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赤字決算の資金調達方法は?融資のデメリットとメリットを解説!

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赤字決算の資金調達方法は?融資のデメリットとメリットを解説!

赤字決算になると、融資を受けられなくなるのではないかと不安になるでしょう。事業を継続するうえで、資金は生命線です。赤字決算になった場合でも融資を受けられるケースがあるので、なるべく冷静に判断するのが望ましいです。本記事では、赤字決算のデメリットとメリット、融資を受けられるケース、融資以外の資金調達方法を解説します。

赤字決算とは

資金調達

赤字決算とは、以下のように事業活動をしている一定期間において、収入に比べて支出が多い状況のことです。

  • 法人:決算月までの1年間
  • 個人事業主:1月から12月

赤字決算になると、今後の事業展開に関して多くの方が不安になるでしょう。後述する通り、赤字決算となると融資を受けられなくなったり、倒産したりするわけではありません。ネガティブな部分のみではなく、赤字決算にはポジティブな部分もあります。

状況によるものの、赤字決算になったからといって、焦って行動することは望ましくありません。赤字決算でも融資を受けられたり資金調達したりする方法を知ったうえで、冷静に判断しましょう。

赤字決算のデメリット2つ

投資でマイナスが出たときの確定申告

赤字決算をすると、以下のデメリットが発生します。

  • 金融機関の融資を受けにくくなる
  • 債務超過で負のループに入る

それぞれ詳しくみていきましょう。

金融機関の融資を受けにくくなる

赤字決算のデメリットは、融資を受けにくくなることです。収入よりも支出の方が多い事業所に融資をすることは、返済してもらえないリスクを金融機関が抱えることになるためです。

一方で、外部要因によるものや起業1年目など、特定の条件を満たせば、赤字決算でも融資を受けられる可能性があります。いずれにしても、収益改善の予測については具体的な数字で示すことがポイントです。

融資の目的として、赤字補填をあげないことには注意が必要です。事業において赤字が続くと判断されると、融資を受けられる可能性は低くなるでしょう。

債務超過で負のループに入る

債務超過となり倒産リスクも発生することが、赤字決算のデメリットの一つです。債務超過とは、企業の資産総額が負債総額を上回る状態です。

債務超過となると融資を受けられなくなり、事業投資や運転資金などを用意しにくくなります。事業規模が縮小すると収益も悪化し、最悪の場合は倒産になる、と悪循環に陥る可能性が高いのでご注意ください。

債務超過を解消するには、売上の向上や資産の売却のほか、民事再生法など制度の利用があります。

赤字決算のメリット3つ

赤字決算にはデメリットがあるものの、以下のメリットもあります。

  • 法人税の支払が免除となる
  • 繰越欠損金控除を受けられる
  • 法人税の還付を受けられる

ここから具体的に解説します。

法人税の支払が免除となる

赤字決算のメリットの一つは、法人税の支払がなくなることです。法人税の支払がなくなると、その分の資金を事業投資や各種支払などに充てられるでしょう。

資本金が1億円超の企業の場合は外形標準課税による事業税が発生するものの、該当しない場合は法人住民税以外の税金を納める必要がないでしょう。

法人税の支払免除を目的に、敢えて赤字決済としている中小企業は7割あるともいわれています。戦略的な赤字決算を実践すると、企業運営をするときに効果的となる可能性があります。

繰越欠損金控除を受けられる

赤字決算のメリットとして、繰越欠損金控除を受けられることがあげられます。繰越欠損金控除とは、赤字決算を最大で10年間繰り越せ、黒字決算を相殺できる制度で、納税額を抑えられる点が特徴です。

資本金1億円超の法人の場合、控除可能な金額の上限がある点には注意が必要です。繰越欠損金控除があることで、予想外に収支が悪化したときでも安心しやすいでしょう。控除を受けるには、地域を管轄する税務署へ青色申告書を提出する必要があります。

法人税の還付を受けられる

繰戻し還付金をもらえることが、赤字決算のメリットの一つです。繰戻し還付金とは、前期に黒字決算となった年度に遡り、赤字決算を相殺できる制度であり、前期の税金を還付してもらえるのが特徴です。

繰戻し還付金の対象は国税のみで、住民税や事業税などの地方税は対象外となることに注意しなければなりません。期日までに欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出することで、繰戻し還付の還付請求ができます。

赤字決算で融資を受けられるケースとは

赤字決算となった場合でも、融資を受けやすいケースは以下の通りです。

  • 起業したばかりである
  • 災害など突発的な理由である
  • 資産を保有している
  • スムーズに返済してきている

それぞれについて、ここから詳しく解説します。

起業したばかりである

起業して1年目の場合、赤字決算でも融資を受けやすいのが特徴です。事務用品の購入や物件の契約など、1年目は事業をするための初期費用がかかったり、認知度が低かったりするためです。

赤字が発生していたとしても、翌年度以降に黒字になる根拠を示すことで、融資を受けられる可能性はあります。

2年目以降になると、1年目の実績や財務状況が重視されるようになることから、融資を受けるには実績を出すことが求められます。起業した当初は比較的融資を受けやすいタイミングで、積極的に活用するのも一つの選択肢です。

災害など突発的な理由である

赤字決算で融資を受けやすいケースとして、災害などのイレギュラーな事象の発生があげられます。コロナや大地震などの影響で赤字が発生した場合、企業努力では対処しきれないと見なされるためです。

突発的な事象をきっかけに赤字となっている場合、将来的に黒字化することを説明しやすいでしょう。売上の推移や予測などを数字で示し、融資担当者に納得してもらうと融資を受けやすくなります。

資産を保有している

不動産や預金などの資産を担保にすると、赤字決済でも融資を受けられるケースがあります。担保とは、返済不可となったときの返済保証として金融機関に受け渡すものです。

担保がある場合、赤字となっている事業者でも金融機関は融資をするリスクが低くなります。一方で、資産を担保に入れると、金利が低くなったり借入期間が長くなったりするケースもあります。

担保を提供できれば高額な金額を融資してもらえる可能性もあるので、状況に応じて利用を検討するとよいでしょう。

スムーズに返済してきている

赤字決算で融資を受けるには、融資の返済を滞らせていないことがポイントです。期限に応じて着実な返済を続ければ、金融機関からの信頼を得られるためです。融資の返済を継続するには、借入時に以下の点をチェックするとよいでしょう。

  • 利息の金額
  • 毎月の返済額
  • 期間

起業から間もない場合、収支を正確に把握しにくいかも知れません。融資を受けるときは、返済の目処をある程度立てておくのが望ましいです。

運転資金融資のすべて!成功のカギを握る資金調達方法を徹底解説

赤字決算で融資以外に資金調達する方法4つ

資本金のイメージ②

赤字決算となったとき、融資以外で活用できる資金調達方法は以下の4つです。

  • 日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金
  • ファクタリング
  • リースバック
  • クラウドファンディング

ここから具体的にみていきましょう。

日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金

赤字決算となったとき、日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を利用できる可能性があります。

社会や経済などの外的要因によって、一時的に売上減少が発生した事業所は、経営基盤の強化や設備投資の資金として活用できます。

経営環境変化対応資金の特徴は、以下の表の通りです。

借入限度額

4,800万円

金利

【無担保】

  • 税務申告2期終了:0.95から3.65%
  • 税務申告2期以内:1.20から3.9%

【有担保】

0.55から3.25%

【東日本大震災復興特別貸付or令和6年能登半島地震特別貸付】

0.55から2.75%

返済期間

  • 設備資金:15年以内(据置3年以内)
  • 運転資金:8年以内(据置3年以内)

経営環境変化対応資金に申し込むには、地域の日本政策金融公庫に書類を提出する必要があります。

ファクタリング

融資以外に活用できる資金調達方法として、ファクタリングの利用があげられます。ファクタリングとは、専門の業者に売掛金を買い取ってもらえる仕組みのことで、資金繰りに困っているとき役立つでしょう。

以下の通り、取引方法は2通りにわけられます。

  • 2社間ファクタリング:事業所とファクタリング会社
  • 3社間ファクタリング:事業所とファクタリング、取引先

手数料が高くなるものの、一般的に即日中に入金してもらえるのが2社間ファクタリングです。一方で、取引先の信用を失いやすいものの、手数料を抑えられるのが3社間ファクタリングです。

業者によって手数料や入金スピードなどが異なることから、公式サイトや口コミ評判など、詳しくチェックしておきましょう。

リースバック

赤字決算で利用できる資金調達方法として、リースバックがあげられます。リースバックとは、所有物件を売却したあと、改めて賃貸契約することで、再度物件を利用できるサービスのことをいいます。

所有者ではなくなるものの、修繕費や税金などの費用を抑えられるようになるのがメリットです。物件の売却による収益も得られることから、資金繰りの改善に効果的です。

収益が改善したあとは、業者から所有権を買い戻せます。借入ではないことから、毎月の返済などを心配する必要がない点もメリットの一つです。しかし、毎月の支払いは発生するため注意しましょう。

クラウドファンディング

赤字決算で利用できる資金調達方法の一つは、クラウドファンディングです。クラウドファンディングとは、インターネットを介して、不特定多数の方から資金を得る仕組みのことをいいます。

資金を集める目的を明確にし、内容に賛同してもらえると、お金を得られるのが特徴です。資金を提供してもらったお礼として、プロジェクト制作やリターン用意に関する手間や費用などが発生することはデメリットです。

一方で、比較的手軽に資金調達できる方法として、赤字となっている事業所にとっても利便性が高いといえます。

資金調達をしつつ、商品やサービスなどを知ってもらえることから、マーケティングにもクラウドファンディングは効果的です。ファンを獲得できれば収支を安定させやすくなることから、ユーザー目線に立った運営がポイントの一つです。

クラウドファンディングの税金と確定申告の注意点

融資や資金繰りの相談は税理士へ

赤字決算でも融資を受けられるケースや、メリットとデメリットなどについて解説してきました。赤字決算となっても、条件を満たせば融資を受けられるのが特徴です。

融資を受けられる条件をチェックし、該当する場合は融資に申込めます。もし融資が利用できない場合でも、資金調達方法は多岐に渡っています。

事業を発展させたり安定させたりするには、まとまった資金が必要なものです。資金繰りで困っている場合、税理士への相談が賢明な判断となるでしょう。

融資や資金調達についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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