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- 組織と人数の絶対法則 ~ダンバー数とは~
小谷野です。
オックスフォード大学のトレイシー・カミレッリ、サマンサ・ロッキー、ロビン・ダンバ-教授の3名の共著『「組織と人数」の絶対法則』(東洋経済新報社2024年10月)を読みました。
一人の人間が人間らしい関係を維持できる人数の上限をダンバー数と呼んでおり、人間関係に影響を及ぼす人数と、組織の規模に応じた運営方法を解説しています。
ヒトは他者とのつながりを求める性質が遺伝子に組み込まれていて、社会集団の一員で無ければ生きていけない。
1. 社会集団の健全さは、次の3原則に依存している。
第一原則:集団の規模がその集団の健全さの強力な決定要素である。
第二原則:相互関係の質は、集団の規模が大きくなると低下する。
第三原則:人間のホルモン応答が重要で、ポジティブなホルモン応答、抱擁や食事、経験の共有がある。
1.「3倍の法則」:人数の階層構造は3倍で変わる。(ダンバーグラフ)
軍隊組織も、分隊(12-15人)、小隊(30-50人)、中隊(120-180人)、大隊(約500人)、連隊(約1500人)、旅団(約5000人)、師団(約1.5万人)、軍団(約5万人)
人数が3倍になるごとに階層が形成され、それぞれの規模に応じた管理体制がある。
1.「4つの数値」
(1)5人:ある人が維持できる親しい人間関係の数である。
親密な友人や家族の総数であり、助けが必要になったら駆けつけてくれる人達である。
仕事のチームサイズにおいても、全員の意見を聴くことができ、意思決定は早く、強いリーダーシップも不要である。
会話に参加できるのは4人という上限がある。
この上限を超えると、会話が1人か2人の押しの強い人の独壇場になる。
(2)15人:この層は親友に相当する。
もし亡くなると大変悲しい思いをする人達の数である。
社会活動全体の60%がこの15人に向けられている。
(3)50人:比較的親しい友人は、主な社会活動の輪の中にいる。
このサイズを超えると、リーダー格の人の時間が足りなくなり組織が管理できなくなることを防ぐために管理体制が必要になる。
(4)150人:私的な関係を持つことができる人数の上限である。
私的な関係や義務感から手を差し伸べてくれる人の数の上限である。
1. 各層で関係維持に必要な時間と社会資本は異なる
5人層に人を属させるためには週に1度以上コンタクトとコミュニケーションが必要で、15人層であれば1ヶ月に1度、150人層は、大きなストレスをかけずに層内の人を維持できる。
1.タスクに最適なグループサイズを合わせる事が重要
創造的な仕事に携わるチームは小さい方が良い。
互いへの説明時間は少なく、スピード感のある仕事ができる。
業務で要求される適正な人数サイズを、グループが超えていくのを見逃してはならない。効率性が一気に下がる。本来そこに居るべきでない人々の時間を無駄にする。
~毎日2人層(夫婦)、小谷野でした~