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- 継承という難局~オーラ・カリスマ~
小谷野です。
先週末、歌舞伎座に足を運びました。
泉鏡花「天守物語」で板東玉三郎さんを久しぶりに拝見しました。
御年64才ですが、本人の登場と同時に舞台の雰囲気が変わるオーラは相変わらずでした。比類無き、希有な歌舞伎役者です。この人を取り巻く気のエネルギー、後光、魔力、妖気・・・の強さは言葉や方程式では表わせませんが、誰もが明確に感じます。
尾上菊之助、中村勘三郎の息子の七之助、若い尾上右近などへDNAの引き継ぎを開始し、多彩な役割を受け持つステージに入っておられます。しかし、オーラ自体の引き継ぎは困難でしょう。
会社経営でも承継は難しい問題であり、カリスマ性の引き継ぎは困難で、前代の様々な失敗や成功経験を完全に共有するのも難しいのが現実です。
日経新聞の私の履歴書で、インド・タタグループの現会長が前会長の存在を「完璧」な助言者と書いていましたが、古い話なので美化された部分もあるでしょう。
細部に介入せず、必要な時にだけ建設的な助言をするのが理想ですが、実際にはこのような完璧は見ることがありません。