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- 板谷波山 ~作品も人間も妥協なし~
小谷野です。
陶芸作品で奇想天外な美しさを感じた作家がいます。
作家の名は、板谷波山(いたやはざん1872-1963)。
波山の作品には、緻密な彫りに見られる、ひとつひとつ妥協を許さない強い信念を感じます。
板谷波山は、茨城県下館(現筑西市)生まれ、陶芸家として初めて文化勲章を授章し、茨城県の名誉県民(*1)第1号(日本画家横山大観と同時1号)にもなりました。
皇族にも評価が高く皇室発注が多かったようです。
波山の研究成果である、「葆光釉薬」といわれる、つや消しマットな作品は、薄いベールに包まれた他に類を見ない質感を生み出しています。
ところで今月、波山の故郷である茨城県筑西市下館(しもだて)を訪問すると、現地3つの美術館が合同で「生誕150年記念 板谷波山の陶芸-麗しき作品と生涯(2022.6.19まで)」を開催しています。
3つの美術館とは、「しもだて美術館」を筆頭に、「板谷波山記念館」、ザ・ヒロサワ・シティ(*2)の中にある2021年にオープンした隈研吾設計の「広澤美術館」で、波山の作品と人間を知ることができます。
東京の皇居に面した出光美術館でも「板谷波山展」が開催予定(6/18-8/21)です。
波山は人間的にも優れ、生まれ故郷の下館において戦争遺族に白磁観音像を焼いて生活の糧になるように配ったり、毎年下館の80才になった老人一人一人を訪問して「鳩杖」を贈ったりしていました。
(*1)茨城県の名誉県民5名
板谷波山(陶芸家)/横山大観(日本画家)/森田茂(洋画家)/江崎玲於奈(ノーベル物理学賞)/小林誠(ノーベル物理学賞)
(*2)ザ・ヒロサワ・シティ
広澤精機製作所の経営者が茨城県筑西市に創設し、貴重な初期YS11、零戦などを展示する科博航空博物館(国立科学博物館と共同設立)、鉄道博物館レールパーク、ゴルフ場、車やバイクのオフロードコース、宿泊施設、広澤美術館、農園、バーベキュー会場、イベントホール… 100万平米もある巨大テーマパーク。
~非妥協、研究心、精緻、人間性・・・どれもかなわない、小谷野でした~