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会社設立の基礎知識

事業承継とは?中小企業の経営者が知っておくべき基礎知識と成功のポイントを解説!

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事業承継とは?中小企業の経営者が知っておくべき基礎知識と成功のポイントを解説!

中小企業を経営する方の中には、自分の事業をいつか誰かに引き継ぎたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際には事業承継は簡単なことではありません。後継者の確保や選定・税金や資金の問題・相続やM&Aの手続きなど、さまざまな課題や注意点があります。この記事では「事業承継とは何か」「どのようなポイントを押さえて成功させるか」などについて分かりやすく解説します。事業承継を考えている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

事業承継とは?

事業承継とはのイメージ

事業承継とは、現在の経営者が自分の会社や事業を他の人物に引き継ぐことを言います。事業承継には、会社の株式や事業用資産、役職や権利など、事業に関するすべてのものを後継者に譲渡することが含まれます。事業承継のタイミングは、経営者が引退するときや死亡するときなどさまざまです。

事業承継の主な目的は、事業の存続や発展を図ることです。事業承継によって経営者の経験やノウハウ、顧客や取引先との信頼関係など、事業にとって重要な資産を引き継ぐことができます。また、事業承継によって経営者の老後の生活資金や相続税の負担を軽減することも期待できます。

しかし、事業承継は単に事業を譲渡するだけではなく、後継者の選定や教育・事業の評価・価格の決定・税金や資金の対策・法律や契約の手続きなど、さまざまな要素を考慮しなければなりません。

事業承継には、経営者だけでなく後継者や従業員、取引先や金融機関など多くの関係者の意思や利益が絡んでくるため、円滑に進めることは容易ではないでしょう。事業承継を成功させるためには、早めに準備を始めることが重要です。

事業承継の現状と課題

事業承継とはのイメージ

日本の中小企業は、事業承継の危機に直面しています。日本政策金融公庫の調査によると、中小企業のうち後継者が決定している企業は10.5%にとどまっています。また、後継者が決まっていない企業が20%、廃業を予定している企業は57.4%と、事業承継に苦戦している企業が多いことが伺えます。

引用:日本政策金融公庫総合研究所|中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2023年調査)

事業承継における現状と課題を、以下の3つの観点から見ていきましょう。

中小企業の経営者の高齢化と後継者不在

中小企業の経営者は年々高齢化しており、この20年で経営者の年齢の最も多い層は50代から60〜70代に移行しています。さらに、後継者不在率は70代経営者でも約40%と、後継者が見つからない問題は深刻で、近頃増えている中小企業の閉鎖の主な原因の一つです。この状況が続けば、日本の経済・社会の基盤となる貴重な雇用や技術が消滅する恐れがあります。

引用:中小企業庁|財務サポート 「事業承継」

廃業件数が増加する中、6割が黒字にも関わらず廃業しており、廃業理由の3割が後継者難と回答しています。中でも事業を継ぐ後継者が見つからないという課題が目立ち、後継者の確保に困難を感じていることが分かります。

引用:中小企業庁|財務サポート 「事業承継」

後継者の確保に困難を感じる理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 子供や親族が事業に興味がない、もしくは能力が不足している
  • 従業員や外部の人材が事業に興味がない、もしくは能力が不足している
  • 事業の規模や業種が特殊で、後継者が見つからない
  • 事業承継にかかる費用や税金が高すぎる
  • 事業承継に関する法律や契約の知識が不足している

後継者の確保には、経営者の意思や計画の明確化・後継者の選定や教育・後継者とのコミュニケーションなどが必要です。また、後継者が見つからない場合は、親族外の人材やM&Aの活用も検討する必要があります。

親族内承継から親族外承継への移行

日本の中小企業の事業承継は、長らく親族内承継が主流でした。親族内承継とは、経営者の子供や親族が後継者となることを言います。

後継者有企業の承継方法についての調査によると、同族承継が67.4%となっており、後継者が決まっている企業の多くは経営者の親族への承継を予定していることが分かります。

親族内承継のメリットは「事業の継続性や安定性が高いこと」「事業に関する情報やノウハウの伝承が容易なこと」「相続税の節税効果があること」などが挙げられます。

しかし、親族内承継にもデメリットがあります。親族内承継のデメリットは「後継者の能力や適性が不十分な場合があること」「後継者の意思や希望が無視される場合があること」「親族間のトラブルや対立が発生する場合があること」などです。

親族外承継を成功させるためには、後継者の選定や教育・事業の評価や価格の交渉・法律や契約の手続きなどに注意が必要です。また、親族外承継には、M&Aの活用も重要です。

M&Aとは企業の合併や買収のことで、事業の拡大や多角化・競争力の強化・資金調達などのメリットがありますが、企業文化や経営方針の違い・人員整理・コスト削減などのデメリットもあります。M&Aを検討する際には、相手企業の選定に注意が必要です。

事業承継やM&Aの知識と支援の不足

事業承継やM&Aは、経営者にとって一生に一度の大きな決断と言えます。しかし、事業承継やM&Aに関する知識や経験が不足している経営者が多いのが現状です。

事業承継やM&Aに関する知識や支援が不足していると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 事業の評価や価格の決定が適切でない
  • 税金や資金の対策が不十分である
  • 法律や契約の手続きが不適切である
  • 後継者や相手企業との交渉が不利である
  • 統合後の経営がうまくいかない

事業承継やM&Aを円滑に進めるためには、専門家や支援機関の助言や協力が必要です。専門家や支援機関には、税理士や会計士、弁護士や司法書士、銀行や信用金庫、商工会議所や経済団体などがあります。これらの専門家や支援機関は、事業承継やM&Aに関する知識や経験を持っており、経営者に以下のようなアドバイスやサポートを提供できます。

  • 事業の評価や価格の決定
  • 税金や資金の対策
  • 法律や契約の手続き
  • 後継者や相手企業との交渉
  • 統合後の経営 など

経営者は、自分の事業や状況に合った専門家や支援機関を選択し、早めに相談することが重要です。

関連記事:M&Aに活用できる補助金!事業承継・引継ぎ補助金について徹底解説

事業承継を成功させるポイント

事業承継とはのイメージ

事業承継を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

早めに準備を始める

事業承継は、経営者の引退や死亡などの予期せぬ事態に備えるためにも、早めに準備を始めることが必要です。事業承継には、多くの時間と労力がかかり、平均期間は約3年にのぼると言われています。事業承継には、以下のようなさまざまなステップがあります。

  • 事業承継の意思決定
  • 事業承継の計画策定
  • 後継者の選定と教育
  • 事業の評価と価格の決定
  • 税金と資金の対策
  • 法律と契約の手続き
  • 事業承継の実行とフォローアップ

事業承継の準備を早めに始めることで、以下のようなメリットがあります。

  • 後継者の確保や教育に十分な時間がとれる
  • 事業の評価や価格の交渉に有利になれる
  • 税金や資金の対策に余裕ができる
  • 法律や契約の手続きに失敗しない
  • 事業承継後の経営にスムーズに移行できる

事業承継の準備を早めに始めるために、経営者は自分の事業や状況を客観的に分析し、事業承継の意思や目的を明確にすることが必要です。

また、事業承継の計画を策定し、後継者の選定や教育・事業の評価や価格の決定・税金や資金の対策・法律や契約の手続きなどについて具体的なスケジュールや責任者を決めることも重要です。

さらに、事業承継の計画や進捗状況を関係者に定期的に報告し、フィードバックや協力を得るようにしましょう。

相続トラブルの対策を行う

事業承継は、相続と密接に関係しています。事業承継によって、経営者の財産や事業が後継者に譲渡されますが、その際には相続税が発生します。相続税とは、死亡した人の財産を相続する人が国に納める税金のことです。相続税は、相続人の数や関係、相続財産の種類や価額などによって異なりますが、相続財産の約半分が税金される場合もあります。

相続税は、事業承継における大きな負担となります。相続税が高額であると、後継者は事業を継続するために必要な資金を確保できなくなる可能性があるのです。また、相続税の支払いには現金が必要ですが、中小企業の多くは現金よりも事業用資産の方が多い場合があります。そのため、相続税の支払いのために、事業用資産を売却したり、借金したりする必要があるかもしれません。これらのことは、事業の継続や発展に悪影響を与える可能性もあるでしょう。

相続税の対策としては、以下のようなものがあります。

  • 事業承継の計画を早めに策定し、事業の評価や価格の決定を適切に行う
  • 相続税の節税効果がある制度や手法を活用する(事業承継税制/事業承継型確定拠出年金/事業承継型生命保険/信託/贈与 など)
  • 事業承継にかかる費用や税金のために、資金計画を立てる
  • 税理士や会計士などの専門家に相談する

相続税だけでなく、相続に関するトラブルも事業承継における課題です。相続に関するトラブルとは、経営者の死亡後に、後継者や親族間で相続財産の分配や事業の経営について争いが起こることを言います。相続に関するトラブルは、事業の継続や発展を妨げるだけでなく、経営者の遺志や家族の和を損なうことにもなります。

相続に関するトラブルの対策としては、以下のようなものがあります。

  • 事業承継の意思や計画を明確にし、関係者に周知する
  • 後継者の選定や教育を適切に行い、関係者の理解や協力を得る
  • 相続財産の分配や事業の経営について、関係者と事前に話し合い、合意を形成する
  • 相続人の数や関係を減らすために、遺言や相続放棄などを活用する
  • 弁護士や司法書士などの専門家に相談する

事業承継を成功させたいとお考えの経営者の方は、ぜひ私たち「小谷野税理士法人」へお気軽にご相談ください。

資金・税金対策を徹底する

事業承継には、多額の費用や税金がかかります。事業承継にかかる費用や税金には、以下のようなものがあります。

  • 事業の評価や価格の決定にかかる費用
  • 事業の譲渡にかかる費用
  • 事業承継に関する法律や契約の手続きにかかる費用
  • 事業承継にかかる税金(相続税/贈与税/印紙税/登録免許税/消費税 など)

事業承継には、事業の価値を評価し、適正な譲渡価格を決めることが必要です。しかし、譲渡価格が高すぎると後継者が資金調達に苦労したり、事業の負担が重くなったりする可能性があります。一方、譲渡価格が低すぎると経営者の退職資金が不足したり、事業の価値が低下したりする恐れがあります。そのため、事業承継においては譲渡価格を適正に設定することが重要です。

また、事業承継には譲渡所得税や相続税などの税金が発生します。税金が高額になると、事業の資金繰りに影響を及ぼしたり、後継者の負担を増やしたりすることになります。そのため、事業承継においては税金対策を事前に検討し、税負担を最小限に抑えることが重要です。

資金・税金対策を徹底するためには、以下のような方法があります。

  • 事業の価値を客観的に評価するために、専門家の意見を参考にする
  • 譲渡価格を現金一括払いではなく、分割払いや株式交換などの方法で支払うことで、資金調達や税金の負担を軽減する
  • 譲渡所得税の特例制度や相続税の納税猶予制度などの税制優遇措置を活用する
  • 事業承継に関する契約書や遺言書などの書面を作成し、事業承継の意思や条件を明確にする

資金・税金対策は、事業承継の成功に欠かせない要素です。事業承継に向けて、早めに準備を始めましょう。

関連記事:事業継承に活用したい!事業承継・引継ぎ補助金の全容について徹底解説

早めに相談し、事業継承を成功させよう

事業承継は経営者だけでなく、後継者や従業員、取引先や金融機関など多くの関係者の意思や利益が絡んでくるため、円滑に進めることは容易ではありません。事業承継を円滑に進めるためには、専門家や支援機関の助言や協力が必要です。

事業承継に関する知識や経験が不足している経営者は、自分の事業や状況に合った専門家や支援機関を選択し、早めに相談することが重要です。

事業承継は、経営者の夢や想いを後世に伝えることです。事業承継を成功させることで、経営者は自分の事業に誇りを持てるでしょう。事業承継を成功させたいとお考えの経営者の方は、ぜひ私たち「小谷野税理士法人」へお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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