0120-469-383平日 9:00~18:00 税理士に相談(相談無料)
会社設立の基礎知識

非課税とは?非課税となる取引の種類や注意点を詳しく解説

公開日:

非課税とは?非課税となる取引の種類や注意点を詳しく解説

仕訳をするときに、課税と非課税の判断で困ったことはありませんか?ここでは、非課税とは何か、その対象となる取引と会計処理の注意点、不課税や免税との違いについて詳しく解説します。

非課税とは課税対象とならない取引のことで、会計処理時に適切な対応を求められます。課税、非課税の処理は納税額にも影響するため、非課税について知識を深めておきましょう。

非課税とは?

飲食店の節税対策イメージ

非課税とは、その名の通り課税対象とならない取引のことです。適切に会計処理をすることが正しい納税につながるため、課税対象となる取引、課税の対象とならない取引について理解を深めることが大切です。

課税対象とならない所得や取引

非課税とは、さまざまな理由によって、課税されない所得や取引のことです。非課税所得とは、課税対象とならない所得のことで、遺族年金、生活保護費、通勤手当などが該当します。補填が主な目的である所得に対しては、課税の対象となりません。また、収入が一定金額以下である場合も、所得税や住民税などの課税対象外です。

さまざまな取引において発生する消費税ですが、消費税がかからない取引もあります。消費税は、消費全般に対して公正に課税する目的の税金です。その意図に該当しない取引、社会政策的な配慮がなされるものについては、課税対象とはなりません。

非課税所得の種類

所得税の課税対象とならない取引がいくつかあります。課税と非課税を適切に使い分けて会計処理をするためにも、非課税となる主な取引の種類について把握しておきましょう。

利子や配当金関連

NISAなどの非課税口座、納税準備預金など、特定の口座や貯蓄に関する利子や配当は、非課税所得の対象です。利子や配当は元本によっては、相当な金額となるため、課税対象とならない場合、節税対策に役立つことがあります。

ただし、非課税対象となるのが、一部の利子や配当所得である点に注意が必要です。利子所得、配当所得でも課税対象となる取引が多いため、ケースごとに課税の対象となるのかどうかをきちんと確認しておきましょう。

給与所得・公的年金

給与所得者に支給する通勤手当、出張先までの旅費交通費、人事異動に伴う転居費用などの給与関連、遺族年金や傷病年金といった一部の公的年金は非課税所得です。遺族年金については、所得税だけでなく相続税の非課税対象です。

しかし、遺族に支給される確定給付金企業年金、退職年金については、所得税は非課税、相続税は課税対象となる点に注意しましょう。

給与所得、公的年金については、所得の内容によって課税対象となるかが違ってきます。非課税対象となり得る取引が発生したときは、課税対象の有無を確認しておくことをおすすめします。

会計処理において課税か非課税かの判断が難しいときは、ぜひ「小谷野税理精進」にお気軽にお問い合わせください

譲渡所得関連

特定の資産や財産を国や地方公共団体に譲渡した場合の所得、非課税口座であるNISAの譲渡所得(少額上場関連)、家具や衣類などの生活に必要なものなどの譲渡所得は非課税の対象です。

ゴルフ会員権や30万円以上の貴金属、宝石などの高級品の譲渡所得は、所得税の課税対象です。資産や財産の売却で譲渡所得を得たときは、それが非課税取引となるのかを確認すしましょう。

その他の所得

以下に紹介する所得についても、通常は課税対象にはなりません。

  • 損害賠償金
  • 慰謝料
  • 見舞金
  • 学資金
  • 扶養義務者が扶養義務を履行するために給付する金品

慰謝料などの特別な事情がある所得、損害賠償金など補填の意味が強い所得などは、非課税対象となる可能性が高いです。課税対象となるか不明な取引が発生した場合は、必ず確認をしてから帳簿を付けるようにしておくと安心です。

参考:国税庁 課税される所得と非課税所得 

非課税世帯との違い

非課税所得と混同されやすいのが非課税世帯です。非課税所得とは、所得税がかからない所得を意味しますが、非課税世帯とは、その世帯全員の住民税が非課税となる世帯のことです。

ここで意味する住民税とは、均等割りと所得割の両方が該当します。非課税所得を得ているからといって、必ずしも非課税世帯になるわけではありません。また、非課税世帯だからといって、全ての所得が非課税とはならない点に注意が必要です。

消費税の非課税取引

フリーランスの税金毎月に関するイメージ

多くの消費や取引で発生する消費税ですが、課税対象とならない取引があります。正しく会計処理をするためにも、消費税の非課税対象となる主な取引について押さえておきましょう。

社宅の借上げと貸付

会社名義で賃貸住宅を借りて、それを社員に社宅として貸し付けた場合は、非課税対象です。ちなみに、賃貸住宅の家主が会社に賃貸住宅を貸し付ける、会社が社員に対して貸し付ける、どちらのケースも非課税取引に該当します。

土地付きの建物の譲渡と貸付

土地付きの建物の貸付は、状況に応じた会計処理が求められます。土地のみの貸付や譲渡、住宅の貸付は非課税取引に該当しますが、建物の譲渡は課税対象です。また、住宅の貸付は非課税取引でも、事務所や倉庫といった住宅以外の用途で貸付をした場合は、課税取引に該当します。

土地付きの建物を貸し付ける場合は、土地を含めた施設全体の貸付とみなした処理します。貸し付けた土地付き建物が住宅として使用される場合は非課税取引とし、住宅以外の用途として使用される場合は課税取引とします。

土地の譲渡や貸付

借地権、地役権といった土地の上に関連する権利が含まれることから、土地の譲渡や貸付に関する取引は非課税です。ただし、土地の貸付期間が1カ月未満と短期間のケース、施設の貸し付けについては非課税取引に該当しません。

有価証券の譲渡や支払手段に関する取引

下記の有価証券の譲渡は課税対象とはなりません。

  • 国債
  • 地方債
  • 社債
  • 株券
  • 投資信託

また、下記の支払い手段の譲渡も非課税取引に該当します。

  • 銀行券
  • 硬貨
  • 小切手
  • 為替手形
  • 約束手形

ただし、コレクション目的のコインや紙幣、出資形態によるゴルフ会員権などは、非課税取引にはなりません。

預貯金の利子や保険料など

利子や保険料、保証料などを対価とする下記のサービスは、基本的に非課税です。

  • 国債
  • 社債
  • 預貯金の利子
  • 信用に対する保証料
  • 保険料
  • 共済掛金

金額に関わらず、いずれも税金はかかりません。

国や地方公共団体への手数料

国や地方公共団体への手数料は課税対象外で、下記のような取引が該当します。

  • 国や地方公共団体、公共法人などに登記や登録を依頼した場合
  • 各種試験を受験した場合
  • 証明書や公文書を発行してもらう事務手数料

国・地方自治体の業務に関わる事務手数料も非課税です。

その他の取引

下記の取引についても、非課税対象です。

  • 郵便切手や印紙の譲渡
  • プリペイドカード、商品券などの譲渡
  • 外国為替や国際郵便為替取引の手数料
  • 信用状や旅行小切手の交付

どのような取引であれば税金がかからないのかを、きちんと把握しておきましょう。

社会政策的な配慮が求められる取引

社会保険や教育などに関連する取引は非課税の対象となり得ます。以下に主な取引について紹介します。

  • 社会保険医療サービス
  • 社会福祉事業
  • 助産
  • 火葬料や埋葬料
  • 身体障碍者用物品に関する取引(譲渡や貸付)
  • 教科書の譲渡
  • 学校教育
  • 住宅の貸付

配慮が求められる取引においては課税されないため、上記に該当する取引がないかをチェックしてみてください。

課税か非課税かの判断が難しいケース

非課税なのか、課税なのかが分かりにくい、判断が難しい取引も少なくありません。誤って記帳しないようにするためにも、非課税対象となる可能性がある取引が発生した場合は、確認を怠らないことです。ここでは、課税と非課税の間違いが起こりやすい主な取引について解説します。

通勤手当

従業員の自宅からオフィスまでの通勤にかかる費用については、一定額以内であれば非課税扱いです。非課税の限度額の決め方は、電車やバスなどの公共交通機関を利用するケース、自転車やマイカーといったように、通勤手段によって異なります。

参考までに、公共交通機関を利用する従業員への通勤手当については、1ヵ月で15万円までが非課税です。

参考:国税庁 マイカー・自転車通勤者の通勤手当 

参考:国税庁 電車・バス通勤者の通勤手当 

そのため、非課税の限度額を超えている通勤手当については課税対象です。所得税の支払いが発生しないように年収を抑えていても、通勤手当の支給額によって非課税ラインを超えることもあるため注意しましょう。

通勤手当と交通費の扱いに注意

通勤手当と間違えやすい交通費は、経費扱いとなり金額にかかわらず非課税です。交通費は、営業活動や出張などで生じた移動にかかった費用であるため経費である「交通費」という勘定科目を使うのが一般的です。

一方で、通勤手当は「給与」として扱います。そのため、勘定科目を誤ってしまうと、納税額に影響が出ることがあります。

参考:国税 非課税となる取引 

非課税・不課税・免税の違い

非課税とは消費税や所得税などの課税対象とならない取引のことです。また、不課税や免税についても消費税の課税対象とならないのですが、その違いは何でしょうか?ここでは非課税と不課税、免税の主な違いについて解説します。

非課税と不課税の違い

非課税と不課税はどちらも消費税の課税対象とならない取引ですが、課税されない理由に違いがあります。非課税と不課税の区分を誤ってしまうと、納税額を間違えることになる可能性が高まります。そのため、不課税と非課税の違いをしっかりと理解しておきましょう。

不課税取引とは

不課税取引とは消費税の課税対象となる4つの要件を満たさない取引のことです。消費税が課税される要件は、以下の4つです。

  1. 国内で行われる取引
  2. 事業者が事業として行う取引
  3. 対価を得て行う取引
  4. 資産の譲渡、貸付又は役務の提供

この4つの条件に当てはまらない取引が不課税に該当します。不課税の対象となる主な事例を以下に紹介します。

  • 宿泊や飲食を含む外国での消費
  • 無償での寄付や贈与
  • 出資に対しての配当

不課税に該当する取引について、きちんと理解を深めておきましょう。

免税とは

事業の対価として受け取ったものの中で「国内で消費されない取引」が該当します。国内で消費されるものやサービスには消費税が加算されます。しかし、国内で消費されない輸出品などには、消費税が加算されないのです。そのため、海外で消費される取引については、免税として処理します。

非課税取引とは

非課税取引は、事業の対価として受け取ったものでも課税対象とならないと判断された取引です。免税、不課税よりも、非課税に該当する取引が多いため、適切に処理することが求められます。

また、課税か非課税かを判断しづらい部分にもなるため、非課税対象となり得る取引が発生したときはその都度確認することが大切です。

参考:国税庁 非課税と不課税の違い 

課税と非課税の処理を間違えたときの対処法

適切に会計処理していたつもりでも、課税と非課税処理を誤ってしまうことがあります。課税と非課税を誤ってしまった場合、どのような影響があるのでしょうか。あわせて、処理を誤ったときの対処法についても解説します。

消費税の仕組みの理解が重要(課税事業者)

課税と非課税を誤ったときに、影響が出る税金の一つが消費税です。そこで、消費税を納税する仕組みをまずは理解しておきましょう。

消費税の申告義務がある会社(課税事業者)は、税務署へ消費税を納税する義務があります。それは、会社は消費税を負担せず、顧客が支払った代金の一部である消費税を一時的に預かっている状態だからです。

そこで、下記の計算式に当てはめて消費税を計算して納税します。

売上に含まれている消費税-費用(仕入れ)に含まれる消費税=税務署に支払う消費税

ただし、前年度の納税額が一定額を超えると、課税期間中に消費税を中間納付しなくてはういけません。課税期間中の売上が確定していない段階で計算を行うため、上記の式に当てはめて支払った消費税は、仮払いとして処理するのです。

そして、課税期間が過ぎて売上が確定してから、預かっている消費税と仮払いした消費税との差額を計算します。仮払いした消費税が不足している場合は不足分を納税、払い過ぎている場合は、税務署から還付を受けます。

課税と非課税処理を誤ってしまったときの影響

課税と非課税の処理を誤ってしまった場合、本来納めるべき税金に誤りが生じる可能性が高いです。誤りに気が付いたときは、顧問税理士もしくは税務署に確認して、できるだけ早く修正しましょう。

税金の過払いは更正の請求で対応

課税、非課税の記帳ミスで、本来納める税金よりも多くの額を納税していた場合は、更正の請求手続きを行います。誤っていた申告を正しく訂正することによって、払い過ぎていた税金が還付されるからです。

更正の請求を行うときは、「更正の請求書」という書類に、何をどのように間違えたのかを説明するための資料を添付して税務署に提出します。更正の請求書を受け取った税務署は、その内容を調査して税金を還付するかを判断します。

更正の請求は、過去5年分まで遡って請求できるのです。直近の記帳で課税、非課税のミスが見つかった場合は、過去に遡って調べてみると、同じようなミスが見つかる場合があります。

もし、税金を過払いしていれば、払い過ぎていた分を取り戻せます。本来の納税額よりも税金を多く支払っていても、税務署から連絡が来ることはないでしょう。自ら指摘しなければ、過払いした分は戻ってこないのです。過去の申告書類をチェックして、ミスがないかを確認してみましょう。

納税額の不足が生じた場合は修正申告

納税額に誤りがあり、本来納めるべき税金よりも少なく納税していた場合は、修正申告手続きを行います。正しい申告書を税務署に提出し、納めた税金と本来支払うべき税金との差額に加えて、ペナルティーである延滞税の支払いも課せられます。場合によっては、さらに重いペナルティーを課される可能性もあるのです。

修正申告をするべきなのに、税務署にばれないだろうと思ってそのまま放置しておくのはおすすめできません。税務調査が入ったときに、税務調査官が記帳の誤りに気付き、修正を指摘される可能性が高いからです。

修正対応が遅れるほどにペナルティーの額も大きくなってしまい、税金の負担が重くなります。修正申告が発生しないようにするためにも、日頃から正しい記帳を心がけることが大切です。

税務調査・修正記事については以下でも解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:税務調査とは?いつ・どこまで調べられるのか?大まかな流れや査察調査(国税調査)との違いなども解説

関連記事:修正申告とは?税務調査で修正申告が発生するのはどんな時なのか詳しく解説

非課税と課税について理解し正しい記帳と申告手続きを!

ここでは、課税と非課税取引について詳しく解説しました。所得税や消費税などが発生する取引、課税対象とならない取引を詳しく理解することは、正しい記帳につながります。正確な記帳を基に税額を計算するため、記帳に誤りがあると、納税額に多大な影響が出ることがあります。課税取引と非課税取引について把握し、正しい申告を行いましょう。

日々の記帳や申告内容に不安があるなら、のびよう会計にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

会社設立専門の税理士による
オンライン面談を実施中!

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

相談無料会社設立の相談をする 24時間受付中

税理士変更のご検討は
オンライン面談でもお受けします

お電話でのお問い合わせ

0120-469-383 受付時間 平日 09:00~18:00

Webからのお問い合わせ

税理士変更の相談をする 24時間受付中
オンライン面談