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白色申告でも税務調査はある?調査対象になる理由と備えるためのポイントを解説

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白色申告でも税務調査はある?調査対象になる理由と備えるためのポイントを解説

白色申告は手軽に始められる申告方法として知られていますが、「税務調査は関係ない」と油断している方も多いでしょう。実は白色申告者でも調査の対象になることがあり、思わぬリスクに繋がるケースもあります。本記事では、白色申告における税務調査の可能性と注意すべきポイントについて、わかりやすく解説します。税務調査が不安な方や、今後の対応に備えたい方はぜひご覧ください。

白色申告とは?

白色申告とは、青色申告の届出をしていない個人事業主や副業所得のある方が行う所得申告の方法です。

事前の申請が不要で、比較的簡単な帳簿付けでも認められているため、初めての確定申告でも取り組みやすいのが特徴ですが、青色申告に認められる特別控除や赤字の繰越といった税制上のメリットは受けられません。

項目

白色申告

青色申告

帳簿義務

単式簿記

複式簿記

特別控除

なし

最大65万円

赤字繰越

不可

最長3年間可能

白色申告は簡便な制度ですが、その分、申告内容の管理や記帳の正確性を自身でしっかり行う必要があります。安易に済ませてしまうと、後から思わぬ不都合が生じることもあるため、丁寧な記録と整理を心がけましょう。

白色申告でも税務調査が行われる理由

単発バイトの確定申告のイメージ

白色申告は青色申告に比べて手続きが簡易で、帳簿の作成義務も緩やかですが、その分「本当に正しい内容か」を税務署が確認しにくいという側面があります。

そのため、以下のような理由から、白色申告者も調査対象になることがあります。

関連記事:税務調査とは?どこまで・何を調べる?流れや個人・法人の対応方法などについて詳しく解説

関連記事:税務調査は何種類ある?それぞれの特徴や税務調査の流れについて解説

帳簿の信頼性が青色申告より劣る

白色申告では簡易帳簿でも認められており、複式簿記の義務もないため、帳簿の正確性や網羅性がどうしても青色申告に劣ります。

その結果、記録ミスや意図しない申告漏れが起きやすく、税務署としても内容の裏付けを直接確認する必要性が生じます特に経費の根拠や収入の記載が曖昧な場合、調査の対象となる可能性が高まるでしょう。

現金商売や副業が多く実態把握が難しい

現金取引を主とする業種や副業による収入は通帳や請求書などの記録が残りにくく、税務署側が収入の全体像を掴みにくくなります。

白色申告者にはこうした形態の事業者が多いため、実態と申告内容に食い違いがないかを確認する目的で、税務調査が行われやすい傾向があります。

無申告や期限遅れが起きやすい

白色申告は青色申告のような事前申請が不要なため、申告の意識が薄れやすく、確定申告を忘れてしまったり、期限に間に合わなかったりするケースが散見されます

こうした場合、税務署は意図的な無申告や過少申告の可能性を疑い、調査を通じて適切な納税が行われているかを確認しようとします。

他者からの情報・調査の波及

税務調査は単独で行われるだけでなく、取引先や関係者の調査結果から情報が波及することもあります。

例えば、取引先が経費として計上していた支払先が白色申告者である場合、その収入が正しく申告されているかを確認するために、調査対象となることがあります。周囲の調査が発端となることもあるため注意しましょう。

青色申告と比べて調査対象になりやすい

青色申告は帳簿の厳格な管理が求められる一方、白色申告は手続きが簡単な分、税務署から見て「不正や申告漏れが起きやすい」と判断されがちです

特典のない申告制度であるにもかかわらず、収入や経費の説明責任が不十分な場合は、調査によって裏付けを取る必要があると判断され、調査の対象になりやすくなるでしょう。

白色申告で税務調査が行われる事例

個人事業税がかからない業種のイメージ

税務署が実際に調査に入った白色申告者には、次のような申告内容や行動パターンが見られました。該当する点がある場合は注意してください。

家計と申告所得のバランスが取れない

生活費や家賃などの支出に対して、申告された所得が極端に少ない場合、税務署は申告内容の正確性に疑問を持ちます

例えば、家族4人で暮らしているのに年間所得が100万円台というようなケースでは、実際には申告されていない収入があるのではと疑われる可能性が高く、税務調査のきっかけになりやすいでしょう。

フリマアプリ・副業収入の未申告

フリマアプリや副業収入を申告していない場合、税務署は取引記録や入金履歴をもとに把握することが可能です

近年はプラットフォームから情報提供が行われることもあり、申告していないことが発覚しやすくなっています。少額であっても申告義務があるため、調査対象となり得ます。

銀行口座に事業と無関係な入金が多い

事業に関係のない名目での入金が個人の銀行口座に頻繁にある場合、税務署はその内容を疑い、調査に乗り出すことがあります

例えば、商品販売をしているのに売上として申告されていない振込が多数あると、隠れた収入や申告漏れとみなされやすく、通帳の記録から調査に発展することがあります。

外注費・交際費の不自然な計上

本来の事業内容に照らして不自然に見える外注費や、交際費が突出して多い場合、架空取引や私的流用の疑いを持たれるでしょう

例えば、外注先の実体が確認できない、あるいは領収書の宛名が常に同じといった場合、実態確認のため税務署が調査を行うことがあります。

事業実態に対して売上が少なすぎる

店舗や設備が整っていて営業実態があるにもかかわらず、申告された売上が極端に少ない場合、税務署は申告額の正確性に疑問を持ちます

特に、周辺の同業他社と比較して明らかに売上が低すぎる場合などは、意図的な過少申告を疑われ、調査の対象になりやすくなります。

白色申告で税務調査を回避するための5つの対策

電卓を眺めて悩む男性

白色申告は記帳義務が緩やかとはいえ、申告内容が不正確だと税務調査に繋がることもあります。以下5つの実践的な対策を講じることで、調査リスクを下げることが可能でしょう。

  1. 簡易帳簿でも日々記録を残す
  2. 領収書・レシート・請求書をきちんと保存する
  3. 生活費とのバランスを意識する
  4. 現金の管理は出納帳で一元化する
  5. 必要に応じて税理士にチェックを依頼する

簡易帳簿でも日々記録を残す

白色申告でも帳簿の作成義務はあるため、日々の取引は必ず記録しておくことが重要です。

特に現金出納帳や売上帳を定期的につけておくことで、収支の整合性が明確になり、税務署からの信頼性も高まるでしょう。帳簿が整っているだけで、調査対象から外れる可能性もあります。

領収書・レシート・請求書をきちんと保存する

経費を適切に認めてもらうためには、支出の証拠となる書類を保管しておくことが欠かせません

白色申告でもレシートや請求書の保存義務があり、内容や日付が確認できる形で整理しておくと、調査時に説明しやすくなるでしょう。不自然な経費計上の誤解を防ぐことにも繋がります。

経費とのバランスを意識する

申告した売上に対して、経費が明らかに上回っている場合、税務署は経費を過剰に計上していたり、未申告の収入があるのではないかと疑う場合もあります。

事業に関係のない支出は経費として認められない恐れもあるので、事業との関連性を説明できるよう資料を揃えておくことをおすすめします。

現金の管理は出納帳で一元化する

現金収支の記録が曖昧だと、売上や経費の計上ミス・漏れにつながり、税務署のチェック対象になります

現金出納帳を日々つけ、帳簿や通帳と整合性が取れているかを確認しておくことで、管理の信頼性が高まります。特に現金商売の場合は必須でしょう。

必要に応じて税理士にチェックを依頼する

帳簿の記載や申告内容に不安がある場合は、専門家である税理士に確認してもらうのが確実でしょう

第三者の目を通すことで思わぬミスに気づけたり、税務署からの指摘に備えた体制を整えることができます。年に一度の相談でも、調査リスクの軽減に繋がります。

白色申告で税務調査を受けた場合の流れ

白色申告者が税務調査を受ける場合、突然の訪問ではなく、一定の流れに沿って調査が進みます。事前の準備を怠らなければ、過度に恐れる必要はありません。以下に主な流れと対応のポイントを解説します。

流れ

内容

税務署から通知が届く

書面や電話で税務調査の連絡がある(通常は数週間前に通知される)

事前準備を行う

帳簿・領収書・契約書などを整理し、調査に備える

調査当日

税務署職員が事業所や自宅を訪れ、帳簿や実態を確認する

調査結果の説明

調査内容に基づき、申告漏れや修正事項が説明される

修正申告または更正処分

調査結果に基づき、追徴課税や罰則が科される場合がある

税務署からの通知

税務署から調査実施の通知が届いた時点で、税務調査は始まっています。書面または電話で連絡があり、調査日は通常数週間先に設定されます

通常は突然の抜き打ち訪問ではなく、事前連絡があるため、その間に資料の準備や専門家への相談が可能です。通知を受けたら速やかに対応を始めましょう。

事前準備

通知を受けたら、帳簿・領収書・契約書・請求書・通帳など、申告内容を裏付ける書類を整理する必要があります

曖昧な点がある場合は税理士などの専門家に確認してもらうことで、当日の対応もスムーズになります。準備の質が調査の結果に大きく影響するため、抜かりのない整理が重要です。

調査当日

調査当日は税務署の職員が事業所や自宅を訪問し、帳簿と現実の取引実態に相違がないかを確認します

帳簿の記載内容、証憑の整合性、事業の実施状況などが主なチェックポイントとなるでしょう。不明点があれば質問を受けることもあるため、落ち着いて対応できるよう事前に想定しておきましょう。

調査結果の説明

調査終了後、税務署から申告内容に誤りや不備があった場合には、その説明が行われます

指摘された点については、納得できる場合は修正申告を行い、異議がある場合は意見を述べることも可能です。説明の場は、修正の要否を判断するための大切なプロセスとなります。

修正申告・追徴課税

調査の結果、申告漏れや誤りが判明した場合には、修正申告や税務署による更正処分が行われます

これに伴い、追徴課税に加え、加算税や延滞税が課されるケースもあります。悪質と判断されれば重加算税が課されることもあるため、正確な対応と誠実な姿勢が求められます。

関連記事:追徴課税とは?加算税の種類や計算方法、対象期間について解説

関連記事:延滞税に時効はある?税金を延滞すると起こることや対処法を解説

白色申告で税務調査が不安な方は専門家に相談

白色申告は申請手続きが不要で始めやすい反面、帳簿の整備や証憑の管理が不十分だと、税務調査につながるリスクもあるでしょう。

特に事業規模が拡大してきた方や、収入・経費が複雑になってきた方にとっては、自己判断では限界がある場面も少なくありません。また、すでに税務署から調査通知が届いている場合には、冷静かつ的確な対応が求められます。

小谷野税理士法人では、白色申告者の税務調査対応はもちろん、青色申告への切り替え支援や帳簿のチェックなども行っています。「この処理で大丈夫か不安」、「一度専門家に見てもらいたい」と感じたら、ぜひ小谷野税理士法人にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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