「税金で一番得する年収はいくらか」といった疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。今回は、税率・世帯環境などの観点から税金で一番得する年収はいくらなのか、2023年最新情報をお伝えしていきます。
目次
年収別の手取り金額はどれくらい?
年収別手取り金額一覧表の条件
ここでは、年収に応じた手取り金額と、差し引かれる社会保険料・所得税・住民税がどれくらいかかるのかを表示にしてまとめました。
・独身で扶養する子供はなし
・給与所得控除、社会保険控除、基礎控除のみを考慮する
・企業で働いている社員で所得は給与所得のみとする
上記の条件の数値がどうなるかを参考までに一覧化しています。
表を見ていただければわかる通り、年収と手取りの間には大きな差が見られます。たとえ年収1,000万円でも、実際に手元に残るのは700万円程度になるのがおわかりいただけるでしょう。
そのため、どれくらいの年収が税金で一番得するのかは知っておきたいところです。
年収100万〜390万までの手取り金額一覧
年収 | 手取り | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 |
100万 | 83万 | 16万 | 0 | 0.5万 |
110万 | 93万 | 16万 | 0 | 0.5万 |
120万 | 101万 | 18万 | 0 | 0.9万 |
130万 | 108万 | 20万 | 0.4万 | 1.4万 |
140万 | 115万 | 22万 | 0.8万 | 2.3万 |
150万 | 123万 | 23万 | 1.2万 | 3.1万 |
160万 | 129万 | 25万 | 1.6万 | 4万 |
170万 | 138万 | 26万 | 1.9万 | 4.5万 |
180万 | 146万 | 27万 | 2.2万 | 5万 |
190万 | 153万 | 29万 | 2.4万 | 5.5万 |
200万 | 160万 | 31万 | 2.7万 | 6万 |
210万 | 169万 | 32万 | 3万 | 6万 |
220万 | 177万 | 32万 | 3.3万 | 7.3万 |
230万 | 184万 | 35万 | 3.6万 | 7.8万 |
240万 | 191万 | 37万 | 3.8万 | 8.3万 |
250万 | 200万 | 37万 | 4.2万 | 9万 |
260万 | 206万 | 40万 | 4.4万 | 9.3万 |
270万 | 215万 | 40万 | 4.7万 | 10万 |
280万 | 221万 | 44万 | 4.9万 | 10万 |
290万 | 230万 | 44万 | 5.3万 | 11万 |
300万 | 236万 | 48万 | 5.4万 | 11万 |
310万 | 244万 | 48万 | 5.8万 | 12万 |
320万 | 253万 | 48万 | 6.1万 | 13万 |
330万 | 260万 | 51万 | 6.3万 | 13万 |
340万 | 268万 | 51万 | 6.7万 | 14万 |
350万 | 274万 | 55万 | 6.8万 | 14万 |
360万 | 283万 | 55万 | 7.2万 | 15万 |
370万 | 291万 | 55万 | 7.6万 | 16万 |
380万 | 297万 | 59万 | 7.8万 | 16万 |
390万 | 306万 | 59万 | 8.2万 | 17万 |
年収400万〜690万までの手取り金額一覧
年収 | 手取り | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 |
400万 | 312万 | 62万 | 8.5万 | 17万 |
410万 | 322万 | 62万 | 8.5万 | 17万 |
420万 | 326万 | 66万 | 9.0万 | 19万 |
430万 | 335万 | 66万 | 9.5万 | 19万 |
440万 | 344万 | 66万 | 9.9万 | 20万 |
450万 | 349万 | 70万 | 10万 | 21万 |
460万 | 358万 | 70万 | 11万 | 21万 |
470万 | 366万 | 70万 | 12万 | 22万 |
480万 | 371万 | 75万 | 12万 | 22万 |
490万 | 379万 | 75万 | 13万 | 23万 |
500万 | 387万 | 75万 | 14万 | 24万 |
510万 | 391万 | 81万 | 14万 | 24万 |
520万 | 399万 | 81万 | 15万 | 25万 |
530万 | 407万 | 81万 | 16万 | 26万 |
540万 | 415万 | 81万 | 17万 | 27万 |
550万 | 420万 | 86万 | 17万 | 27万 |
560万 | 428万 | 86万 | 18万 | 28万 |
570万 | 437万 | 86万 | 18万 | 29万 |
580万 | 446万 | 86万 | 19万 | 29万 |
590万 | 449万 | 92万 | 19万 | 30万 |
600万 | 458万 | 92万 | 20万 | 30万 |
610万 | 466万 | 92万 | 21万 | 31万 |
620万 | 471万 | 97万 | 21万 | 31万 |
630万 | 479万 | 97万 | 22万 | 32万 |
640万 | 487万 | 97万 | 23万 | 33万 |
650万 | 495万 | 97万 | 24万 | 34万 |
660万 | 499万 | 103万 | 24万 | 34万 |
670万 | 506万 | 103万 | 26万 | 35万 |
680万 | 513万 | 103万 | 28万 | 36万 |
690万 | 517万 | 108万 | 29万 | 36万 |
年収700万〜990万までの手取り金額一覧
年収 | 手取り | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 |
700万 | 524万 | 108万 | 31万 | 37万 |
710万 | 532万 | 108万 | 32万 | 38万 |
720万 | 539万 | 108万 | 34万 | 39万 |
730万 | 542万 | 114万 | 35万 | 39万 |
740万 | 549万 | 114万 | 37万 | 40万 |
750万 | 556万 | 114万 | 39万 | 41万 |
760万 | 563万 | 114万 | 41万 | 42万 |
770万 | 569万 | 116万 | 42万 | 43万 |
780万 | 576万 | 116万 | 44万 | 44万 |
790万 | 584万 | 116万 | 46万 | 44万 |
800万 | 590万 | 118万 | 47万 | 45万 |
810万 | 597万 | 118万 | 49万 | 46万 |
820万 | 604万 | 118万 | 51万 | 47万 |
830万 | 611万 | 118万 | 53万 | 48万 |
840万 | 617万 | 120万 | 54万 | 49万 |
850万 | 625万 | 120万 | 56万 | 49万 |
860万 | 632万 | 120万 | 58万 | 50万 |
870万 | 639万 | 120万 | 60万 | 51万 |
880万 | 644万 | 123万 | 61万 | 52万 |
890万 | 651万 | 123万 | 63万 | 53万 |
900万 | 658万 | 123万 | 65万 | 54万 |
910万 | 664万 | 123万 | 67万 | 55万 |
920万 | 672万 | 123万 | 69万 | 56万 |
930万 | 676万 | 126万 | 71万 | 57万 |
940万 | 683万 | 126万 | 73万 | 58万 |
950万 | 690万 | 123万 | 75万 | 58万 |
960万 | 697万 | 123万 | 77万 | 59万 |
970万 | 704万 | 123万 | 79万 | 60万 |
980万 | 708万 | 126万 | 81万 | 61万 |
990万 | 715万 | 126万 | 83万 | 62万 |
年収1,000万〜2,000万までの手取り金額一覧
年収 | 手取り | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 |
1,000万 | 722万 | 129万 | 85万 | 64万 |
1,050万 | 753万 | 133万 | 95万 | 69万 |
1,100万 | 787万 | 136万 | 104万 | 73万 |
1,150万 | 819万 | 138万 | 115万 | 78万 |
1,200万 | 852万 | 140万 | 126万 | 82万 |
1,250万 | 881万 | 144万 | 138万 | 87万 |
1,300万 | 911万 | 148万 | 149万 | 92万 |
1,350万 | 937万 | 151万 | 165万 | 97万 |
1,400万 | 965万 | 153万 | 181万 | 101万 |
1,450万 | 990万 | 157万 | 197万 | 106万 |
1,500万 | 1,017万 | 161万 | 212万 | 110万 |
1,550万 | 1,042万 | 164万 | 229万 | 115万 |
1,600万 | 1,070万 | 166万 | 245万 | 119万 |
1,650万 | 1,097万 | 168万 | 261万 | 124万 |
1,700万 | 1,124万 | 170万 | 277万 | 129万 |
1,750万 | 1,152万 | 170万 | 294万 | 134万 |
1,800万 | 1,181万 | 170万 | 310万 | 139万 |
1,850万 | 1,208万 | 171万 | 327万 | 144万 |
1,900万 | 1,236万 | 171万 | 344万 | 149万 |
1,950万 | 1,264万 | 171万 | 361万 | 154万 |
2,000万 | 1,292万 | 171万 | 378万 | 159万 |
年収が増えることで発生するデメリットとは
所得税が増える
所得税には累進課税制度が導入されており、以下の通り7段階の税率が用意されています。特に独身の場合は利用できる控除や手当も少ないため、年収が増えるほど税収は上がり、コストパフォーマンスは下がる傾向があります。
また、税率が高くなる境目にいる場合には特に注意が必要で、わずか数万円の年収アップで税率が10%以上も上がる懸念もあるのです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
基礎控除が使えない
年間の所得が2,400万円以下であれば、48万円の基礎控除が適応されますが、2,400万円を超えると基礎控除は減額されていき、年収2,500万円以上は基礎控除の対象からそもそも外れてしまいます。
公的支援の対象外になる
国から提供されている公的支援も、年収が上がると対象外となる場合があります。
例えば、高校生の子供がいる家庭では国から高等学校等就学支援金が支給されます。その他、住宅購入の際には最大50万円が支給されるすまい給付金などもあります。
ただし、年収が一定額以上になるとこれらの公的支援も受けられなくなり、年間の手取りが減ってしまう可能性があるのです。
児童手当が受けられない
子供がいる世帯には児童手当が支給されます。例えば、0歳〜3歳未満で月15,000円、3歳〜小学校6年生には月10,000円、第3子以降は月15,000円、中学生には月10,000円が支給される制度があります。
しかし、夫婦どちらかの年収960万円を超えてしまうと、児童手当は受けられなくなります。
住宅ローン控除が使えない
新築戸建てを建てたり、増改築を行ったりする場合は住宅ローン控除を受けることができます。一般住宅であれば年間最大40万円の控除となり、最長10年間はローン残高の1%が住民税及び所得税から控除されます。
しかし、年収3,000万円以上になると住宅ローン控除はそもそも利用できなくなります。
給与所得の控除割合が下がってしまう
給与所得者には給与所得控除が用意されており、年間所得から一定金額を差し引いた部分が課税対象になる仕組みがあります。
しかし、年収850万円以上の控除額は195万円に固定されてしまうので、年収が上がるほど給与所得控除のメリットを享受できなくなってしまいます。
税金で一番得する年収はいくら?
税金で一番得する年収は?
結論として、税率で一番負担が少なくなるのは600万円~700万円程度の年収だと言えます。この年収のレンジであれば、税率は20%と23%になっていますが、ほとんど変わりません。
税金の負担を最大まで減らしたい場合は195万円以下の年収が負担が少ないと考えることもできますが、収入が少ないとそれだけ生活も厳しくなるため現実的ではないでしょう。
そのため、一番得する年収として目指すべき基準は600万円~700万円程度だと覚えておいてください。
100万円〜300万円の年収の場合
100万円〜300万円の年収では税率が5%から10%ほどになります。税率5%は195万円以下となるため、それ以上の収入がある場合は10%の税金がかかります。200万円〜300万円の年収をもらっている方は、195万円の境目から税率が上がることを覚えておきましょう。
400万円〜700万円の年収の場合
400万円〜700万円の年収のレンジでは、年収330万円〜695万円までは税率20%となり、695万円以上から23%となります。先ほどもお伝えした通り、600万円台〜700万円台の境目を超えても税率は3%しか変わらないため、税金が一番お得な年収の境目であると言えます。
1,000万円〜の年収の場合
年収900万円を超えて1,000万円以上になると、税率は33%にぐんとアップします。年収2,000万円になると税率は40%、年収4,000万円では税率は45%になるので、収入の半分程度が税金の支払いに消えてしまいます。
そのため、年収1,000万円を超えると税金の負担は随時大きくなることを覚えておきましょう。もちろん、手元に残るお金も増えていきますので、生活にはゆとりが出るのは間違いありませんが、税金が一番お得な年収が年収1,000万円以上ではないことは把握しておいてください。
独身世帯が税金で一番得する年収はいくら?
独身世帯が税金で一番得する年収は、年収700万円が損得の境目だと言えるでしょう。
詳細を見ていくと、年収694万9,000円までの税率は20%、年収695万円以上の税率は23%となり、わずか3%の違いしかありません。
そのため、独身世帯は年収695万円程度を目指して収入増加を考えていくと良いでしょう。独身世帯は、扶養家族や配偶者がいる世帯と比べると公的支援が少ないので、所得税や住民税を抑えられれば税金的にお得な年収となります。
共働き世帯(子ども無し)が税金で一番得する年収はいくら?
共働き世帯の場合、年収が900万円を超えると所得税率は33%となるため、年収の3割以上が税金の支払いとなってしまう恐れがあります。
配偶者の年収が103万円以下であれば38万円の配偶者控除を利用できるので、世帯収入を夫婦で半分ずつ稼ぐよりも、どちらかの収入を抑えた方が税金的に負担が少なくなると言えます。
このような年収の損得の分岐点は年収330万円未満または700万円程度までと言えますが、生活を考えて現実的な年収は700万円をやや下回るくらいが、共働き世帯の年収として理想的だと言えるでしょう。
夫稼働・専業主婦・子供2名が税金で一番得する年収はいくら?
夫が仕事をして、専業主婦と子ども2名がいる世帯では、公的支援や各種控除をフル活用できる年収に収めるのが最も理想的だと言えます。
年収600万円は、専業主婦を配偶者控除・扶養控除の対象にすることができる上、児童手当の所得制限もかからないレンジとなります。そのため、夫が仕事をして専業主婦と子ども2名を養う場合は600万円が税金で一番得する年収だと言えるでしょう。
税金を抑えるために知っておきたい節税方法
生命保険・医療保険などによる所得控除
生命保険・医療保険などに加入することで、所得控除を受けて所得税を抑えることができます。会社員は年末調整・個人事業主は確定申告の手続きを行うことで、節税効果を期待することが可能です。
生命保険・医療保険による所得控除は、一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険の3つが対象となります。これらの保険への加入を考えていた方は、控除も考えて契約すると良いでしょう。
医療費控除
年間の医療費が一定金額を超える場合には医療費控除を利用することができます。医療費控除は、医療費合計金額−保険金などの金額−10万円(または合計所得の5%)で計算することで算出できます。10万円または合計所得の5%は、いずれか少ない方を適用します。
最大で200万円までの控除が可能となりますので、医療費が大きかった年は節税対策として忘れずに控除を利用しましょう。
iDeCo
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、毎月5,000円から積み立てを行うことができ、掛金は控除対象となるので所得税・住民税を減額可能です。
運用利益にも優遇税制が適応され、所得税・住民税・復興特別所得税を合わせた20.315%の税金を非課税にすることが可能であるため、節税対策だけでなく資産形成にも向いています。退職金や公的年金への上乗せに検討すると良いでしょう。
NISA
NISAは2018年1月から始まった資産運用方法で、通常の投資でかかる20.315%の税金を払わなくて済み、節税効果が高いのがメリットです。
2024年からは新NISAとして非課税の年間投資枠や非課税保有限度額が引き上げられました。1年間の投資上限はつみたてNISAで120万円、成長投資枠で240万円となり、非課税保有限度額も1,800万円(成長投資枠の場合は1,200万円)で無期限になるなど、節税対策としてはますます利用価値が高まりました。
ただし、投資であることから元本割れのリスクがある点は知っておく必要があります。とはいえ、他の金融商品と比べると安全な部類だと言えます。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、自分の好きな団体に寄付することで、所得税・住民税の寄付控除を適用することができる制度です。ふるさと納税で寄付した2,000円以上の部分が寄付控除対象となります。
実質2,000円で、自分が好む地域の特産品などの返礼品を受け取ることができるため、人気の高い節税対策のひとつです。
税金で一番得する年収を詳しく知りたい場合は専門家に相談も検討
今回は、税率・世帯環境などの観点から税金で一番得する年収はいくらなのか、2023年最新情報をお伝えしてまいりました。税金で一番得する年収は、世帯の状況などによっても変わってくるため、詳しく知りたい場合は専門家に相談も検討すると良いでしょう。