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- 物議を醸す論議~厚労省の指針案~
小谷野です。
今週月曜日に厚生労働省、労働政策審議会の分科会で「職場におけるパワーハラスメントに関して、
雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」が提出され、議論が沸騰しています。
問題となっている記載は、「パワハラに該当しない事例」です。
以下、素案からの引用です。
(身体的な攻撃)
・誤ってぶつかる
(精神的な攻撃)
・遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、
再三注意してもそれが改善されない労働者に対し強く注意をすること。
・その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して強く注意をすること。
(人間関係からの切り離し)
・新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に個室で研修等の教育を
実施すること。
・処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させる前に、
個室で必要な研修を受けさせること。
(過大な要求)
・労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せること。
・業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時より
一定程度多い業務の処理を任せること。
(過小な要求)
・経営上の理由により、一時的に能力に見合わない簡易な業務に
就かせること。
・労働者の能力に応じて、業務内容や業務量を軽減すること。
(個の侵害)
・労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等について
ヒアリングを行うこと。
常識的な内容でわざわざ活字にすることなのかと指摘する声もあれば、
この記載は労働者が不利になる誤解を生むと、猛反発している諸団体があるそうです。
指針案は大きな修正を余儀なくされそうです。
ところで、私の知人友人は役員や部長など管理職世代ですが、
同窓会では上記に関連したぼやきが多くなります。
<上司として部下を飲みに誘う>
(昭和世代の受け止め方)
人間関係を深める機会。
有用な情報が得られる可能性がある。
無料で飲食できる。
(平成世代の受け止め方)
社外で上司と飲食して話をすることはなるべく避けたい。
執拗ならハラスメント。
残業代が請求できるなら付き合う。
<会社の取引先商品の購入協力を依頼>
(昭和世代)
給与をもらっている会社の大切なお客様の商品、
できる範囲での営業協力は当然。
(平成世代)
会社への協力のために個人のお金は使いたくない。
財産権の侵害でハラスメント。
昭和のシニア世代のぼやきは書き切れません。
逆ハラで悩んでいる人間までいました。
~ 上司が結婚式にも呼ばれない時代、小谷野でした ~