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会社設立の基礎知識

不労所得の税金はいくらからかかる?不労働所得の種類と税の基礎知識をご紹介!

更新日:2023.3.7

近年では将来のお金に対する不安から不労所得を目的に副業を始める方が増えています。不労所得は種類が多く、所得区分によって税金対策や控除額が異なります。そこで今回は不労所得の基礎知識や所得区分、不労所得のメリット・デメリットや確定申告の記入方法など、詳しく解説していきます。

不労所得(不労働所得)とは

不労所得とは労働以外の場で自分が働かなくても得られる収入のことです。例えば、サラリーマンの場合は会社に出社もしくはリモートワークで作業して退勤時間まで働くことで給与を会社からもらえますが、不労所得とは仕組みさえできれば、自分が働かなくても収入を得ることが可能になります。主な不労所得の代表例は家賃収入などが挙げられます。

不労所得でも税金はかかる?

不労所得として一定額以上の収入を得た場合は納税義務が発生します。通常サラリーマンなどの会社員の場合は、源泉徴収や年末調整など税金の支払いを会社がしてくれていますが、不労所得の場合には個人で確定申告をして納税する必要があります。

また、所得には所定の税金が発生しますが、利益全てに税金が発生するわけではなく収入に対して納税義務が発生します。収入の計算式は以下のとおりです。

利益−経費=収入

例:100万円−40万円=60万円

不労所得はいくらから税金がかかるのか

会社員の不労所得が年間20万円を超えたとき

会社から給与を受け取っているサラリーマンで給与所得と退職所得以外の所得が年間20万円を超えた場合、確定申告をする必要があります。また、会社員で不労所得が年間20万円以下であっても下記の条件にあてはまる場合には確定申告が必要になるため注意しましょう。

  • 2カ所以上から給与を受け取っている
  • 医療費控除を受けたい場合
  • 給与所得が2,000万円を超える場合

自営業者は不労所得が20万円以下でも確定申告が必要

自営業の場合は、不労所得の金額に関わらず確定申告が必要になります。元々自営で確定申告が毎年必要なため、不労所得による影響は少ないでしょう。

不労所得が年間20万円以下の場合でも住民税申告は必要

所得には所得税だけではなく住民税も発生します。不労所得が年間20万円を超えていなくても住民税の場合、申告が必要になります。住民税は賦課課税制度が採用されていて、確定申告をしないと必要な情報が自治体に届きません。もし、申告をしなかった場合「脱税行為」とみなされてしまう可能性があるため、不労所得が20万円以下でも住民税の申告を行うようにしましょう。

不労所得にかかる税金の種類と計算方法とは

不動産所得

不動産所得とは物件を貸し出した時に発生する家賃収入を指します。物件以外にも、船や航空機の貸付、借地権の権利の貸付なども該当します。他の不労所得に比べ経費が多いことが特徴的で、税金対策もしやすいでしょう。不動産所得における経費は以下のような項目が挙げられます。

  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 損害保険料
  • 減価償却費
  • 管理費
  • 修繕費
  • 広告費

また、不動産所得は総合課税に該当するため他の所得と合算して所得税額を算出します。不動産所得の計算方法は以下のとおりです。

総収入額−経費=不動産所得

事業所得

事業所得とは、事業により得た収入のことを指します。中小企業や農業、小売業などといった各サービス業が該当します。またアフィリエイトやYouTubeなどを行う際、開業届を提出して本業として営んでいる場合にも事業所得に含まれます。事業所得の計算方法は以下のとおりです。

総収入額−経費=事業所得

配当所得

配当所得は株や公債の配当金で得た収入のことを指し、税率は上場株式の配当か、上場株式以外の配当かで異なります。税率は以下のとおりです。

  • 上場株式の配当等の場合

20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)

  • 上場株式以外の配当等場合

20.42%(所得税・復興特別所得税20.42% ※地方税なし)

配当金の多くは源泉徴収されているため確定申告する必要はありませんが、源泉徴収をされていない場合には確定申告をしなければなりません。配当所得の計算方法は以下のとおりです。

総収入額−借入金にかかる負債利子=配当所得

利子所得

利子所得とは預貯金の利子などから得られる収入のことを指します。利子所得の場合他の所得と分けて税金を計算する「源泉分離課税」に該当します。税率は以下のとおりです。

  • 315%(所得税+復興特別所得税15.315%+住民税5%)

特に経費など発生しないため、計算方法はなく総収入額がそのまま利子所得となります。

総収入額=利子所得

譲渡所得

譲渡所得とは、株や不動産などの資産や権利を譲り受けた時や、売却した時に発生する所得を指します。譲渡所得の対象となるものの代表例としてゴルフ会員権や土地、建物や株式などが挙げられます。譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。

総収入額−譲渡にかかる費用−特別控除=譲渡所得

対象となる権利や資産により「総合課税」と「申告分離課税」の2つに分類され、車や宝石などは総合課税、株式や不動産の場合は申告分類課税に該当します。

一時所得

一時所得とは、営利目的の継続的な所得ではない一時的な所得を指します。主な一時所得の例は以下のとおりです。

  • 保険の満期返戻金
  • 宝くじなどの賞金
  • 競馬や競輪の賞金

一時所得の計算方法は以下のとおりです。

総収入−経費−特別控除(最大50万円)=一時所得

雑所得

雑所得とは他の所得に分類されない所得のことを指します。雑所得の計算方法は、年金かその他の種類で分かれていて、それぞれの計算方法は以下のようになっています。

年金の場合 

年金収入額−年金控除額=雑所得

その他の場合

総収入額−経費=雑所得

山林所得

山林所得とは所有している山林を伐採して譲渡する場合や、特に整備せずに立木のまま譲渡するときにかかる所得を指します。また、山林所得として認められるためには、5年以上の山林保有期間が必要になり、5年未満だと事業所得もしくは雑所得に分類されます。山林所得の計算方法は以下のとおりです。

山林譲渡による総収入金額−必要経費−特別控除(最高控除額50万円)=山林所得

山林所得には最高控除額50万円の特別控除以外にも、山林事業で得た金額から譲渡費用を差し引いた金額50%と譲渡費用を経費にできる「概算経費控除」や、総収入金額から必要経費を引いた山林所得の20%が控除される「森林計画特別控除」などがあります。

退職所得

退職所得とは、勤務先を退職する際に一時金として受け取る退職金のことを指します。適格退職年金契約による退職一時金や、社会保険制度の退職一時金などが含まれます。退職所得の計算方法は以下のとおりです。

源泉徴収前の収入額−退職所得控除額(※)×2/1=退職所得

※退職所得控除額とは勤続年数によって変化し、20年を目安に控除額が変わります。勤続年数による控除額の違いは以下のとおりです。

  • 20年未満

40万円×勤続年数(最低控除額80万円)

  • 20年以上 

800万円+70万円×(勤続年数−20年)

不労所得のメリット

収入に対する不安が減る

昨今では「老後の資金として公的年金以外に1人あたり2,500万円が必要」と言われていたり、早期退職を社内で募集する企業もあったりと一つの仕事で生涯のお金を貯金・捻出するには少し不安な社会になりつつあります。会社からの給与以外にも不労所得があるサラリーマンの場合、そういった収入に対する不安を少なからず減らすことができるでしょう。

時間的な自由が得られる

サラリーマンの勤務日数と勤務時間は週5日、8時間が一般的です。不労所得がない場合にはこの生活を定年退職まで続ける必要があります。さらに、2022年4月には年金制度改正法の施行により高齢者の働き方の多様化が推進され、以前よりも長期的に働くことが呼びかけられるようになりました。

もし生活に困らない程度の不労所得があれば、セカンドライフとして会社を早期退職し働かず自由な時間を得ることができます。

会社に縛られる必要がなくなる

不労所得とは、働かなくても得られる収入。つまり働いていても働いていなくても、収入が安定して入ってくるため不労所得があれば、会社に属しないという選択肢を取ることも可能になります。

不労所得のデメリット

不労所得を構築するまでに時間がかかる

一般的に不労所得で収入を得るには以下のような代表例があります。

  • 配当株による配当所得
  • 国債、地方債、外国債権などによる債権収入
  • 不動産投資などによる収益
  • アフィリエイトやネットビジネスによる不労所得

この中でもアフリエイトやネットビジネスなどで不労所得を安定して得るには仕組みの構築の難しさから1年以上の時間が必要になることがほとんどです。「不労所得の仕組みを構築するには時間がかかる」ということをしっかり覚えておきましょう。

不労所得を謳う詐欺などもあるため注意が必要

「不労所得=怪しい」「不労所得などの権利収入=マルチビジネス」といった世間的によくあるイメージですが、実際に「不労所得や権利収入」と謳って詐欺案件などを紹介される場合があるので注意しましょう。

不労所得の確定申告の方法

副業収入の所得区分を確認

不労所得には前述でも紹介したとおり10種類あり、どの所得に区分されるかで税金上の扱いが変わります。副業などで得た収入がどの種類に分類されるのか前述の各所得の説明を参考にしてみてください。

収入及び経費の合計金額を計算して収入から経費を差し引く

収入の経費の合計金額は1年分を計算します。期間は1月1日〜12月31日が対象になり、収入から経費を差し引いた額が所得になります。

確定申告の書類に必要事項を記入する

確定申告書にはAとBがあり、サラリーマンが副業の申告として使用する場合は項目が絞られている「確定申告書A」がおすすめです。記入する項目は以下のとおりです。

【第一表】

  • 収入金額

給与欄に源泉徴収票の「支払金額」を記入

その他の欄に支払調書の「支払金額」を記入

  • 所得金額

給与欄に源泉徴収票の「給与所得控除の金額」を記入

その他の欄に確定申告第二表の雑所得の欄を参照し「収入金額」から「必要経費等」を差し引いた金額を記入

  • 税金の計算

所得税及び復興特別所得税の額の欄に確定申告第二表「所得税及び復興特別所得税徴収額の合計額」を記入※

※複数の会社から受け取っている場合、複数の会社の所得税額を合計する。

【第二表】

  • 所得の内訳:会社から源泉徴収票を受け取った場合に記入

本業の会社分は「給与」、副業の会社から源泉徴収票を受け取った場合は「雑」を記入する。

確定申告書の「収入金額」の欄には、源泉徴収票の「支払い金額」を記入する。

確定申告書の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の合計額」の欄には、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を記入する。

  • 雑所得:会社から支払調書を受け取った場合に記入

所得の種類は「雑」と記入する。

確定申告書の「収入金額」の欄には、支払調書の「支払金額」を記入する。

確定申告書の「必要経費等」の欄には、1年分の必要経費の合計額を記入する。

医療費控除がある場合は金額を記入する

確定申告書第一表「所得から差し引かれる金額」の欄にある「医療費控除」に金額を記入しましょう。

不労所得の税金を減らすための節税対策とは

青色申告で確定申告する

青色申告を行うことで所得金額から最大65万円の控除を受けることができます。通常の白色申告では最大65万円の控除が受けられない上に赤字が出た場合、翌年の所得から差し引くことができる損失繰越ができません。青色申告で確定申告をしたい場合には、納税地の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出が必要になります。

適切に経費計上を行う

不労所得はどの所得に分類されるかで、税金対策はそれぞれ異なります。例えば不動産所得の場合の経費は固定資産税や修繕費などですが、自宅を事業所として事業所得を得る場合には家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。このように経費にも種類があり、どの経費がどの所得に該当するのか確認した上で適切な経費計上をしましょう。

法人化を検討する

法人化するメリットは収益にかかる税率を低くできることです。日本では所得が増えれば税率が高くなる「累進課税制度」が採用されています。個人に対する所得税は最大55%であり、収入の半分以上が税金として徴収される仕組みです。個人の場合と法人の場合の税率は以下のとおりです。

  • 個人

900万円〜1800万円以下の場合、税率は43%(所得税33%+住民税10%)=1,536,000円

  • 法人

800万円以下:15%

800万円以上:23.2% 

一つの目安として、課税所得が900万円を超える場合は法人化を検討することも節税対策として有効です。

税金の専門家への相談を検討する

不労所得は前述でも紹介したとおり所得区分により税金対策が異なり、経費計上できる内容も違います。専門家でない方が深く理解し税金対策を行うことは難しいため、適切な助言をくれる「税金の専門家へ相談する」ことも検討しましょう。

不労所得の税金対策を詳しく知りたい場合は専門家に相談の検討を

今回は不労所得の基礎知識や種類、メリットやデメリットなどを紹介してきました。会社に属していない分、個人で不労所得に対する控除手続きや確定申告を行わなければなりません。「控除手続きをしていない」「確定申告をしていない」このような場合、経費計上できずに税金を多く納めてしまったり、脱税行為とみなされてしまったり、「知らなかった」では許されないケースもあります。不労所得の税金対策を詳しく知りたいという方は専門家に相談することを検討してみてください。

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