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- バレエ芸術~ミハイロフスキー劇場から来日~
小谷野です。
加齢とともに興味の対象や趣味が減っていくと言われているので、
ここ数年はテーマを決めて、新たに覗き見る世界を増やしています。
今年のテーマは「クラシック音楽」と「バレエ」ですが、今回は後者のバレエの話です。
ロシアのサンクトペテルブルグからミハイロフスキー劇場バレエ団が来るというので、
足を運びました。
前列の人達が大きすぎて3列目なのに舞台の半分以上が見えなかったという話はさておき、
題目はフランス革命を題材にした「パリの炎」でした。
何故、ロシアでフランス革命のバレエ劇を作るのか疑問でしたが、
江戸時代の歌舞伎と同じ理由だったようです。
江戸時代の武家社会で起きた事件は、お上が怖くてそのまま芝居にはできないので、
時代設定を変えたり、名前を変えて(大石内蔵助→大星由良之助)演目を作っていました。
この演目「パリの炎」は、1917年ロシア10月革命の15周年記念作品で、
自国の革命を取り上げるのは時の政府をはばかり、フランス革命をモチーフに
お祝いの演目にしたようです。
《フランス国歌「ラ・マルセイユ」の意味を再認識》
バレエとは関係ありませんが、ルイ16世とマリーアントワネットが処刑されたフランス革命劇をみると、
フランス国歌の意味を再認識します。フランスのパリから遠く離れた南の果ての街、
マルセイユの義勇軍を中心に革命がなされましたが、その兵隊が歌っていたのが
現在のフランス国歌「ラ・マルセイユ」です。日本の明治維新で江戸幕府を倒した薩長
(薩摩藩・長州藩)の軍歌のようなものでしょうか。
《古典以外も魅せます》
今までは、チャイコフスキー作曲で著名な「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割人形」などに代表される
古典作品の観賞が中心でしたが、今回のように登場人物が多く、服装も農民、庶民、軍人、
貴族など様々で、多様な舞台道具でも魅せる、いわば歌わないミュージカル的な
モダンバレエも中々のものでした。
~ 舞台下の生演奏団も腕利き、小谷野でした ~