会社を設立する際「売上なしの状態でも大丈夫なのか」と、多くの起業家の心を悩ませます。この記事では、売上なしでの会社設立の実際、成功した事例、税務や資金調達の方法など、起業家が知っておくべき情報を詳しく解説します。売上を伸ばすための具体的なステップや、適切な資金調達の方法、税理士との連携の重要性など、成功への道のりをサポートする情報が満載です。
目次
会社設立は売上なしでもOK?
多くの起業家や今後の起業を検討している方々が抱える疑問の一つが「会社設立時に売上がなくても大丈夫か」です。結論から言えば、売上がない状態でも法的には会社設立は可能です。事実、多くの新規事業は、設立初期には売上を上げることが難しいものの、その後に成長するケースが数多く存在します。
BtoCビジネスのような飲食店や商店を除き、ほとんどのビジネスモデルでは、設立当初からの売上が難しいとされています。しかし、それが会社設立の障壁となることはありません。むしろ、会社を設立することで、その後の事業展開や資金調達がスムーズに進むことも考えられます。
重要なのは、売上がない状態での会社運営では、経費や税金の管理をより厳格に行うことです。また、しっかりとした経営計画や資金計画を立てることで、売上がない期間でも会社を存続させることが可能です。
売上なしで会社を設立した場合でも、事業のポテンシャルや将来性を信じる投資家やパートナーからの支援を受けることも可能です。多くのスタートアップが、売上のない初期段階で資金調達を行い、その資金を元に事業を拡大している実例も多数あります。
売り上げなしで会社設立した事例
先述しましたが、実は飲食店や商店のような直接的なビジネスを除くと、多くの企業が売上なしの状態でのスタートを切っています。
特に、BtoBビジネスや技術中心のスタートアップは、製品の開発や市場調査に時間を要するため、初期の売上は期待できません。この売上なしの期間を乗り越えることで、多くの企業が後に成功を収めています。こうした企業は、売上がない初期段階も、確固たるビジネスプランとビジョンが背後にあるのです。会社設立が売上なしの状態でもその後成功を収めた事例を紹介します。
会社設立後商品をリリース
企業が新しく設立された際、最初は売上や利益を出すことは難しく、多くの場合、商品やサービスの開発とリリースに注力します。この時期は非常に重要であり、会社の将来像やビジョンを形にするためのステップです。
商品をリリースすることで、市場や投資家からの注目度上昇が期待されます。その商品やサービスが革新的であり、市場に新しい価値をもたらす可能性があると判断された場合、企業の「可能性」を高く評価されることが増えます。このような評価を受けると、外部からの融資の機会が増えると考えられ、資金調達がスムーズになるでしょう。
さらに、商品の成功や企業の成長が続けば、株式上場の選択も視野に入れられます。上場は、企業にとって大きな転機となるイベントの一つであり、資金調達の手段やブランドの向上、さらなる事業展開のためのステップとなり得ます。
つまり、会社設立後の商品リリースにより、商品が市場に受け入れられ、企業の「可能性」が評価されることで、多くのチャンスが生まれるのです。
会社設立後に販路や顧客を開拓
多くの新規事業者が会社設立後に取り組むのが、販路や顧客の開拓です。会社設立前からの顧客確約はまれであり、新規に市場に参入する企業は、販路や顧客獲得のために、まずは信頼性や認知度の確立を目指します。
個人事業としてスタートする場合、多くの場合、顧客との直接のやり取りやネットワークを通じての顧客獲得が中心といえるでしょう。ビジネスの拡大や多くの顧客をターゲットにしたい場合、その限界が訪れることも珍しくありません。このような背景から、信用性を上げるために、個人事業から合同会社や株式会社といった形態での会社設立を選択するケースが増えています。
会社としての形態を持つことで、ビジネスパートナーや大手企業との取引もしやすくなり、さらには金融機関からの融資受け入れや助成金の受給の可能性も広がります。これにより、より広範な販路の開拓や新しい顧客層へのアプローチが可能です。
加えて、会社設立によって、ブランドの確立や企業イメージの向上が期待される点も大きなメリットです。消費者や取引先は、個人事業よりも法人に対して高い信用性や信頼感を持つ傾向があります。
しかし、会社設立にはそれなりのコストや手続きが伴います。そのため、事前にしっかりと市場調査を行い、将来的なビジネスの展望を明確にすることが重要です。
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売上なしで会社設立するメリット
会社を設立する際、売上が確立されていない状態でも、多くのメリットが存在します。メリットを正しく理解し、活用することで、新規事業の成功の可能性を高めることができます。売上なしで会社を設立するメリットを見ていきましょう。
一人会社などマイクロ法人としての経費削減
マイクロ法人として事業を運営することで、メリットとして経費削減につながる場合があります。同時に、一人会社や小規模な企業では、経費の節約はその事業の持続性や成長に直結します。たとえば、一人会社では社長自らが役員報酬を低く設定することで、社会保険料を低く抑えられます。
また、事業用の不動産や大型設備を持たない小規模な事業所は、少額資産のみの保有であれば償却資産税が課されないこともあります。さらに、事業の規模が小さいと、事務所や設備も限定的なので、家賃や光熱費などの経費の削減ができます。テレワークやリモートワークの普及により、オフィスを持たない選択も現実的になってきました。
労務費も、一人会社ならば給与や賞与といった出費が発生しないため、大きな経費削減が実現します。マイクロ法人としての運営は、経費面でのメリットを活用することでスリムで効率的な経営体制を築くことができるのです。
金融機関の融資が受けやすい
会社を設立する際の初期投資や運転資金の確保は、どの企業にとっても大きな課題となります。資金調達のための一つの方法として、多くの企業は金融機関からの融資を検討しますが、法人としての経営は、その融資を受ける際の信用性や条件を非常に有利にできます。
法人の運営は、会計帳簿や決算書の提出が求められるため、企業の財務状態や経営実績が透明化されます。この透明性は金融機関にとって、融資のリスクを評価する上で非常に役立つでしょう。企業の資産を担保にすることや、代表者や役員が保証人となることで、融資の安定性も向上します。
事業計画書やビジネスプランの提示は、融資の判断基準となる重要な要素です。こうした資料を適切に提出する能力や経験を持つ法人は、金融機関から見ても信頼性の高い取引先となり得ます。
また、長期的な取引関係や融資の実績があると、新しい融資を受ける際の大きなアドバンテージになります。このような関係性を築くことで、より好条件での融資を受ける可能性が高まる傾向があります。法人としての経営は、金融機関との信頼関係の構築や資金調達の成功率を大きく向上させる要因として働きます。
助成金・補助金に応募できる
国や地方自治体は、中小企業の振興や新規事業の支援を目的とした、さまざまな助成金や補助金制度を提供しています。新規事業やビジネスの拡大を目指す企業にとって、助成金や補助金は返済の必要がないため、資金調達の手段として非常に魅力的です。
法人は、多種多様な助成金・補助金の対象で応募しやすい立場にあります。助成金や補助金の応募には、具体的な事業計画や予算の提出が求められます。これらの資料の作成や提出のノウハウがあれば、審査に通過しやすくなります。事業実績のアピールや過去の成果を示すことが、助成金や補助金の審査で有利だといわれています。
法人であれば公式な決算書や事業報告を通じて、これまでの実績を明確に示すことも可能です。一度、助成金や補助金を受け取ることができれば、その後の事業拡大や新しい事業の立ち上げに際しても、再度の応募や支援の受け入れがしやすく、継続的な応募も可能でしょう。
会社設立のメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
会社設立のメリットとは?デメリットも含めて失敗しない会社設立の方法を徹底解説
会社設立後売上なしでもかかる税金
会社を設立し、初期段階で売上が上がらない場合でも、一定の税金や経費が発生します。これらの税金は、事業活動が活発でない時期であっても、適切に計算、納付する必要があります。どのような税金が会社設立後、売上なしでも発生するのでしょうか?
法人住民税
法人住民税は、法人が経済活動を行う地域社会に対する貢献として、所在する自治体に納める税金です。企業の経済活動は地域社会の発展を促進すると同時に、その恩恵を受けるための税金としての側面も持っています。
法人住民税の計算は、企業の所得や資本金を基盤としています。税率は所在地の都道府県や市町村によって異なるため、正確な税額を知るためには自治体の条例や規定の確認が必須です。また、地域でのビジネス活動や公共サービスの利用を背景に、所得の有無に関係なく「均等割」という、住民税を必ず納税する必要があります。
納税方法は、従来の納付書を利用した方法、最近増えてきたオンライン手続きなど、多様な選択肢が存在します。法人住民税は、事業所の選定や移転時にも影響を及ぼすため、事前の検討が不可欠です。適切な計画と税務対策を通じて、納税額の最適化を追求しましょう。
法人事業税
法人事業税とは、企業の事業活動から得られる所得に対して課税される、都道府県に納められる税金です。法人事業税は、地域経済の振興や地域資源の有効活用を背景に、各都道府県の財政基盤を堅固にするためのものとして位置づけられています。
資本金が一億円超の法人は、資本金や人件費や家賃等の付加価値額をもとに課税する外形標準課税の対象になります。売り上げがなくても法人事業税の納税義務が生じます。
印紙税
印紙税は、多くの企業や個人が日常的に関わる間接税の一つで、特定の法的効力を持つ文書に関連して発生する税金です。主に、契約書や証書、そして領収書など、取引や契約の際に使用される文書に貼付される印紙を購入することで納税されます。特に金額が大きい取引や契約の際の文書では、その内容に応じて相応の印紙税が課されることが一般的です。
印紙税の計算は、文書の種類や取引の内容、そしてその額によって変わります。具体的な税額は、税法に基づいて定められた印紙代を基に計算されるのが一般的です。納税の方法としては、印紙を対象となる文書に貼り、その上に印鑑を押すことで完了します。この際、印紙の正確な貼付は非常に重要で、誤った方法で貼付すると、文書の法的効力がなくなる可能性があります。
近年の技術進化に伴い、従来の物理的な印紙だけでなく、電子印紙の導入も進められています。紙ベースの文書だけでなく、電子文書においても印紙税の納税が可能となっています。
固定資産税と車両税
固定資産税と車両税は、不動産や車両の保有に関連した地方税として、地方自治体に納められるもので、その自治体の財政基盤を形成する重要な収入源です。
特に、固定資産税は、土地や建物といった不動産に対して課される税金で、物件の所在地や評価額、その用途に応じて税額が決まります。固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日時点での所有者です。一方、車両税は車両の種類や排気量、さらには使用目的に基づいて計算される税金で、特にビジネスのための車両などは利用の頻度や目的に応じて税額が変動することがあります。車両税は、毎年特定の期間に納税通知が届きます。通知に従って納税手続きを進めるのですが、現在はスマホ決済による電子納税や納付書を利用した納税方法が一般的となっています。
また、地域によっては新規の事業所設立や環境に優しい車両の導入などを奨励する目的で、固定資産税や車両税の軽減措置が実施されているケースもあります。このような措置を活用することで、企業は経費の削減や地域への貢献を実現できます。
固定資産税や車両税は、不動産や車両の保有という経営資源の活用に伴うコストとして考えられ、適切な対策や計画によって企業の経営戦略の一部としての活用が求められます。
起業後の税金については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
起業後の税金にはどんな種類がある?個人事業主・企業の税金について詳しく解説
会社設立後売上なしならかからない税金
新たに会社を設立した場合、初期段階で売上が立たないことは少なくありません。このような状況では、売上や利益に基づくいくつかの税金は納税義務が生じない可能性が高いです。
法人税
この税金は企業の利益(所得)に基づいて課税されます。具体的には、年間の総収入から経費を差し引いた金額が所得となり、この所得に税率を適用して計算されます。もし売上が立っていない、または、経費が収入を上回って赤字となる場合、法人税の納税義務は発生しません。
消費税
消費税は、販売された商品やサービスの価格に基づいて課税される間接税です。したがって、商品やサービスの売上がない場合、その期間における消費税の納税義務も発生しません。
住民税(所得割)
住民税の中には所得に基づく部分があります。これは、企業の利益に応じて市町村に納める税金です。利益が発生していない場合、この部分の課税は適用されません。
一方で、固定資産税や法人住民税の均等割、事業税など、売上や利益に関係なく一定の税金は納付の義務が生じる可能性があります。このため、会社運営の際には税務に関する知識が不可欠です。
特に、新たに事業を開始したばかりの企業では、税務に関する正確な情報を持つことで、不要な納税を回避できます。こうした理由から売上なしの会社設立でも、初期段階から税理士に顧問を依頼する起業家が増えています。
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会社設立後の売上なしが見込まれる場合どうすればいい?
会社設立直後の売上がない初期段階でも、企業の将来的な成長を見据えた適切なアクションが求められます。会社を設立しても、しばらくは売上なしが見込まれる場合、事業者はどのようなアクションをとればいいのでしょうか?事業計画書を立てる
事業計画書は、企業や起業家にとって、ビジョンや戦略を明文化し、ステークフォルダーと共有するための基盤となるドキュメントです。事業計画書は単なる文書ではなく、組織の方向性を示し、外部に対しても信頼性を確立する役割を持ちます。特に、資金調達の際には事業計画書は価値を発揮します。
事業計画書の作成にあたっては、まず事業の目的や目標を明瞭に設定することが求められます。続いて、市場の動向や競合情報を詳細に調査し、自社のポジションや差別化を考察します。財務面での具体的な計画、如何に市場にアプローチするかのマーケティング戦略、組織の構築や人材育成の方針が続きます。また、予測し得るリスクを洗い出し、その対策を練って言語化し、明文化することも不可欠です。
事業計画書は、一度作成したら終わりではなく、ビジネス環境の変動や組織のニーズに応じて定期的に更新されるべきものです。事業計画書は、いわば事業の航海図ともいえるもので、目的地への道のりを示す存在です。
資本金で運転資金を作る
資本金は会社の基盤を形成する根幹的な資金として、会社設立や増資時に株主から供給されます。特に新しい事業や初動のステップでは、売上やその他の収入が少ないため、資本金は日常業務の運営や初期投資の主要な源泉として機能します。
この日常業務の運営資金は「運転資金」と呼ばれ、従業員の給与、オフィスの賃料、原材料のコストなど、事業の持続に不可欠な経費をカバーするためのものです。具体的な予算策定や資金の流れの監視を行い、運転資金の中からランニングコストを捻出することで、事業の安定性を保ちつつ拡大を図れます。
下記は、J-Net21(中小企業基盤整備機構)が発表している、運転資金の項目です。項目の仕分けをする際に参考になるでしょう。
引用:運転資金の考え方 J-Net21
資本金を適切に活用し、これらの日常のコストや、継続的な事業運営のための「ランニングコスト」を賄うのが一般的です。しかしながら、資本金の活用だけではなく、管理にも細心の注意を払う必要があるでしょう。
資本金を運転資金として消費するにあたり、将来的な売上増加や外部資金の確保を通じて、その資金を回復・再生させる戦略が不可欠です。
会社設立の資本金ついては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
会社設立の資本金はいくら必要?払込方法や最低金額などを詳しくご紹介
役員借入金を活用する
役員借入金は、短期的な資金調達手段として多くの企業で採用されています。役員借入金とは、会社の役員が自社に一時的に資金を供給する方法であり、外部融資とは異なる迅速な資金確保の方法です。柔軟性が特に魅力で、金利や返済条件の設定も会社と役員間で自由に取り決めることができます。
役員借入金は、急な資金ニーズに対応する橋渡しとしての役割を果たすことが多いです。しかし、役員借入金を活用する場合、いくつかの注意点があります。まず、この方法での資金調達は会社の負債として計上されるため、健全な返済計画の策定が不可欠です。具体的な返済期日、金利、返済方法などを明確にすることで、財務健全性を保てます。
また、税務上の取り扱いを適切に行うための正確な会計処理も欠かせません。役員借入金は資金調達の一つの手法であるため、他の資金調達方法と組み合わせ、効果的な資金管理を追求することが求められます。役員借入金は、迅速な資金確保のツールとしての価値があるものの、その適切な管理と組み合わせが大切な資金だと肝に命じましょう。
運転資金の調達方法
運転資金は、事業を日常的に運営するうえで必要な資金を指します。運転資金の調達方法には、以下の手段が存在します。
日本政策金融公庫からの創業融資
日本政策金融公庫(JFC)は、日本の起業家や中小企業、個人事業主を対象に、公的な融資を提供する金融機関です。その中でも、創業融資は新規の事業者や事業開始から5年以内の者を対象に、特別な条件で資金提供を行っています。
JFCの創業融資の最大の特徴は、低金利で長期の返済期間を持ち、担保や保証人が基本的に不要であることです。利用できる用途は幅広く、事業の立ち上げ資金から運転資金、リース料や賃借料などの日常経費まで対応しています。ただし、申請する際には、しっかりとした事業計画書や収支予算書の提出が必須です。
JFCは、事業の内容、将来性、返済能力などを重点的に審査します。返済については、初期段階での返済猶予期間が設けられており、その後は分割返済になります。創業融資は、起業家や事業者が新しいビジネスを始める際の重要な資金源として、多くの人々に活用されています。
日本政策金融公庫からの創業融資の利用を検討されている方は「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。
銀行融資
銀行融資は、中小企業や個人事業主の主要な資金調達手段であり、金融機関からの資金提供を意味します。銀行融資の大きな利点は、迅速な資金調達、柔軟な融資条件、そして大量の資金の提供が可能であることです。
融資の申し込みを行う際には、事業計画書や財務諸表などの詳細な資料が求められ、金融機関はこれをもとに審査を行います。審査を通過すれば、一定の条件下で資金が提供されます。しかし、銀行融資には注意点もあります。融資を受けることで発生する利息は、事業のキャッシュフローに影響を与えるため、計画的な返済が不可欠です。
また、担保を設定が求められる場合もあり、返済が遅れるとその担保が差し押さえられるリスクも考慮する必要があります。総じて、銀行融資は強力な資金調達手段であるものの、適切な計画と管理が必要です。
信用保証協会の融資
信用保証協会は、中小企業や個人事業主が金融機関からの融資を受ける際の保証を提供する公的機関です。特に担保や信用が不十分な場合、信用保証協会の保証は、資金調達の障壁を低減させます。この保証は、新規事業者や特定の業種・地域など、さまざまなターゲットに合わせた制度が用意されています。保証を利用するためには、保証料が必要となり、料率は融資の内容や期間によって変動します。
また、保証後も信用保証協会は経営のフォローや相談サポートを提供し、事業の安定をサポートします。保証の申し込みを行う際には、事業計画書や財務諸表の提出が必要ですが、これにより審査がスムーズに進行する可能性が高まります。信用保証協会の融資保証は、資金調達の際の強力なサポートとなるため、計画的に活用すべきです。
民間サービスの利用
近年、中小企業や個人事業主の資金調達方法として、伝統的な金融機関以外の民間サービスが注目されています。その中で特に目立つのが、クラウドファンディングやビジネスマッチングサービスです。
クラウドファンディングは、多くの人から少額の資金を集める手法で、商品の先行販売やリターンを提供することが特徴的です。そして、ビジネスマッチングサービスは、投資家や企業との新たなビジネスチャンスを探る場として利用されます。これらの民間サービスを利用する際のメリットとして、迅速な審査や柔軟な融資条件が挙げられます。
しかし、手数料や利用条件、サービスの信頼性をしっかり確認することが大切です。民間の資金調達サービスは、新しいビジネスの可能性を広げる手段ですが、適切に利用することが求められます。
出資金を募る
新しい事業を始める際、出資金の募集は重要な資金調達手段です。この方法では、資金の強化だけでなく、新たなビジネスパートナーやネットワークの拡大も期待できます。出資の方法としては、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル、クラウドファンディングがあります。
エンジェル投資家は、個人の資産でスタートアップに投資を行い、経験やネットワークを共有することが多いです。一方、ベンチャーキャピタルは専門の投資会社で、大量の資金提供とともに経営のアドバイスを行うことが特徴です。クラウドファンディングでは、多くの人から少額を集める形で資金を調達します。
出資金を募る際のポイントとして、事業のビジョンや使用資金の計画を明確に伝えること、出資者との条件をしっかり確認することが必要です。出資金の募集は、資金調達だけでなく、事業拡大の大きなチャンスをもたらす手段として効果的です。
補助金・助成金制度の利用
補助金や助成金は公的機関からの経済的支援で、事業者の多岐にわたる取り組みを後押しします。補助金は新しい事業や拡大に対する支援、助成金は、たとえば雇用促進など特定の試作に向けた支援として提供されます。申請には、事業計画や予算、関連書類が求められ、各制度の詳細確認が不可欠です。利用目的に応じて多様な補助金・助成金が設けられており、これにより事業の資金調達が可能です。
補助金や助成金の獲得は、事業のリスク軽減や信頼性向上に寄与します。成功のポイントは、事業計画の明確さや独自性、そして社会的意義の強調です。補助金・助成金制度を適切に利用すれば、事業拡大や安定への道を開く一助となるでしょう。
補助金・助成金制度の利用を検討されている方は「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。
売上なしの会社設立に不安があるなら税理士に相談を
会社設立から売上確保のフェーズに至るまで、多くの企業が直面する多様な課題とその解決策について触れてきました。特に、売上が見込めない初期段階での不安や疑問は、多くの起業家の共通の悩みです。このような状況下で、税理士との緊密な連携は、企業の安定的なスタートを後押しする貴重なサポートとなるでしょう。
税理士は、税務のアドバイスから財務の健全性の確認、助成金や補助金の情報提供、そしてビジネスモデルの検討まで、幅広い専門知識をもってサポートしてくれます。そして、税理士との継続的なコミュニケーションを通じて、企業としての信頼関係を深めることができます。
会社設立の初期段階から、長期的なビジョンに基づく経営戦略の策定、資金調達の方法、税務や法務に関する課題の解決まで、専門家のアドバイスやサポートを活用し、企業としての成長と安定を目指していきましょう。