『この無秩序とこれらの変革のなかからこそ~~中略~~国家の廃墟の上に自己を確立するに至るであろう』
―「人間不平等起源論」より。
長い。冒頭の一文が長い。ルソーさんはあーでこーでと一文が長い。
というわけで中略してしまいました。
で、冒頭の一文。
ルソーさんは、「つーか、人間て平等じゃなくない?なんで?」ということを考えた人ですよ、ということは前回も述べましたね。
人間は生きるためにたくさんの工夫をしています。ところが、社会契約説においては万人が戦争状態になっていくので、個々が持っている権利について、強者と弱者が生まれてしまう、というのがルソーさんの主張の第一歩です。そして、それに対処しない限りは必然的に不平等が生み出され続けますよ、ということをルソーさんは言っているわけです。
不平等な社会においては力がすべてです。最強の者が支配者、すなわち専制君主として君臨できます。そして、人びとはさらに強大な力を持って、これを退かせるために革命を起こします。ルソーさんは、権力の正当性について、力を基礎としている専制政治は根本的に不当であると主張しています。
そして、この「人間不平等起源論」は、ルソーさんの有名著作「社会契約論」に繋がります。人間社会に不平等を起こさせる力の関係を、どのようなルールのもとで公平な関係に再編していくのか、というのが「社会契約論」の根幹です。
個人が社会契約を結び、それぞれの意思のもと共同体としての国家を築きましょう、とルソーさんは考えたわけですね。
何個か前に、この時代の哲学は戦争や革命に結びつくから有名、というようなことを私が書いていましたが、ロックさんやルソーさんは本当に近代哲学のなかで、後世に多大な影響を与えてるみたいです。
もう少し近代哲学をやるか、一足跳びに現代の哲学をやっちゃうか、まだ検討中です。
ではまた。
【参考:読まずに死ねない哲学名著50】