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2023年11月16日 / 投稿者:Nakaji 魔法のザクロ

こんにちわ!

突然ですが、皆さんはタルムードってご存じですか?

タルムードはモーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文書群であり、ユダヤ教の聖典の一つで、ユダヤ教徒の生活・信仰の基となっているものです。Wikipediaより抜粋。

ユダヤ教徒と言えば、世界の人口の約0.25%にすぎないユダヤ人ですが、ノーベル賞受賞者の約20%はユダヤ人(ユダヤ系含む)と言われていますね!

そんなユダヤ人が子どもの頃から何度も何度も読み聞きしているのがタルムードです。

 

今日はそのタルムードの中から、「魔法のザクロ」という話を紹介したいと思います。

 

話の前に皆さんはザクロって知っていますか?某少年漫画のトーナメント初戦で退場したあの人ではないですよ。

赤くて小さな粒々がぎっしりつまった甘酸っぱくて水々しい果物です。Wikipediaによると『ミソハギ科ザクロ属の1種の落葉小高木、また、その果実のこと。庭木などの観賞用に栽培される。最も古くから栽培された果樹の一つで、果実は食用になる。』とあります。最も古くから栽培されたとありますが、一体いつ頃からある果物なのか気になりますね。

最近はたまにスーパーで見かける位ですが、私が子どもの頃は近所の公園にザクロの木があり、公園掃除の手伝いをするとご褒美でもらえたので、口の周りを真っ赤にして食べた記憶があります。と言っても、もう30年以上前の話になるのですが。

ちなみにザクロと言えば、私は品川のグランドプリンスホテル新高輪にあるザクロというお店のランチブュッフェが大好きです!

 

と、始まりから話がだいぶ逸れてしまいましたが、タルムードより「魔法のザクロ」の話を紹介させていただきます。

なお、紹介するにあたり注意してほしい点があります。初めにタルムードはユダヤ教の聖典の一つとお伝えしましたが、ヘブライ語以外の言語に訳されたものは誤訳の可能性があるため、厳密にはヘブライ語で書かれたタルムードのみが聖典とされています。

そのため、日本語や英語など、ヘブライ語以外のものはタルムード風のお話しとなります。

私ですか?安心してください。私はユダヤ人の様に頭脳明晰ではなく、ヘブライ語は不勉強のため、今回は石角完璽さん著の”ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集”から日本語に訳されたものを参考にして紹介させていただきます!

 

それでは「魔法のザクロ」の話を紹介させていただきます。

 

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あるところに仲良しの3人兄弟が住んでいました。

3人がそれぞれ成人となった時、各地で修行するため10年間の旅に出ました。

旅立つ前に、3人は「10年間の旅の中で自分が見つけた最も不思議なものを持ってくること」を誓い合い、10年後にまたこの家であることになりました。

 

一番上の兄が持ってきたものは、世界の隅々まで見ることのできるガラスのコップでした。

 

二番目の兄が持ってきたものは、鳥よりも速く空を飛ぶことのできる魔法の絨毯でした。

 

一番下の弟が持ってきたものは、不思議な森の中で見つけたザクロの実でした。

何が不思議かというと、そのザクロの木を見つけた時、花はいっぱい咲いているのに、真っ赤に熟れた実がたった一つしか生っていなかったのです。

不思議に思い、その実を手に取った瞬間、咲いていた花の一つが真っ赤に熟れた実に変わったのです。

一番下の弟は「このザクロの木こそ世界で最も不思議なものだ」と思い、この木を持って帰ろうとしました。

ところが、そう思った途端にザクロの木がぱっと消えてしまったので、消えずに残っていたザクロの実を持ち帰ることにしたのです。

 

そして10年後、修行の旅から帰ってきた3人は、旅立つ前に誓い合った通り、それぞれが旅の中で見つけた最も不思議なものを見せ合いました。

 

一番上の兄が持ってきた世界の隅々まで見ることのできるガラスのコップを覗くと、ある国のお姫様が重病でベッドに寝ている姿が見えました。

お姫様の傍では王様が「誰か早く治してくれる者はいないか。早くしないとこの娘はしんでしまいそうだ。」と嘆いていました。

これを聞いた3人は、すぐに二番目の兄が持ってきた空飛ぶ絨毯に乗ってお姫様のところまで飛んでいきました。

そして一番下の弟が、自分が持ち帰った不思議なザクロの実を食べれば、きっとお姫様の病気が良くなるはずだと思い、ザクロの実を半分に割ってお姫様に食べさせました。

すると、それまで歩くこともできなかったお姫様はすっかり元気になり、重病から回復しました。

 

元気になったお姫様を見て、王様は感激して、3人の兄弟にこう言いました。

「お前たち3人のおかげで姫が重病から回復した。3人の兄弟の誰でも姫と結婚してよい。誰が結婚するか3人で話し合って決めなさい」

すると、お姫様が「私に質問させてください」と割って入りました。

 

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と、話はこの後も続くのですが、皆さんはお姫様がどんな質問をして、3人兄弟の誰がお姫様と結婚すると思いますか?

ユダヤの人々は、親から子にタルムードを読み聞かせる際、こういった質問して、子の考えを聞き、どうしてそのように考えるのかをさらに問いかけ、「なぜ」を考える力を養うそうです。

話がそれましたね。それでは、「魔法のザクロ」の続きを紹介させていただきます。

 

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お姫様は一番上の兄にこう質問しました。

「あなたは世界の隅々まで見ることのできるガラスのコップで重病の私を見つけてくださいました。その望遠鏡のようなコップは今でも元のままですか?」

 

一番上の兄は、こう答えました。

「はい、全く元のままです。今でも世界の隅々まで見ることができます!」

 

次に、お姫様は二番目の兄にこう質問しました。

「あなたは魔法の絨毯に乗っていち早く私の元に駆けつけてくださいました。その絨毯は今でも空を飛べますか?」

 

二番目の兄は、こう答えました。

「はい、全く元のままで、傷もないので、問題なく空を飛ぶことができます!」

 

最後に、お姫様は一番下の弟にこう質問しました。

「あなたは私にザクロの実を食べさせて病気を治してくださいました。そのザクロの実は今でも元のままですか?」

 

一番下の弟は、こう答えました。

「いいえ、お姫様に半分差し上げたので、今は半分しか残っていません」

 

そこで、お姫様は高らかにこう宣言しました。

「私は、この一番下の弟と結婚します。彼は私のために大切なザクロの実の半分を失ったのですから」

 

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以上で「魔法のザクロ」の話はお終いです。

 

いかがでしたでしょうか?皆さんがお姫様の立場だったら、3人の兄弟の誰を結婚相手に選びますか?

私はこの話を初めて読んだ時、「いやいや、そもそも重病のお姫様を見つけることができなかったらこの話もそこまでじゃないか。それなら、重病のお姫様を見つけることのできたガラスのコップを持ってきた一番上の兄を選ぶでしょ」と思いました。

 

この話は「ノーペイン・ノーゲイン(=犠牲なくして成功なし)」を伝えるための物語とされています。

「ノーペイン・ノーゲイン」は「失ったものの大きさと成功は比例する」という原則です。

 

ここで重要なのが、「捨てる(=痛み)のが先」ということです。

何かを手に入れてから今ある別の何かを捨てるではなく、まず大切なものを捨てなさい、ということを伝えています。

 

このことは、ビジネスの世界や人生でも同じだと思います。

 

“ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集”の中で、著者の石角完璽さんは、「株式投資はまさに国の隅々まで見える望遠鏡(情報)、ないしはいち早く飛べる魔法の絨毯(手段)である。言い換えれば情報と手段だけで金儲けをしようとする。(中略)自分は何もしないで大儲けしようとする強欲さである。」と例えて、株式投資を戒めています。

 

また、YouTubeで大人気の資産形成系チャンネルの中で、知識マッチョなライオンさんは「捨てるのが先」に加えて、「信念を持て」と言っています。

誰かに言われたから捨てるのではなく、こうなりたいという自分になるために、自分の意志で捨てろ、と。

 

長くなりましたが、最後にこの話を今の自分に置き換えてみて、終わりにしようと思います。

 

私は今年の9月まで大手監査法人で監査をしていましたが、今よりももっと相手に寄り添った仕事をしたいと思い、税務方面に行こうと決意し、10月に当事務所に入所しました。

監査一筋でしたので、当然に税務は未経験でしたし、かつ、監査法人は給与面や柔軟な時間の使い方ができる等の点で魅力的でしたので、転職には少なくない不安もありましたが、こうなりたいという自分像があったため、先ず足を踏み出しました。

このことは、「魔法のザクロ」の教えにある通り、また、知識マッチョなライオンさんが言うように、信念を持って「先に捨てる」ということができたのかなと思います。

 

ここからは自分次第になりますが、監査法人で培った経験を活かし、当事務所で様々な税務の経験を積み、皆様により一層寄り添ったサービスができる自分になれるよう、常に成長するための努力をしていこうと思います。

 

では、また。

 

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