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- 人種問題を考える~アトランタ訪問[3]~
小谷野です。
アトランタは黒人の公民権運動指導者であったキング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)の生家と記念館があります。
1964年に公民権法の成立によって人種差別が終わり、同年同氏にノーベル平和賞が授与されました。
ワシントンで行った演説「I Have a Dream」は今聞いても感動します。
その後同氏は、テネシー州で白人に暗殺されました。
ところで、我々外国人は黒人の解放は南北戦争(1861-65)でなされたと勘違いしています。
リンカーンの演説で、人種差別のない国ができたと思っています。
南北戦争の一面解釈として、労働力が欲しかった北側が南側に、奴隷という豊富な労働力を解放させたという見方もできます。
北軍の勝利によって、黒人は売買される奴隷ではなくなりましたが、その後も学校もトイレもバスの席も別という、大差別の時代が100年も続いていたのです。
人種に関連した感動した最近のお勧め映画です。
「Hidden Figure(日本での題名はドリーム)」2016年公開された伝記映画です。
1961年、白人と有色人種の差別政策が行われていた時代、ソ連との宇宙開発競争の中、米国NASAの宇宙開発で、黒人で女性という、当時の社会で最も蔑まされる立場のひとが、米国の威信を支えた事実を伝える映画です。
もっとも感動したシーンは、宇宙飛行士が発射直前に座標に計算誤差が生じていることを聞き、司令部からの「飛ぶのか」との質問に、エリート白人男性や機械(IBM)の計算ではなく、キャサリン(天才黒人女性)が検算して出た数値で俺は飛ぶのだと、黒人女性の計算力に自分の命を託すやりとりでした。
未知の世界に挑戦するNASAでは、天才的なひらめきや柔軟な発想が必要で、誰も行ったことがない計算や機体開発に関して、白人も黒人もなくなり、実力のある者が評価される公正性がメッセージの映画です。