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控除対象外消費税ってなに?概要や処理の仕方について解説

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控除対象外消費税ってなに?概要や処理の仕方について解説

法人企業や個人事業主であれば、控除対象外消費税という言葉をご存じの方もいらっしゃるかと思います。本記事では、控除対象外消費税の概要や処理の仕方について解説しています。また、控除対象外消費税は損金算入可能か否かについても併せて解説しています。控除対象外消費税について理解を深めたい方はぜひ本記事を参考にしてください。

控除対象外消費税額等とは

控除対象外消費税等は、正式には控除対象外消費税額等と言います。消費税額等とは、国税である消費税と地方税である地方消費税の総称です。その消費税額を算出する際に、課税売上高に応じて控除できなかった仮払消費税等のことを控除対象外消費税額等と呼びます

消費税の会計処理は2種類ある

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物やサービスの提供時に消費者に対して課せられる税金を消費税と言いますが、消費税の納税義務がある課税事業者は消費者に代わって受け取った消費税を納税しなくてはなりません。この消費税の会計処理には、税込経理方式と税抜経理方式という2種類があります。

控除対象外消費税額等について理解を深めるためには、まずこの2種類の会計処理について知っておきましょう。

税込経理方式

税込経理方式は、商品やサービスを提供した際に受け取った代金や、仕入れの際に支払った代金の消費税を本体価格と合算して処理する方法のことです。この方式では課税売上にかかる消費税は収入 売上金額、課税仕入れにかかる消費税は経費 仕入れ金額に計上し、未払いの消費税分を租税公課として決算時に処理することになっています。

税抜経理方式

税抜経理方式は、受け取った代金や支払った代金を本体価格と消費税に分けて処理する方法のことです。この方式では、受け取った代金の消費税は仮受消費税、仕入れの際に支払った代金の消費税は仮払消費税として扱い、決算時に双方を相殺して処理します。

参考:No.6375 税抜経理方式または税込経理方式による経理処理|国税庁

関連記事:【税理士監修】インボイス制度と消費税の基礎知識!計算方法や納付の仕組みについても解説!

控除対象外消費税額等が発生する理由

すでに解説した通り、消費税の会計処理の方法には税込経理方式と税抜経理方式という2つの方法がありますが、控除対象外消費税額等が発生するのは税抜経理方式を採用している場合のみとなっています。

税抜経理方式では仮受消費税と仮払消費税の差額を納めなくてはなりません。ほとんどの場合、仕入にかかった消費税額を売上にかかる消費税額から全額控除できますが、課税売上高が5億円超以上もしくは課税売上割合が95%未満の場合、課税売上の割合によって控除額を算出します。

その際に、控除しきれなかった仮払消費税が発生するのです。これを控除対象外消費税額等と言います。なお、税込経理方式では控除対象外消費税額等は発生しません。

控除対象外消費税額等の取り扱い

積町課税 加算税 延滞税 利子税

控除対象外消費税額等は、資産に係るケースとそうでないケースで取り扱いが異なります。以下では、それぞれのケースにおける控除対象外消費税額等の取り扱いについて解説していきます。

資産に係るケース

控除対象外消費税額等が資産に係る場合の取り扱いは大きく分けて3つあります。1つ目は、控除しきれなかった消費税額を資産の取得価額に含め、次年度以降に償却費として損金算入する方法です。2つ目は、控除しきれなかった消費税額をその年の損金または経費に算入する方法です。この方法は、以下のいずれかの条件に当てはまる場合にのみ利用できます。

  • 課税売上の割合が80%以上
  • 1つの資産に対する控除対象外消費税額等が20万円未満
  • 棚卸資産に関する控除対象外消費税額等

3つ目の方法は繰延消費税額等として資産計上し、損金または経費に算入する方法です。この場合、5年以上かけて償却しなくてはならない点に注意しましょう。この方法は、先ほど紹介した2つの方法どちらにも当てはまらない場合に利用します。

資産に係らないケース

控除対象外消費税額等が資産に係らない場合は、控除対象外消費税額等の全額をその年に租税公課として損金算入もしくは経費計上して処理しましょう。ただし、交際費に係る場合は取り扱いが異なるため注意が必要です。

交際費に係る控除対象外消費税額等の取り扱い

すでに解説しましたが、控除対象外消費税額等が交際費にかかる場合は他の場合と取り扱いが異なります。原則として、控除対象外消費税額等は損金算入が認められていますが、控除対象外消費税額等が交際費に係る場合は損金算入できません

基本的に控除しきれなかった消費税額はすべて損金不算入額となりますが、法人区分に応じて一定の措置が設けられています。具体的な法人区分と措置内容は以下の通りです。

法人区分

損金不算入額

期末時点の出資金の額または
資本金の額が1億円以下の法人

交際費のうち、飲食に要した費用の50%相当額を超えた部分

定額控除限度額800万円を超えた部分

期末時点の出資金の額または
出資金の額が100億円を超える法人

交際費の全額

期末時点の出資金の額または
出資金の額が100億円以下の法人

交際費のうち、飲食に要した費用の50%相当額を超えた部分

例えば、期末時点の出資金が1億円以下で交際費のうち飲食に要した費用が200万円、交際費が350万円の場合、損金算入額は以下のように求めます。

200万円×50%=100万円

350万円-100万円=250万円

上記のような場合、損金算入額は250万円となります。なお、定額控除限度額は800万円以内のため、全額損金算入できますとなっています。

参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

関連記事:収入より経費が多い赤字の場合でも確定申告すべき?その理由と注意点を解説

控除対象外消費税額等の概要や取り扱いについて知ろう

控除対象外消費税とは、消費税額を算出する際に課税売上高に応じて控除できなかった仮払消費税等のことを指します。正式名称は控除対象外消費税額等といいます。

控除対象外消費税額等が発生するのは、税抜経理方式を選択している場合のみとなっています。控除対象外消費税額等の取り扱いは、資産に係る場合、資産に係らない場合、交際費に係る場合で異なります。交際費に係る場合以外は、原則として損金算入または経費として計上できます るため、控除しきれなかったからといってその全額を納税する必要はありません。

消費税の会計処理の方法や控除対象外消費税額等の取り扱いについて疑問がある場合は、税理士等の専門家に相談したり、会計処理を依頼したりするという方法もあります。控除対象外消費税額等のみならず、会計処理には一定レベルの知識を要するため、不安がある場合はぜひ専門家への相談も視野に入れてみて下さい。

控除対象外消費税額等の処理についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

関連記事:税理士の相談料について知っておくべきこととは?料金相場と選び方のポイント

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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