大きな地震があるとあとからかならず、「地震雲が出ていた」という話題が出てきます。
大きい不安を伴うことですから、身に迫る危険をいち早く察して備えたい気持ちはわからないものではありません。
地震雲について調べてみると、
・一本の筋状の雲
・貝の溝のような形の雲
・ブツブツのようなまだら模様の雲
など、表現は様々ですがたくさんの雲の画像が見られます。
ところで、うえに紹介したような3種類の雲って地震と結びつけさえしなければ、全然違う雲ですよね。
なにをもってこれらを地震雲と呼んでいるのでしょうか。
変な雲が出ていた、ということと、地震が起きたということを結びつけちゃった誰かがいるんですかね。
それで、誰かが地震雲と名づけてしまった。なんだかやるせないですね、全然関係ないのに。
気象庁が出している「地震雲についての見解」を最期に載せておきましょう。
『雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。
大気は地形の影響を受けますが、地震の影響を受ける科学的なメカニズムは説明できていません。
「地震雲」が無いと言いきるのは難しいですが、仮に「地震雲」があるとしても、「地震雲」とはどのような雲で、地震とどのような関係で現れるのか、科学的な説明がなされていない状態です。
日本における震度1以上を観測した地震(以下、有感地震)数は、概ね年間2,000回程度あり、平均すれば日本で一日あたり5回程度の有感地震が発生していることとなります。
震度4以上を観測した地震についても、最近10年間の平均(2011年と2016年を除く※)では、年間50回程度発生しています。
このように地震はいつもどこかで発生している現象です。
雲は上空の気流や太陽光などにより珍しい形や色に見える場合がありますし、夜間は正確な形状を確認することができません。
形の変わった雲と地震の発生は、一定頻度で発生する全く関連のない二つの現象が、見かけ上そのように結びつけられることがあるという程度のことであり、現時点では科学的な扱いは出来ていません。
※2011年と2016年の震度1以上を観測した地震回数は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震や平成28年(2016年)熊本地震の活動により他の年より多くなっていることから、この平均には用いていません。』
あー。たしかに考えてもみませんでしたがどの地震に対しての地震雲かもよくわかりませんね。
地震雲・・・なんだかちょっと残念です。
ではまた。