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- スポーツはビジネスかコストか ~米国大リーグ野球MLBから学ぶ(1)~
小谷野です。
かつて、米国大リーグ選手が来日する度に、日本野球にはスピードとパワーが足りないと言われてきました。
それを覆したのが、現在MLBでホームラン王になった大谷選手です。
ところで、会計士という職業柄、野球ビジネスにかかるお金の動きが気になってしまいました。
<日本ではスポーツチームはコスト?>
日本でのプロ野球は、大きな利益を見込める事業ではなく、多くの球団が親会社が赤字を補填する構造になっているようです。最近は、球団運営の工夫によって赤字額が減少していると言われますが、多くの球団は親会社からの支援を除くと実態は赤字という球団が多いようです。
日本の税法も、職業野球団は赤字であることを前提に特例を設けています。
本来、球団子会社の赤字を、親会社の経費にすることはできませんが、特例の個別通達で認めています。
(国税庁HP https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/540810/01.htm)
つまり、プロ野球(職業野球団)事業は赤字であるという前提があり、このような例外扱いが認められているのです。
<米国では野球団は親会社の広告費ではなくビジネス>
大谷選手の在籍する、ロサンゼルス・ドジャース野球団は、2012年に1,660億円(21億ドル)で投資会社グッゲンハイムパートナーズに買収されましたが、現在価値は1兆700億円(68億ドル、2025年Forbesより)です。
全てのMLB球団運営がうまくいっている訳ではありませんが、高収益球団の利益を低収益球団に配分するMLB特有の収益分配制度も機能しているのか、Forbesの球団価値ランキングでは、全30球団の価値平均は2,060億円(前年比3%増)と史上最高値を更新しています。
→次回は、MLBのDynamic Pricing(ダイナミックプライシング)を取り上げます。
値付けは経営です。
~何事もコストと割り切らない、小谷野でした~