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- ぢいさんばあさん ~37年間の別れ~
小谷野です。
先週末は久しぶりに歌舞伎観劇(第一部・第三部)となりました。
(第一部 11:00-)
第一部では、徳川吉宗の御落胤(*)を語る天一坊(市川猿之助)の嘘を、名奉行として名高い大岡越前守(尾上松緑)の命をかけた詮議によって暴いていく、痛快ストーリー「天一坊大岡政談」です。
*御落胤(ごらくいん):父に認知されていない正妻以外の子(庶子)
直接お芝居とは関係ない史実ですが、260年におよぶ江戸時代、「旗本」から大名に出世したのは、大岡越前忠相(ただすけ)ただ一人です。
「旗本」とは、1万石未満の武士のうち、将軍が出席する席に参列ができる家格で、その下の家格が「御家人」です。
(第三部 18:20-)
第三部は、新歌舞伎の名作、森鴎外の短編小説が原作である「ぢいさんばあさん」です。
いわゆる「にんたま」、片岡仁左衛門と板東玉三郎が共演する演目です。
子供が生まれたばかりの町でも評判のおしどり夫婦が、不肖の身内に替わって、夫(仁左衛門)が江戸から京都に単身赴任したが、京都で事件に巻き込まれ、夫婦再開まで37年を要した物語です。長年を経ての再会時には、双方は変わり果てた老け姿で認識できず、夫が手で鼻を触る若いときからのクセに、妻(玉三郎)が気づき、会話が始まります。
37年後の夫婦再会シーンや2人の会話に、会場内はすすり泣きの音で溢れていました。
第三部2幕目は「お祭り」、芸者演じる板東玉三郎の踊りが健在である事を知らしめています。
~変化を37年間、毎日見てます、小谷野でした~