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会社設立の基礎知識

個人事業主が経費計上できる項目と事例、経費の落とし方を徹底解説!

更新日:2024.3.17

個人事業主が事業を行う上で、節税を考えた時に必ず知っておきたいのが経費計上です。今回は、個人事業主が経費計上をするメリットの概要や経費の出所・落とすか判断基準など、知っておきたい基礎知識を詳しくお伝えしていきます。

個人事業主とは

個人事業主とは、法人を設立しないで個人単位で事業を行っている事業主を意味しています。原則、法人を開設することなく事業を行っている事業者は全て個人事業主です。そのネーミングから、一人だけで事業を行っている人のみを対象にしているように思われる方もいらっしゃるかと思いますが、家族で店舗経営を行っている場合でも個人事業主に該当します。

個人事業主とフリーランスの違い

「個人事業主」は税法の上での言葉となっています。個人が事業を行う場合には、開業届を税務署に提出し、継続的に事業を行うことの認可を得ます。一方、「フリーランス」は働き方を意味する言葉で、特定の会社・組織に属することなく仕事をする人を意味します。そのため、個人事業主という税法上の分類に、フリーランスも含まれていると理解するのが良いでしょう。

個人事業主の経費とは

個人事業主の経費とはそもそも何?

個人事業主の経費とは、個人で事業を行っていく上で必要となる費用のことを意味しています。たとえば、仕事で利用する備品・商品の仕入れ・水道光熱費などは経費です。個人事業にかかった経費は売上収益から差し引いて計上することができるので、たとえ少額の経費だったとしても漏らさずに計上して節税対策を行っていくことが重要です。

なお、個人事業主の経費はあくまでも売上収益の中から算出します。そのため、経費を多く計上する=それだけ売上収益は下がるという認識は必要となります。

経費計上の上限は特にないが事業に関する出費のみ計上できる

個人事業主が計上できる経費には、原則として上限はありません。ただし、経費計上できるのは事業に関する出費のみで、売上に比べて高すぎる交通費や接待交際費などを計上していると、税務署から指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。あくまでも、経費計上に妥当性があるか、事業に必要なものかを判断して申請することが重要だと言えます。

経費計上する場合は支払い証明可能な書類が必要

経費計上を行う場合は、支払い証明が可能な書類を用意する必要があります。具体的には、領収書及びレシートが挙げられます。その他出入金履歴のある通帳写しやATMなどの振込明細書、クレジットカード利用額明細書はもちろんのこと、支払い通知書や請求書、納品書も経費計上で代用できる場合があります。

経費計上する場合は確定申告が必要

個人事業主が経費計上を行う場合は、必ず確定申告をしなければなりません。また、確定申告では1年間でかかった経費を計算し、売上収益も算出して、自分で税金の申告を行う必要があります。確定申告には、税制上の優遇措置はないものの手続きが簡単な「白色申告」と、最大65万円控除の優遇措置がある「青色申告」があり、節税上のメリットを享受したい場合は青色申告がおすすめです。

個人事業主が経費計上を行うメリット

個人事業主が経費計上を行うメリットとしては、税金を安く抑えることができる節税対策の面が挙げられます。個人事業主は、売上収益から経費を引いた分が事業所得として算出され、そこに所得税がかかることになります。つまり、様々な経費を計上することで売上収益が圧縮され、そのぶん所得税が安くなるのです。支払う税金が少なくなれば、それだけお金が残りやすくなり、経営も行いやすくなります。

個人事業主が経費計上を行うデメリット

個人事業主が経費計上を行うデメリットとしては、経費計上が多すぎると黒字収支で終わることができず、赤字となって銀行からの融資などを受けたい場合に不利に働く場合があることです。また、正当な経費であることが証明できない場合は脱税などを税務署から疑われるリスクもあります。

個人事業主が経費計上できる項目の事例

家賃

個人事業主が賃貸住宅を利用していて、仕事を自宅で行っている場合には家賃の一部を経費として計上することができます。ただし、家賃の全てを計上できるわけではなく、事業に必要となる分のみを按分することが可能です。また、按分を行う場合には青色申告が必須となります。

水道・光熱費

個人事業主が事務所で使用している水道・電気・ガスなどのインフラ費用も経費として計上することができます。自宅を事務所として利用している場合には、仕事で使っているスペースに応じて按分を行って経費計上します。按分するためには青色申告が必要となります。

租税公課

消費税・地方消費税・事業税・固定資産税などの様々な事業に関わる税金を経費として計上することができます。ただし、個人事業主にかかる所得税や住民税については経費計上できませんので把握しておきましょう。

仕入れ代

個人事業を営む上で必要となる商品を仕入れた費用については経費計上することができます。なお、経費にできる仕入れ金額は売上に対応している売上原価のことを指します。そのため、仕入れた商品が売れた場合に、その売上にかかった原価を経費として計上することが可能となります。仕入れた費用をそのまま全て経費にできるわけではないので注意しましょう。

消耗品費

仕事を行う上で利用する各種機材・備品・消耗品などを経費計上することができます。オフィスの備品・パソコン機器関連・スマートフォンなど多くの物品を経費計上することが可能ですが、税込10万円以下のものが対象となります。ただし、使用期間が1年未満であれば経費計上はできます。

広告宣伝費

各種メディア・チラシ・新聞・SNSなどに載せる広告、ポスティング、求人広告など、様々な費用を広告宣伝費として経費計上できます。ただし、掲載された日から使用された経費として計上されるので、雑誌のように掲載まで時間がかかる媒体は注意が必要となります。

旅費・交通費

事業でかかった旅費や交通費も経費計上することが可能です。出張で利用したホテル代、移動で利用した新幹線代・飛行機代・タクシー代なども経費にできます。その都度、領収書をもらうように心がけてください。

車の購入費・維持費

事業で利用している車の購入費や維持費を経費計上することができます。プライベートの車を兼用で利用している場合には、事業で使用している分を経費にできます。ガソリン代や高速道路費用などの維持費についても経費計上可能です。ただし、車の購入費については全額をその年に経費計上できるわけではなく、耐用年数で分割する減価償却が適応されます。

通信費

電話代やインターネット費用、郵送費、ハガキ・切手代金などの通信費を経費にすることができます。自宅を事務所にしている場合には、仕事で利用している分を按分して経費計上します。

飲食代金(条件あり)

飲食代金を事業に関係するミーティングや会食で利用したことを説明することができる場合は、条件付きで経費として認められるケースがあります。しかし、プライベートでの飲み会での飲食代、営業先に向かう途中に一人で食事をした代金などは経費としては認められません。

慶弔金

取引先に結婚式に呼ばれた場合のご祝儀、不幸があった場合の香典なども経費計上することが可能です。このケースでは領収書がもらえないため、出金伝票に記載の上、招待状などを合わせて保存しましょう。また、多額の慶弔金は経費として認められない場合があります。

事業に関連する団体年会費

同業者組合や商工会議所の年会費、国民健康保険組合への加入費など、事業に関連する団体年会費については、租税公課の一種として経費計上することが可能です。

個人事業主が経費計上できない項目の事例

個人事業主自身の給料

個人事業主自身の給料は経費計上することができません。ただし、他の従業員への給料や、外注先への対応費用などについては経費にすることが可能です。

家族・親族への支払い

個人事業主と生計を共にする家族や親族に、事業の手伝いへの対価の名目で支払った給料については、原則として経費にすることができません。ただし、給料を支払う相手が1年の半分以上の手伝いをしている場合や、青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出している場合は、家族や親族への支払いを経費計上することが可能となります。

個人事業主自身の税金

個人事業主自身が支払わなければならない所得税・住民税などの税金については、経費計上することができません。ただし、事業に関係する税金に関しては経費として計上することは可能です。

プライベートな出費

個人事業主が個人的に出費した費用については、経費計上することはできません。自宅を事務所にしている場合などは、プライベートな出費と事業の出費の線引きが曖昧になることが多いため、判断に迷った場合は専門家に相談も検討しましょう。

10万円以上のもの

取得金額が10万円以上かかるものは、経費ではなく固定資産として計上する必要があります。建物・各種電気機器・車両などの高額な費用がかかるものが該当しやすく、これらは法廷耐用年数に則って決算期に減価償却費として計上を行います。

福利厚生費

法人の場合は、従業員の福利厚生費を経費にできますが、個人事業主は経費計上できません。福利厚生費は従業員の労働環境改善・従業員の生活向上の目的で使われる必要であるため、自身を従業員とは言えない個人事業主には適応されません。

健康診断費

個人事業主の健康診断は、法律では義務付けられておらず、任意での受診となります。そのため、健康診断や人間ドックの費用については自費での対応となる点に注意しましょう。一方、法人の場合は労働安全衛生法で従業員に対する健康診断を受けさせることを義務付けられているので、健康診断費も経費計上できます。

個人事業主が経費計上で節税効果を高める方法

青色申告を実施

個人事業主が経費計上したい場合は、確定申告が必要となります。その際に、青色申告と白色申告のいずれかを選ぶ必要が出てきますが、節税対策となるのは青色申告です。青色申告を選ぶと最大65万円の特別控除を受けることができ、減価償却する際にも特例が適応されるメリットがあります。

ただし、青色申告を選びたい場合には、所得税の青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出し、確定申告の時期までに多くの必要書類を準備して対応する必要が出てきます。そのため、個人で対応するのが難しい場合には、税理士などの専門家への相談・代行依頼も検討した方が良いでしょう。

必要経費を多く計上

事業に関わる必要経費をなるべく多く計上することにより、売上収益を圧縮することができます。それによって、所得を低く抑え、結果的に所得税の支払い金額を下げる節税効果を期待することが可能です。

ただし、不自然に多くの必要経費を計上すると税務署から脱税を疑われて税務調査が入るリスクがあります。万が一、そのように疑われたとしてもきちんと証明ができるように、丁寧な記帳・領収書の保管を徹底しておきましょう。

また、節税効果を高めたいからといって必要経費を意識しすぎて出費が増えてしまうと、売上収支が赤字となってしまい、融資の際に不利に働く場合もあるので注意が必要です。

減価償却特例を利用

中小企業や個人事業主は、特定条件を満たして青色申告決算書の必要事項を記入することにより、少額減価償却資産の特例を活用することができます。

この特例を利用すれば、10万円以上30万円未満の減価償却資産を取得した場合、一括で経費計上を行うことができるため、節税効果を期待することが可能です。

条件については、青色申告を行っている、資産の購入額が30万年未満である、資産の年度内の合計が300万円未満である、といったものになっています。

個人事業主が効率的に経費計上する際は専門家に相談を検討

今回は、個人事業主が経費計上をするメリットとは何か、経費はどこから出る・落とすのかなど、知っておきたい基礎知識を詳しく紹介してまいりました。個人事業主が効率的に経費計上を行いたい場合は、税理士などの専門家に相談・代行依頼も検討し、より良い節税を実施していきましょう。

この記事の監修者

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今野 靖丈

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