ビッグ・ブラックドッグ・シンドロームを知っていますか。
白くて小さい犬よりも黒くて大きい犬のほうが粗悪な扱いを受けやすいような状態を指す言葉です。
たとえば動物愛護団体も黒くて大きな犬は保護したがらないし、ボランティア団体も里親が見つからないのはだいたい黒くて大きな犬。野良犬の殺処分もたいがい黒くて大きな犬から先に処分決定が下されるとか。
実際、古代エジプトやギリシア、ローマや北欧など、神話の世界観でも黒い犬が死や超自然的な災厄と結びつけられて描かれていることが多く、そこから黒い犬は悪魔の使いであるとか、黒い猟犬がこの世界と死後の世界の境界にいる、といった想像が広がっていったようです。
このように、見た目や外観の理由で、同等のものでも意識的に区別して考えてしまうような状態を「ビッグ・ブラックドッグ・シンドローム」といいます。
黒い毛=攻撃的などという科学的根拠は何もなく、そうであれば人間が固定観念から区別をしているということになりますよね。
そして、これはなにも犬に限った話ではない、というのはわざわざ書くまでもないように思いますが、人間もまた救済されるべき弱者と救済されなくてもいい弱者を区別して考えています。どちらも同様に弱者だとしても、です。
区別の仕方やその取扱いは人それぞれだとは思いますが、区別をしているかしていないかで言えば100%区別しながら生きていると言って差し支えないでしょう。
だからどうした、と言われると、特に主張があるわけではないのですが。
ではまた。