レスターがプレミアリーグ初制覇しましたね。
優勝が決まる瞬間を味わいたいと今月急遽スカパーに加入しました。
リーグ最多優勝の最名門であるマンUに勝って優勝を決めて欲しかったですが、
引き分けも許されない2位トッテナムが、2-0とリードしながら逃げ切り目前で同点に追いつかれたシーンも劇的でした。
優勝が決まる前週のNumberは、岡崎とレスターの特集でした。
そこに、今シーズンから就任して優勝に導いたラニエリ監督のインタビュー記事がありました。
さぞ高度な采配マジックが駆使されたのだろうと思いきや、意外な内容でした。
かつては「いじくり回し屋」とあだ名されるほど戦術や選手をコロコロと変えるスタイルで、結果を残せず揶揄されていたそうですが、
レスターでは一転方針を変え、昨シーズン終盤から好調だった従来のチームの方針を尊重し、予め用意していた戦術プランや練習メニュー
は捨てたのだとか。
代りに選手に求めたのはシンプルに3つだけ。
①ハードに走り続けること
②できるだけ早くボールを奪って速くボールを前に運ぶこと
③いつでもファイターであること
この「最低限」を「最大限」にやってほしい、と伝えて、後は全力を尽くす限り選手を信じて自由にさせたのだそうです。
一方で、消耗の激しいプレースタイルのため、試合の翌日の他に水曜日に休養日を設けて週休2日制にしたり、
岡崎やバーディーを休めるため、一定時間で交代させたり、シュート練習を休ませたり、「積極的に休む」仕組みも効果的だったようです。
前半戦の目標は残留ラインの「40ポイント」という「最低限」の設定。この達成に全力を尽くし達成したら、次の「最低限」として
「トップ10」、その次は「EL出場」、その次は「CL出場」と、その時点で手の届く目の前の目標だけを見つめ、積み重ねた結果の
奇跡の優勝だったようです。
少し前に読んだ記事で、やはり奇跡の復活といわれたサンフレッチェ広島の森保監督も同じようなことを言われてました。
就任4年間で3度のリーグ優勝を果たしても、シーズン当初の目標は残留ラインの「勝ち点40」なのだそうです。
「1試合1試合最善の準備をして、ベストを尽くすことしか考えない」「高い目標を持っていても、いま一生懸命やらなければ
積み上げられない」「それが結局は優勝をもたらしてくれる、振り返って「あ、優勝できた」、「頑張ったご褒美に優勝させてもらえた」
と考えるようにしている」と。
また、日経ビジネスの記事(#1831)にもありましたが、「結果にかかわらず、基本理念は変えない」、「できることをに焦点を絞って、
今ある資源の価値を最大限引き出す」という点も共通しているように感じます。
今できる「最低限」の目標達成に全力を尽くし、それを繰り返し積み重ねる。
愚直なようでも、結果を出すためには最も有効な考え方なのかもしれません。