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会社設立の基礎知識

顧問税理士とは?税理士と顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説

更新日:2024.5.4

事業を営む上で、ある程度事業規模が大きくなれば、税理士と顧問契約を結ぶのが一般的です。顧問契約を結ぶと、専任の税理士から税理の申告業務、税務書類の作成、税務に関する相談などのサポートを受けられます。今回は、税理士と顧問契約を結ぶとどんなメリットがあるのか、契約の際に注意すべき点は何かについて解説します。

顧問税理士とは?

顧問税理士とは、税務に関する業務や相談といった特定の業務について依頼する旨の契約を締結した税理士を指します。委任する業務や契約期間、報酬などについて定めた契約書に捺印をして契約を締結します。

一方で、税理士と顧問契約を結ばなくても、相談したいことが発生した場合にのみ、スポット契約で特定業務の依頼もできます。しかし、税務調査が入るなど問題が発生した際のことを想定すると、日頃から自社を理解してくれている顧問税理士がいた方が、経営の上で心強いと言えるでしょう。

専門的な知識がないと手間がかかる税務申告や各種書類の作成なども一任でき、節税対策などのアドバイスも適宜受けることができます。

事業を始める際に税理士と顧問契約を結ぶ事業主もいらっしゃいますが、売上の規模がまだ大きくない企業や、事業規模が小さい個人事業主であれば、税理士との顧問契約は必須ではありません。一般的に、売上規模が1,000万円を越えれば、顧問税理士をつけた方が良いといわれています。

まだ顧問税理士がいない、あるいは顧問税理士を探している方は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。

税理士への依頼は顧問契約とスポット契約のどちらが良い?

委任する業務や契約期間、報酬などを定めて契約するのが顧問契約です。一方で、決算のみといった限定的な業務を、税理士へ一時的に依頼するのが「スポット契約」です。

スポット契約では、事業主と税理士の間での定期的なやりとりはなく、会計ソフトのデータや帳簿を税理士へ預け、書類の作成のみを依頼するのが一般的です。

売上規模が大きな企業では、顧問税理士をつけていることが多いです。しかし、まだ十分な利益が出ていない、あるいは年間の取引数がそこまで多くないといった場合には、顧問契約ではなく決算など必要な時のみ税理士とスポット契約を結べば、税理士費用が削減できます。

一概にどちらが良いとは言い切れないため、自社の事業の規模や費用を考慮して、自社に合った契約方法を選ぶと良いでしょう。

税理士のみが対応できる業務とは?

税理士は税務の専門家であり、税に関するあらゆる業務に対応してくれますが、中でも、

  • 申告業務
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

この3つの業務は、税理士しか行うことができない独占業務です。いずれの業務も、事業を継続させる上で重要な業務ですので、これらの業務についていつでも専属でサポートを受けられるのは、事業にとっても大きなメリットになると言えるでしょう。

申告業務

税理士は、法人の決算申告や個人の確定申告など、税に関わる申告業務を代理で行います。申告書の作成には専門的な知識が必要となり、間違いのない正確な書類を作成する必要があります。

顧問税理士に申告業務を一任すれば、正確な申告を行なってくれるだけでなく、煩雑な申告書類をご自身で作成する際にかかる手間を省くことができます。

また、もし税務調査が入ることになった場合でも、税理士が事業主に代わって調査員とやりとりを行い、異議申し立ても対応してくれます。税務署の決定に対して異議申し立てを行いたい場合、経営者だけではうまく対応できない場面もありますが、税理士がしっかり対応してくれるので安心です。

税務書類の作成

税務書類とは、確定申告書や相続申告書など、税務署に提出が求められる書類です。

この税務書類の作成代行は、税理士のみ行うことができます。また、源泉徴収票や法定調書といった年末調整に必要となる書類の作成も、税理士の独占業務です。

税務相談

納税額の計算や税務調査の相談など、税務相談に応じることができるのも税理士の独占業務です。税理士の資格を持っていなければ、税務相談を受けたり税務に関するアドバイスを行うことはできません。

顧問税理士に依頼できる会計・税務に関する業務とは?

税理士は会計や税務に関するプロフェッショナルです。決算や税の申告といった税務以外にも、事業継承や資金調達についてのアドバイスを提供してくれます。以下でご紹介するような業務をプロに一任することで、煩雑な税務から解放され、自身は事業に注力できるというメリットがあります。

給与計算

顧問税理士には、毎月の従業員の給与計算を依頼することが可能です。給与計算は、締め日から給料日までの間に給与を計算し、さらには振込手続きまで完了させておく必要があります。

税理士に任せることができれば、勤怠データを提出するだけで支給額や社会保険料、源泉所得税まで正確に算出してくれるので、企業側の負担を大きく軽減できます。特に給与計算は毎月必ず発生する業務なので、従業員が多い企業ほど、給与計算を税理士に一任するメリットを感じやすいでしょう。

会計指導

会計や経理などについて、税理士から指導を受けることができます。一昔前であれば会計に使用されるのはエクセルが一般的でしたが、近年はさまざまな会計ソフトが発売されており、企業側で「どのソフトを使っていいのかわからない」「導入したものの使い方がわからない」といった声も多く上がっています。

税理士と顧問契約を結んでおけば、こういった会計ソフトについて直接指導を受けることができます。

決算・申告業務

決算・申告業務については、スポット契約で依頼される事業主もいらっしゃいますが、もちろん顧問契約でも税理士に依頼することができます。

スポット契約では、年間の会計ソフトのデータや帳簿を税理士へ預け、書類の作成のみを依頼するのが一般的な流れです。しかし、顧問契約であれば普段から自社の会計の流れを把握している税理士に依頼することになるので、より正確な決算・申告業務が期待できます。

また、決算書に税理士の押印があると、税務調査の対象になりにくいというメリットもあります。

年末調整

毎年年末に行われる年末調整は、複雑な計算が必要で手間も時間もかかります。税理士は年末調整に関わるすべての業務を取り扱っているため、税理士に依頼すれば企業側の負担を大きく軽減できます。

ただし、

  • 扶養控除等申告書
  • 保険料控除等申告書
  • 生命保険料控除証明書

これらの書類や給与台帳は事業主側で用意しておく必要があるため、忘れないように準備しておきましょう。

事業承継

事業を長く継続させていると、いつかは事業承継という課題に直面します。親からの事業承継を考えている方もいるでしょう。日本全体でも高齢化が社会問題となっていますが、同時に中小企業の経営者の高齢化も問題視されています。しかし、自身が経営から退いた後のことについて、あまり関心がない経営者が多いのが実情です。

事業承継について何も対策をしないまま、万が一経営者に何かあり、思いがけない相続が発生すれば、順調だった経営が大きく傾いてしまう恐れもあります。顧問税理士に相談すれば、事業承継の対策として何をしておくべきか、など具体的なアドバイスを受けることができます。

資金繰りに関する相談

事業を長く継続させるには、資金不足を防ぐ必要があります。そして、経営状態を安定させるためには、単に売り上げを増やす、支出を減らすだけでなく、お金の使い道についても考える必要があります。

顧問税理士に相談すれば、現在の収支を適切に管理することで資金不足に陥るリスクを回避し、最適な資金繰りに関するアドバイスを受けることができるでしょう。また、一時的な資金不足に陥った場合でも、現在どの程度の融資を受けることができるか、そのためにどんな種類が必要かなど、資金繰りに関するさまざまな相談ができます。

節税対策

顧問税理士からは、有効な節税対策についてアドバイスを受けられます。

税法では、課税標準の算定に複数の選択肢があり、納税者がどれを選ぶか決めることができます。そのため、事業として利益を求める場合は、用意されている選択の中から最も有益なものを選ぶ必要があり、それこそが節税です。

具体的な対策には、税額控除、特別償却、修繕費による節税などが挙げられます。節税対策には、期限が設けられているものもあるため、税制に明るい税理士のアドバイスは必須といえるでしょう。現在行っている節税の効果をさらに高めたり、他に実践できる対策がないかを知りたい方は、ぜひ顧問税理士に相談してみてください。

補助金・助成金の申請相談

助成金や補助金は、国や地方公共団体から資金を受け取れる制度です。申請には、一定の条件や審査が必要となり、「前年の同月と比べて売上が3割減少している」といった財務数値や、事業計画の添付が求められる場合があるので、必要な場合は書類を用意しましょう。

税理士によっては、補助金・助成金の申請に必要な書類の作成から手続きまでサポートしてくれる事務所もあります。助成金や補助金の申請を検討する際には、まず顧問税理士に相談してみるといいでしょう。

税理士と顧問契約を結ぶメリットとは?

税理士と顧問契約を結ばず、自社で税務を行なっている企業も少なくありません。

しかし、税理士と顧問契約を結ぶことで、さまざまなメリットを得ることができます。

事業に専念できる

特に個人事業主に多いですが、税理士と顧問契約を結んでいない場合、事業主が税務・経理を行なっているケースが多いです。しかし、税務は複雑で時間も手間もかかる業務であり、事業主は税務以外にも営業などさまざまな業務に追われています。

煩雑な税務を顧問税理士に依頼することで、税務にかけていた時間を大幅に削減することができ、時間をより効率的に使えるようになります。また、税理士は税務・経理の専門家であるため、正しい知識でより正確な経理作業や書類作成が期待できます。

税務調査に対応・サポートしてくれる

顧問税理士がいれば、税務調査が入ることになった場合でも対応を依頼できます。事前の書類準備から調査当日の立ち会いまで、異議を申し立てるべきポイントに対して専門知識でしっかり対応してくれるので、税務署とのやりとりをスムーズに進められます。

また、顧問税理士であれば日々の会計の動きもしっかり把握してくれているため、調査に対して適切な対応ができます。

資金繰りや節税対策などのアドバイスが受けられる

資金繰りや節税対策など、お金に関するさまざまなアドバイスが受けられるのも、税理士と顧問契約を結ぶ大きなメリットのひとつです。

特に節税対策にはさまざまな選択肢がありますが、自社のことを把握してくれている顧問税理士でなければ、実際に実行できる対策や、より効果が高い対策方法は提案できません。

同時に、顧問税理士に申告や会計を依頼しておけば、申告漏れなど追徴が発生するリスクを軽減することができます。

また、税理士は資金繰りについても専門知識を持っているので、助成金や補助金など事業のお金に関するさまざまなサポートを受けられるでしょう。

税理士と顧問契約を結ぶデメリットとは?

税理士と顧問契約を結ぶデメリットは、ほぼありません。ただし、さまざまな業務を依頼できる代わりに、顧問料が発生する点だけ注意が必要です。顧問料は税理士によって変動するので一概にはいえませんが、法人であれば月額30,000円〜程度、個人なら月額10,000円〜程度が相場です。

上述でも解説しましたが、売上規模が1,000万円を越えれば、顧問税理士をつけた方が良いといわれています。売上規模が1,000万円を越えるような企業であれば無理なく支払える費用ですが、起業して間もない場合などは少なくない出費となるでしょう。

税理士には、決算のみといった限定的な業務を、一時的にスポット契約として依頼することもできます。事業規模やご予算に応じて、顧問契約かスポット契約を選ぶようにしましょう。

ただし、税務調査が入った時のことを想定すると、日頃から自社の税務を把握してくれている顧問税理士がいた方が、いざという時に心強いといえます。

税理士を変更し新たに税理士と顧問契約を結ぶ際の注意点

現在、すでに税理士と顧問契約を結んでいる方であっても「業務内容に不満がある」「顧問契約料が高い」など、税理士変更を検討している方もいらっしゃるでしょう。一旦税理士と顧問契約を結べば、事業のパートナーとして長く付き合っていくことになります。

ここでは、新たに税理士と顧問契約を結ぶ際の注意点について解説します。

旧税理士から書類やデータを忘れずに引き継ぐ

税理士と顧問契約を結ぶと、会計や税務に関する書類やデータなど重要書類を税理士に預けることになります。税理士を変更する際は、これらの重要書類を契約解除後に旧税理士から忘れずに返却してもらい、新しい税理士へ確実に引き継ぎましょう。

この際、意外と引き継ぎ忘れが起こりやすいのが、e-Tax(国税電子申告・納税システム)のIDやパスワードなどログインデータです。もし、e-Taxのログインデータを紛失してしまうと、過去の申告データを閲覧できなくなる恐れがあります。

新たに税理士と顧問契約を結べば、返却してもらうべき書類やデータについてのアドバイスを受けられるため、税理士と相談しながら引き継ぎ忘れが無いよう注意しましょう。

自社の業種・業態に合った税理士を選ぶ

もし、選んだ税理士が自社の業種・業態についての知識が乏しい場合、適切なアドバイスを受けられなかったり、アドバイスを実践しても効果的な節税対策にならない可能性があります。

新たに税理士を探す際には、これまでその税理士が携わった業種・業態をチェックし、自社の業種・業態に関する知識を有しているかを確認しておきましょう。

依頼する内容を明確にし、契約書の内容を確認する

税理士と顧問契約を結ぶ際は、「税理士にどの業務を依頼するのか?」を明確にしておくことが重要です。その上で、契約書に目を通し、契約についての条項や期間を確認しましょう。

中には「契約満了日の1ヶ月前までに解除の意思表示がない場合、契約を自動更新する」といった内容が含まれているケースもあります。後々「知らなかった」「聞いてなかった」といったことがないよう、依頼したい業務に対応してくれるのか、契約期間はどうなっているのかなど、細部まで確認しておきましょう。

費用の内訳を把握しておく

税理士費用は、顧問契約料とは別に、決算や年末調整など業務単位で設定されているケースが多いです。顧問契約を結んでいるとはいえ、どんな業務も無料で対応してくれる訳ではないので注意しましょう。

費用の内訳を把握しておかないと、「打ち合わせにも費用がかかった」「追加料金が必要とは思わなかった」などトラブルの原因となります。税理士と顧問契約を結ぶ際は、どの業務にどれだけ費用がかかるのかを確認してください。

また、契約途中に解約した場合、別途違約金が必要になるケースもあるので、前項の契約書の内容と併せてしっかりチェックしておきましょう。

税理士を変更する際、また顧問契約を結ぶ際の注意点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【税理士監修】税理士変更は決算書が引継ぎのカギ?ベストタイミングや手続きの流れを徹底解説

【税理士監修】税理士変更の体験談公開!どんな理由?効果は?税務調査が入るって本当?

信頼できる税理士と顧問契約を結ぼう

顧問税理士がいれば、自社で税務を行う手間が大きく省ける、節税のアドバイスを受けられるなど、さまざまなメリットがあります。税務調査などいざという時も、顧問税理士がいれば親身になってサポートしてくれるので、まだ税理士と顧問契約を結ばれていない事業主の方は契約を検討してみましょう。

ただし、顧問契約はどのような税理士と結んでもいいわけではありません。税理士と顧問契約を結ぶ目的、税理士が得意とする業種、そして費用の内訳などを考慮したうえで選ぶようにしましょう。

「まだ顧問税理士がいない」「どの税理士を選べばいいのかわからない」という方は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

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