先日、大エルミタージュ美術館展へ行ってきました。
初めて油絵の美術館へ行きましたが、やはりすごい!
写真やテレビでは、良くお目にかかる油絵ですが、
本物を目の前にすると、息を吞む程の緊張感が伝わって来ました。
線の一本一本が丁寧にリアルに描かれており、葉脈の立体感と言ったら、本物の木の葉
を貼りつけているんじゃないか?と思うほど!
人物の表情は奥深く、その時代の背景と作者の想いが現れていました。
流石に戦争や虐殺が多い中世の時代ですから、楽しげな表情は多くはありませんでした。
楽しそうな表情のキューピットでさえ、その周囲を刺々しいバラの茎や暗い湿った背景の中に描かれています。
色使いも感動しました。
パレットの上で、様々な色を混ぜ合わせて、本物以上の色彩や光沢を表現しており、
宗教画に特徴的な光を象徴とする部分においては、まさに額縁のその先には太陽があるんじゃないか?と言うほど!
ランプやろうそくの光も目を疑うほどのリアルさでした。
私はもっぱら、黒色の使い方に注目しました。
光と対象となる黒ですが、光を本物以上に表現し、物体の影となり、立体的な臨場感のある絵画にするために重要な色です。
絵画を三次元にし、物体や人物に影としての命を与え、今にも動き出すのではないかと感じさせてくれます。
本当に、これは絵画なのか疑わしいく思い、触りたい気持ちを抑えて、じ~と目を凝らし、色々な角度から観察しました。
しかし、1点1点に柵が設けられており、極限まで近づく事ができず、未だに信じられません。。。