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【個人事業主必見】出納帳の書き方まとめ!正しく記帳して会計トラブルを回避しよう

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【個人事業主必見】出納帳の書き方まとめ!正しく記帳して会計トラブルを回避しよう

出納帳は日々の現金の出入りを記録するために用いる重要な帳簿です。特に個人事業主にとっては確定申告や資金管理に直結するため、正しい出納帳の書き方を覚えなくてはいけません。とはいえ「何から始めればいいのか分からない」「どう書けば正解なのか不安」と感じている方も多いはずです。この記事では、出納帳の基本から書き方の流れ、管理方法、保存ルールまでを初心者にもわかりやすく解説します。

出納帳とは?

現金出納帳

まずは出納帳の役割や帳簿義務との関係性について、簡単におさらいしましょう。

役割とつけるべき理由

出納帳は、日々の現金や預金の動きを明確に記録するために欠かせない帳簿です。事業の資金管理や確定申告の正確性を保つうえで、出納帳は重要な根拠資料となります。

もしレジでの売上や取引先への支払いといった収支が目に見える形で記録されていれば、月末や年度末の集計もスムーズに進みます。

万が一、帳簿と実際の現金残高が合わない場合でも、記録をたどることで原因を突き止めやすいです。以上の観点から、出納帳は単なる記録ではなく、事業の健全性を支える基盤となるものと言えるでしょう。

帳簿義務との関係

出納帳は、青色申告・白色申告のどちらを選択する場合でも基本的に必要です。青色申告では税務上の優遇措置を受ける代わりに、帳簿の記帳と保存が義務づけられています。中でも出納帳は最も基本的な帳簿に位置づけられているのです。

白色申告であっても帳簿の作成義務が課されるようになっており、事実上は出納帳の記載が求められています。例えば白色申告でも売上や経費の記録がなければ、税務署に説明を求められたときに対応できません。したがって申告区分に関係なく、出納帳は事業主として最低限整えておくべき帳簿なのです。

確定申告や税務調査で出納帳が果たす役割

出納帳は、確定申告の際に取引の証拠資料としての役割を果たします。理由は、提出する収支内訳書や青色申告決算書の内容と、帳簿上の記録が一致していることが求められるためです。

仮に記録が不十分な場合、収入や経費の一部が否認されて追加課税の対象になるリスクがあります。税務調査が入った場合にも、出納帳に日付や取引先、金額が明確に記載されていれば、調査官への説明もしやすくなります。

記録があいまいな場合と比べて、帳簿が整っているだけで調査対応のストレスも軽減されます。

このように、出納帳は税務上の信頼性を高める重要な資料となるのです。

現金出納帳と預金出納帳の違い

出納帳には「現金出納帳」と「預金出納帳」があり、目的に応じて使い分けます。現金出納帳は、現金での取引(小口現金、現金売上など)を記録する帳簿です。

一方、預金出納帳は、銀行口座を通じた入出金(口座振込、クレジット引落など)を管理するための帳簿です。

例えば仕入れを現金で支払った場合は現金出納帳に記載し、同じ仕入れでも口座振替なら預金出納帳に記録します。

口座ごとに預金出納帳を分けると、通帳残高と帳簿が一致しやすくなります。現金と預金を区別して記録しておけば、資金管理の精度が格段に上がるでしょう。

個人事業主の出納帳はこう書く!基本の書き方とルール

償却資産申告書とはのイメージ

それではいよいよ、個人事業主向けの出納帳の書き方や基本ルールについてご紹介します。

記載項目

出納帳で記載すべき項目は以下の通りです。

  • 日付
  • 勘定科目
  • 摘要
  • 入金
  • 出金
  • 残高

その他にも「合計金額」や「繰越金額」を記載する場合もあります。

書き方の流れ

出納帳を正しく記録するためには、決まった手順に沿って記入を進めるのが大切です。出納帳には法的な様式はありませんが、一定のルールに従って記録すれば、会計処理や税務対応がスムーズになります。以下で、基本的な記入の流れを順を追って紹介します。

やること

記入欄の例

補足ポイント

前月繰越 or 期首繰越を記入

摘要:前月繰越

残高:10万

開業初月の場合は「元入金」と記入して資金額を残高に記載

入出金のあった日付を記入

日付:2025/4/10

取引ごとに必ず1行、日付は正確に記載

勘定科目を記入

勘定科目:「消耗品費」「売上」など

科目は帳簿や申告と整合性の取れるものを選択

摘要欄に取引内容を記入

摘要:「〇〇商店より封筒購入」

相手先・内容が分かるように具体的に記入

入金 or 出金額を記入

入金:「10,000」または出金:「2,500」

必要な金額だけを記載(両方同時に記載はしない)

残高を更新

残高:7,500

入金は加算、出金は差引して最新の現金残高を記入

このようにステップを踏んで記入すれば、一目見ても分かりやすく記帳できるようになります。

参考:帳簿の記帳のしかたー事業所得者用ー|税務署

具体例でわかる!出納帳の記入

以下では、出納帳について具体例を交えてご紹介します。

飲食業

飲食系は売上や仕入、備品購入など日々の取引が頻繁で、金銭の動きが複雑になりがちです。また現金取引が多くなるため、出納帳の記録が特に重要となります。

例えば、以下のような記入例が考えられます。

  • 2025/4/10 ○○市場 野菜仕入 5,000円(支出)
  • 2025/4/11 現金売上 15,000円(収入)

このように現金の出入りを具体的に記録していきます。さらに、釣銭の準備金やレジとの整合性も出納帳で管理しておくと、会計処理がスムーズです。飲食業は特に税務調査が入りやすい業種のため、出納帳の整備は納税リスクの回避にも直結します。

フリーランス(サービス業)

フリーランスなどのサービス業では収入が口座振込であるケースが多く、預金出納帳を中心に記録を行います。現金取引よりも振込入金やカード決済による経費支出が主流のため、口座ごとの資金の流れを明確にしておかなくてはいけません。

たとえば、以下のような記入例が考えられます。

  • 2025/4/12 ○○株式会社 業務委託料 90,000円(収入)
  • 2025/4/15 Adobe Creative Cloud 月額利用料 6,480円(支出)

このように日付・相手先・内容・金額を明確に記録します。デジタル領域の取引は証拠が残りやすい反面、支払日や用途が見えにくいので、摘要欄にはできるだけ具体的な内容を書きましょう。

出納帳の記録方法

続いて、個人事業主が出納帳を管理する際によく用いられる3つの方法についてご紹介します。

手書きでの記録

出納帳を手書きで管理する方法は手軽に始めやすい反面、正確性や効率面で注意が必要です。手書きの最大のメリットは費用がかからず、記録を通じて取引の内容をしっかり把握できる点です。

ノートや市販の帳簿に日々の収支を記入して、数字に強くなったという事業主も少なくありません。一方で計算ミスや転記ミスが発生しやすく、訂正にも手間がかかるというデメリットがあります。

記帳のルールや集計方法に自信がある人、あるいは事業規模が小さいうちは有効な方法です。しかし取引が増えてくると、数字の見直しが必要になる場面も出てきます。

Excelでの記録

Excelを使った出納帳管理は、手書きに比べて集計や修正がしやすく、初心者にもおすすめです。関数を使えば、自動で月間の収支を計算できるほか、コピーや修正が容易な点も大きな利点です。

シートを1年分用意し、日付や金額を入力するだけで年間収支が出るようにしておけば、確定申告時の準備が格段に楽になります。ただし、Excelに不慣れな人にとっては、関数の設定や表の構造が難しく感じられるかもしれません。

また入力ミスに気づきにくいというデメリットもあり、確認作業をしっかり行う必要があるでしょう。管理コストと利便性のバランスを考えて選ぶのが大切です。

会計ソフトでの記録

会計ソフトを使えば、出納帳の記録と集計を自動化できるため、時間の大幅な節約につながります。特にクラウド型の会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動取得できる機能があります。そのため、入力ミスや記帳漏れを大幅に減らせます。

中にはAIが取引内容を自動で勘定科目に振り分けてくれる機能もあり、経理の経験が浅い人でも安心して使えます。

ただし、毎月の利用料が発生する点や、操作に慣れるまで時間がかかる点は注意してください。もし長期的に効率化を図りたい場合には、効果的な方法と言えるでしょう。

出納帳の保存期間と方法は?個人事業主におすすめの方法とは

個人事業主が気を付けるべき出納帳の保管期間および方法、そして注意点についてまとめました。

出納帳の保存期間

出納帳をはじめとする帳簿類は、法的に保存義務が定められています。青色申告をしている場合、帳簿の保存期間は原則として7年間です。

これに対し、白色申告の場合も帳簿は5年間保存しなければなりません。例えば2025年に記入した出納帳であれば、青色申告の場合は2032年まで保管が求められます。

税務署の調査が行われた場合、過去の取引が正当かどうかを証明するために過去の帳簿を提示する必要があります。

正しい保存期間を守らなければ追徴課税などのリスクもあるため、慎重に保管しましょう。

出納帳の保管方法

出納帳の保管方法には、紙ベースで保管する方法とデジタルデータとして保存する方法があります。紙で保管する場合、湿気や直射日光から守るために、風通しの良い場所で保管するのが大切です。

さらに、帳簿の保存状態が悪くなると、後日、税務調査の際に証拠として使えなくなる可能性があります。

一方で、デジタルで保存する場合、スキャンして保存したり、会計ソフトに記録を残す方法があります。この場合、データのバックアップを定期的に取り、破損や消失を防ぐための対策を講じておくことが求められます。

どちらの方法であっても、帳簿が整理整頓されているかどうかが、税務調査での信頼性を高めるカギとなるでしょう。

個人事業主におすすめの保管方法

クラウド型の会計ソフトを活用して出納帳をデジタルで管理し、どこからでもアクセスできるようにするケースが増えています。これにより、物理的な保存スペースが不要になり、データが破損した場合のリスクも低減します。

さらに、クラウドサービスでは自動でバックアップが取られ、法定保存期間に対応した保存が可能です。近年の会計ソフトでは全ての取引をデジタルで保存し、税務署から求められた際にも迅速にデータを提出できます。

デジタル保存を導入すれば帳簿管理が効率化されるとともに、ペーパーレス化によるコスト削減も実現できるでしょう。

まとめ

出納帳は日々の現金管理だけでなく、確定申告や税務調査の際にも役立つ大切な帳簿です。記帳に慣れるまでは手間に感じるかもしれませんが、正しく管理すればお金の流れを見える化でき、事業の健全化にも繋がります。

紙・Excel・会計ソフトなど、自分に合った方法で継続的に記録し、保存ルールも守るようにしましょう。もし出納帳の書き方に関してお悩みのことがあれば、税理士に相談するのもおすすめです。

小谷野税理士法人では出納帳を使った会計処理や確定申告の経験や知識が豊富な税理士が在籍しています。「出納帳の書き方が分からない」「確定申告が不安」という方は、お気軽に一度小谷野税理士法人にご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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