアウトにできなかったらランナーは進塁する
*そもそも、牽制球は1球目でも会場のブーイングがすごいので、3球も投げられない。
・延長戦に入った場合は、タイブレーク方式で行う。
ノーアウトランナー2塁(無死二塁)から攻撃が始まる。延長による試合時間の長期化を避けられます。
日本野球と比べて、バッテリーの長いサイン交換や、バッタ-の打つ気のないカット行為など間延びする時間が少なく、ストライクなら打者は全力で振る、3球で終わるケースも多く、一挙手一投足に目が離せない。
このようなルールは、大リーグ野球も、日本と同じように試合時間が長いことを理由に人気が低迷したことを受けての改革です。試合時間が短くなることによって、観客数は増えたようです。
<期間限定品が多いショップ戦略>
球場内にいくつもあるショップは、どこも入店に20-30分待つのが当たり前です。ドジャース球場の場合、観客の2~3割は、背番号17番の大谷ユニフォームを着て応援しています。素材的に2000円くらいと思うユニフォームが233ドル(3万5千円)で、文字通り飛ぶように売れています。また、その時々で限定品グッズが多く、リピーターにも魅力。例えば、私が訪問したときは、大谷選手のボブルヘッド(首振り)人形も期間限定品が出ていたので、通常のボブルへッドと合わせて2つ購入してしまいました。
売上数値は公開されていませんが1日のチケット売上何十億円、ショップ売上も1日十億円単位ではないでしょうか。
サッカーやラグビーと異なり、野球は週6日も試合があります。大谷選手の10年1000億円は激安年俸という人たちの言葉が理解できます。
番外編です。
<ドジャース関連、お勧め映画>
日本には大谷さん効果もあり、ドジャースファンが溢れるようになりました。
にわかでもドジャースファンになったなら、是非見ていただきたいのが、「42~世界を変えた男~」です(Amazonプライムなどで見られます)。 ドジャースがまだ、NYブルックリンに球団があった時代に、「ジャッキー・ロビンソン」という黒人プレーヤーを史上初めて受け入れて、白人以外の選手に門戸をひらいたドジャースのオーナーや選手たちの苦悩と成功の物語です。
毎年4月15日に大リーガーが全員「42」のユニフォームを着てプレーする意味がよく理解できます。
<マメ知識> ドジャースの名前の由来
Dodge 逃げる、避ける。ドッジボールの語源でもあります。
まだ、ドジャースの本拠地がロスではなくニューヨークであった時代に、ブルックリンで一世を風靡した路面電車、この路面電車を避ける人達という意味で、ドジャースと命名されたそうです。
~玉磨かざれば光なし、小谷野でした~