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- 小売の未来 ~絶滅か時代適応か~
小谷野です。
小売業は周知の通り、EC(電子商取引)に商いを奪われ、店舗の来店客数が毎年減少しています。
今回のコロナは、低収益で借入金が大きかった小売会社を直撃し、北米では昨年、小売りチェーンの三分の一が破産宣告、債権者保護申請を行ったそうです。
小売コンサルタント、ダグ・スティーブンス氏の『小売の未来』(プレジデント社2021.6)が、小売業界での生き残り方法について提言しています。
<パンデミック後も消費者が抱く問いかけに答える10種類のリテールタイプ>
(1) 「ストーリーテラー型」:自分を奮い立たせてくれるブランドは?
(2) 「活動家型」:自分の価値観と一致するブランドは?
(3) 「流行仕掛け人型」:新しくてクールなものは、どこにいけば手に入る?
(4) 「アーティスト型」:一番充実した体験が味わえるのはどこ?
(5) 「透視能力者型」:自分のことを一番理解してくれるのは誰?
(6) 「コンシェルジュ型」:最高水準のサービスはどこで受けられる?
(7) 「賢者型」:一番いい助言がもらえるのはどこ?
(8) 「エンジニア型」:最高に作り込まれた商品はどこで手に入る
(9) 「門番型」:必要な商品はどこで手に入る?
(10)「背教者型」:この商品がほしいけれど、もっと買いやすくしてくれるのは誰?
<新時代の価値を生み出す>
強みを発揮できる4つの領域
(1) カルチャー:単なる顧客から熱烈なファン、信奉者にする。
(2) エンターテインメント:五感に訴える要素でショッピング中の顧客の物心を虜にする
(3) ノウハウ:専門性に強みを持つ
(4) 商品:美的にも機能的にも優れた商品の開発・販売
上記の領域から2つを選んで支配者となる。
引用されている様々な米国小売業社の実例は分かりやすく、示唆に富んだ内容でした。
小売業が新規出店で日本地図を埋めていた時代は、過去の繰り返し作業でよかったですが、現在は絶滅するか新たな時代に適応するかの選択が必要で、過去の延長線上に小売業の未来が無いのは確かなようです。
~実店舗はモノ売場からメディアに、小谷野でした~