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- 修復後のフェルメール ~360年前の真実~
小谷野です。
上野東京都美術館にて、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が始まりました。(~2022.4.3)
最大の見物は、ヨハネス・フェルメール(*)の「窓辺で手紙を読む女」です。
女性の背景の壁面にキューピッドが新たに登場したのです。
従来から壁には、最初キューピッドが描かれ作家自身が消したとされていましたが、フェルメールの死後何者かによってキューピッドが消されたことが判明し、消すために上塗りされた絵の具を顕微鏡で削り、元の作品に修復されました。
所蔵するドイツのドレスデン国立古典絵画館以外では上野で世界初の披露となりました。
かつて、私がドレスデンで見た「手紙を読む女」には、キューピッドが無かったようです。(記憶が曖昧)
新たに登場したキューピッドは、嘘や欺瞞を象徴する仮面を踏んでおり、誠実な愛の勝利を表しているようです。
女性が読んでいる手紙の内容は、さぞかし愛に溢れた内容になっているのでしょう。
上野の展覧会では、このフェルメール作品以外にも、レンブラント他70点、オランダ絵画の黄金期の作品が見られます。
(*)フェルメールはオランダのデルフト生まれ(1632-75)、作品は全世界で30数点と少ないと言われています。
余談ですが、「フェルメール」と発音すると海外では通じません。「ヴァーミア(Vermeer)」と「ミ」にアクセントです。
若い頃、エジンバラのスコットランド国立美術館でフェルメールの作品を探すのに苦労しました。
~長髪の赤ちゃん(キューピッド)発見!、小谷野でした~