代表 小谷野幹雄のブログ

2022年02月17日日本の給与は何故上昇しないのか ~主要国最下位の労働生産性~

小谷野です。

 

毎年購入する書籍の一つが、大前研一氏の『日本の論点2022~23(2021.12.14 プレジデント社)』です。

雑誌プレジデント連載の「日本のカラクリ」を集約した内容です。

2022年版では、国内外の政治、経済、オリンピックなど多岐にわたっていますが、以下、日本の賃金に関する分野からです。

 

 

現状の大卒の初任給は20万円から24万円の間で、平成の初期と変わらず、30年も賃金が上がらない異常事態といえる。OECD(経済協力開発機構)比較で、日本の平均賃金は437万円、35ヶ国中22位で、OECD平均の558万円を大きく下回る。

 

日本の賃金は何故安いのか。1人当たりの生産性の低さが問題である。

日本の1人当たりGDPが、アジアで最初に4万ドルを超えたのは1990年代初め、30年後の2021年は4.3万ドルと横ばいで、同じアジアのシンガポールは6.4万ドルと1.5倍、の差を付けられている。OECDの上位国は、10万ドルを超えている。

 

 

企業の労働生産性も主要7カ国(日米英加仏独伊)で最下位が長年定着している。

日本の製造業の労働生産性は世界平均に近く9.5万ドルでOECD主要31ヶ国中18位である。

ホワイトカラーとバックオフィスを含めた効率性が進んでいないのが問題である。

 

 

効率化の為にはDXは重要であるが、IT人材が育たない。

日本のIT人材の給与水準は米国の2.5分の1と低く、「女工哀史」ならぬ「ITエンジニア哀史」ともいわれる。

よって日本の社内人材にはIT人材が不在で、DXやIT担当部門の仕事はベンダー(業者)選びとなっている。

 

 

日本の給与を上げていくには、企業は人員を減らして効率性を高めるしかない。

仕事がなくなった人は国が再教育していく必要がある。

日本企業は縦の階層が多く、上意下達の伝言ゲームがはびこっている。

現場の担当者が一人いれば済む仕事に上司やそのまた上司が関わっている。階層を無くすことだけでも生産は上がる。

 

 

国の人材育成政策としてカギを握るのは、理系人材の質と量を確保することである。

そもそも日本の高校で文系と理系に分けてしまうことが時代に合っていない。

日本人の生産性が低くて給与が上がらないのは、21世紀に対応した人材育成ができていないからである。

 

 

~私も努力が必要な文系人材、小谷野でした~

 

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