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クラウドファンディングの会計・税務処理の方法は?タイプ毎に解説!

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クラウドファンディングの会計・税務処理の方法は?タイプ毎に解説!

クラウドファンディングは4タイプあり、会計・税務処理はそれぞれ異なるのが特徴です。誤って処理すると、税務調査で指摘されるリスクがあるため、しっかりと理解しておく必要があります。今回は、クラウドファンディングの4タイプや会計・税務処理の方法、仕訳例、注意点などを解説します。最後まで読めば、クラウドファンディングの会計・税務処理を理解できるでしょう。

クラウドファンディングの4タイプとは

償却資産申告書とはのイメージ

クラウドファンディングとは、商品やサービスをインターネット上で公開し、リターンの提供により、不特定多数の方からの支援を目的とするものです。以下の通り、クラウドファンディングは4つのタイプに分けられます。

購入型

寄付型

投資型

融資型

特徴

  • 支援者に対し、金銭以外のリターンを提供する
  • クラウドファンディングの4タイプの中で、最も利用される割合が高い
  • 集めた資金で商品などを開発し、完成後にリターンとして支援者に提供する
  • 基本的に、支援者にリターンを提供しない
  • プロジェクトの進捗状況や結果など、支援者に対して情報は提供する
  • 一般的に、社会的に意味のあるプロジェクトに適用される
  • 資金のリターンとして、株式や配当を提供する
  • スタートアップや、大規模な資金調達を目的とする企業が利用する傾向にある
  • アメリカやイギリスなどでは標準的な資金調達方法の1つである
  • 不特定の投資家から小口の資金を集める
  • 資金の借り入れのリターンとして、元金と利息を支払う
  • 実績がなくても融資を受けやすい

勘定科目

  • 売上
  • 前受金
  • 仕入
  • 前払金
  • 寄付金
  • 受贈益
  • 資本金
  • 資本準備金
  • 借入金
  • 貸付金

リターン

商品・サービス

なし

配当金

利息

消費税

原則課税

不課税

不課税

不課税

返済

不要

不要

不要

必要

タイプによって、会計・税務処理や取り扱いは異なるため、しっかりと理解しておくのがポイントです。

関連記事:クラウドファンディングの税金と確定申告の注意点

購入型クラウドファンディングの会計・税務処理

モノやサービスの提供を通して資金を得るため、本クラウドファンディングは税法上、一般的な売買取引であると見なされます。ここから詳しく解説します。

起案者の場合

資金を調達したときは「前受金」、リターンを提供するときは「売上」として、2段階で処理するのがポイントです。法人・個人ともに、購入型クラウドファンディングの処理の方法は、具体的に以下の通りです。

【200万円の資金を調達したときの例】

借方

貸方

資金調達時

普通預金

200万円

前受金

200万円

商品など提供時

前受金

200万円

売上

200万円

リターンの提供で生じる経費は、以下の通り支払手数料として処理するとよいでしょう。

【手数料として60,000円支払ったときの例】

借方

貸方

支払手数料

60,000円

普通預金

60,000円

クラウドファンディングによって生じた費用が事業に関するものと見なされると、法人の場合は損金算入、個人の場合は必要経費に算入できます。

支援者の場合

事業への関連度やリターンの価値などによって、以下の通り処理の方法は異なります。

  • 販売費・一般管理費:事業に関連するもの
  • 寄付金:お世話になっている事業者の支援などor著しく価値の低いリターン

仕訳事例は以下に示します。

【12,000円資金提供したときの仕訳例】

借方

貸方

資金提供時

前払金

12,000円

普通預金

12,000円

商品などの受領時

販売費

12,000円

前払金

12,000円

取得価額10万円以上で、耐用年数1年以上のリターンを得た場合、原則として減価償却する必要があります。

リターンの額が低すぎる場合、寄付型と見なされる可能性があります。リターンの価格ではなく、価値によって判断するのがポイントです。リターンを経費として処理できない場合でも、個人は寄付金控除を適用できる可能性があります。

寄付型クラウドファンディングの会計・税務処理

寄付や贈与などに関する税法は細かく定められているため、寄付型クラウドファンディングの処理は特に注意が必要です。個人か法人によって、税制上の扱いが異なると知っておくのがポイントです。ここから詳細に見ていきましょう。

起案者の場合

起案者が個人か法人かによって、以下の通り適用する勘定科目が異なります。

  • 法人:受贈益
  • 個人:事業主貸

【200万円の資金を法人が得た場合の仕訳例】

借方

貸方

普通預金

200万円

受贈益

200万円

個人が資金と受け取った場合、「事業主貸」勘定で処理することとなるでしょう。個人間での寄付が年間110万円を超える場合、贈与税の課税対象となることに注意が必要です。

一方、個人が法人から寄付される場合、一時所得に該当します。

支援者の場合

法人は「寄付金」として処理するとよいでしょう。

【法人が16万円寄付した場合の仕訳例】

借方

貸方

寄付金

16万円

普通預金

16万円

個人が個人への寄付の場合、寄附金控除などのメリットを得られません。国や地方公共団体などへ個人が寄付する場合、確定申告で寄附金控除を適用できるケースがあります。

法人が国や地方公共団体などへ寄付する場合、全額損金算入できます。法人が法人、個人へ寄付する場合、一定の額を超えると損金算入ができないことに注意が必要です。

投資型クラウドファンディングの会計・税務処理

通常の新株発行と同じ処理をするのが特徴で、以下の2つに分けられます。

  • 株式型:第一種金融商品取引業者の登録が必要
  • ファンド型:第二種金融商品取引業者の登録が必要

いずれも処理の方法は同じです。ここから詳細に解説します。

起案者の場合

株式発行と同じで、「資本金」や「資本準備金」として処理をします。

【70万円の株式を法人が発行したときの仕訳例】

借方

貸方

普通預金

70万円

資本金

70万円

【配当金として20,000円受け取ったときの仕訳例】

借方

貸方

普通預金

20,000円

受取配当金

20,000円

支援者の場合

法人・個人ともに投資と見なされるため、経費としての処理は認められません。

【70,000円の株式取得したときの仕訳例】

借方

貸方

有価証券

70,000円

普通預金

70,000円

融資型クラウドファンディングの会計・税務処理

本クラウドファンディングは不課税で、金融機関の融資と同じ処理をするのが特徴です。

ここから詳しく解説します。

起案者の場合

資金を調達したときは、借入金として処理するのがポイントです。

仕訳例は以下の通りです。

【50万円融資されたときの仕訳例】

借方

貸方

普通預金

50万円

借入金

50万円

【50万円返済したときの仕訳例】

借方

貸方

借入金

50万円

普通預金

50万円

【利息として30,000円支払ったときの仕訳例】

借方

貸方

支払利息

30,000円

普通預金

30,000円

支援者ではなく、匿名組合の営業者と金銭消費貸借契約を結ぶ必要があります。

利益を分配する場合、第二種金融商品取引業者の登録が必要です。

支援者の場合

支援者の仕訳例は以下に示します。

【40万円融資したときの仕訳例】

借方

貸方

貸付金

40万円

普通預金

40万円

【40万円返済を受けたときの仕訳例】

借方

貸方

普通預金

40万円

貸付金

40万円

【利息を40,000円受け取ったときの仕訳例】

借方

貸方

普通預金

40,000円

受取利息

40,000円

クラウドファンディングの会計・税務処理の注意点

輸入消費税のイメージ

クラウドファンディングの会計・税務処理での注意点については、以下の表にまとめました。

処理するタイミングを正確に把握する

購入型クラウドファンディングの場合、資金を受け立ったとき、リターンを提供したときで、2回の処理が必要

課税事業者になるケースがある

売上と合わせ、調達資金1,000万円を超えると消費税が課される可能性がある

申告ミスするとペナルティを課される

  • 調達資金も税務調査の対象である
  • クラウドファンディングの実績は、インターネット上で容易にチェックできる
  • 延滞税や過少申告加算税などの支払いリスクが生じる

クラウドファンディングに関する費用であっても、事業に関連するものでないと見なされると経費にできません。売上計上のタイミングや、消費税課税の基準などを押さえておくのがポイントです。

関連記事:【税理士監修】会計処理と税務処理の違いとは?基礎知識について解説

クラウドファンディングの税務処理に関するよくある質問

クラウドファンディングの税務処理に関してよくある質問をまとめました。ここから詳しく見ていきましょう。

調達資金が1,000万円を超えると消費税の課税事業者になりますか?

はい。

免税事業者であったとしても、購入型クラウドファンディングの調達資金が1,000万円を超えた年度の2年後より、消費税の納税義務が生じる可能性があります。

売上と調達資金が1,000万円を超える場合も課税事業者として扱われるため、注意が必要です。

関連記事:【税理士監修】消費税の確定申告とは?やり方や計算方法、インボイス制度との関係

確定申告で寄付金控除を受けられますか?

寄付型クラウドファンディングや、お礼状の送付程度の購入型クラウドファンディングの場合、控除を受けられる可能性があります。

控除を受けるには、基本的に毎年2月16日から3月15日の間に、必要書類を用意したうえで手続きを進める必要があります。特に、初めて確定申告する場合は迷いやすいため、税理士へ相談するのが1つの方法です。

関連記事:寄付金が税金対策になる?寄付金控除の仕組みや対象について解説

クラウドファンディングの税務処理に関する相談は税理士へ

クラウドファンディングのタイプ別の会計・税務処理の方法や、注意点などを解説しました。

クラウドファンディングは4タイプあり、それぞれ仕訳や会計・税務処理の方法が異なります。適切な処理によって、税務調査や節税対策につなげられます。

一方で、最適な会計・税務処理が分からない場合、税理士へ相談するのが賢明です。

小谷野税理士法人は、クラウドファンディングを始めとする税務処理や、最適な決算戦略の策定サポートなどの実績が豊富にあります。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

関連記事:【税理士監修】法人が税理士に依頼する費用の相場はいくら?依頼内容別の相場と費用を抑えるポイントをご紹介!

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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