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会社設立の基礎知識

年収1,000万円の手取り額・税金はいくら?1,000万円プレイヤーの税金対策を解説!

更新日:2024.3.15

「年収1,000万円」と聞くと、悠々自適な生活を送る富裕層のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、年収1,000万円を超えると税金の負担が増えるため、家計のやり繰りに苦労しているという家庭も少なくありません。そこで、今回は年収1,000万円の人はいくら税金がかかるのか、節税対策はどうすればいいのかといった点について、詳しく解説していきます。

年収1,000万円の人の割合

給与所得者で年収が1,000万円を超えている人は、実際にどれくらい存在しているのでしょうか。国税庁が公表している「令和2年分民間給与実態統計調査」では、5,245万人の給与所得者を対象に調査を行いました。その結果、年収が1,001~1,500万円以下の給与所得者は175万人で、全体の3.4%というかなり少ない割合になっています。

年収1,000万円を超えた場合は税金の負担が増加し、手取り額は700~800万円程度です。それでも平均的な収入より高いため、年収1,000万円を目標にする人は多いでしょう。

年収1,000万円の人が多い業種

年収が1000万円以上の人が多い代表的な職種は以下のとおりです。

  • 弁護士
  • 医師
  • 歯科医師
  • 大手商社に勤務
  • 外資系企業に勤務
  • パイロット
  • 起業家

これらの職種が高収入である理由としては「取得難易度の高い資格が必要」「人の生命に関わる仕事」「将来的にも有望な業界」などの共通点があります。これらの職種に就くことは困難と思われるかもしれませんが、自営業で年収1,000万円を達成することも可能です。また、自営業であれば家賃や光熱費などを経費として計上することで、税金の負担を抑えられる場合があります。

年収1,000万円の額面から引かれる税金の種類

所得税

収入の考え方として「年収」と「手取り」がありますが、基本給や賞与などが合計された年収から、税金や保険料を差し引いた額が手取りです。年収から引かれる税金や保険料には、4つの種類があります。

まず、所得に対して課せられる「所得税」が挙げられます。所得税には累進課税制度が採用されており、所得額に応じて税率が変動することが特徴です。税率は、課税所得が195万円以下であれば5%、900~1,800万円であれば33%となり、最大で45%もの税率がかけられることになります。

住民税

住民税とは、1月1日の時点で住民票上の住所を置いている都道府県・市町村に対して納める税金です。課税所得に対して10%が住民税として課税されることに加えて、均等割の5,000円が加算されます。所得に対する住民税の税率は、市町村が6%、都道府県が4%という税率です。

雇用保険料

雇用保険料に一定期間加入した場合、失業時に失業手当を受け取ることが可能です。雇用保険料は事業内容に異なりますが、一般的には「賃金×0.3%」が労働者の負担部分とされています。なお、算出の根拠となる賃金には通勤手当なども含まれることに注意しましょう。

社会保険料

社会保険料とは、健康保険料と厚生年金保険料を合わせた費用のことです。健康保険の加入および利用には健康保険料を支払う必要があり、支払いは勤務先企業と従業員が分割して負担します。また、厚生年金保険料も同様に分担して負担することが特徴です。これら社会保険料は、給与の約15%の割合を占めています。

会社員で年収1,000万円の税金・手取りの内訳はいくら?

会社員で年収1000万円の場合、実際にどれくらいの税金が必要で、手取りはいくらくらいになるのでしょうか。年収1000万円の手取りをシミュレーションした結果、概算は以下のとおりです。

項目

金額

年収

1,000万円

所得税

84万5,900円

住民税

64万6,700円

健康保険料(介護保険料を含まない40歳未満の場合)

48万8,532円(令和4年、協会けんぽ、標準報酬83万円として計算した場合)

厚生年金

71万3,700円

手取りの概算

収入-(所得税+住民税+健康保険料+厚生年金)

730万5,168円

なお、これらの金額はあくまで概算であり、上記のほかに支払う税金などがあれば金額は変動します。

個人事業主で年収1,000万円の税金・手取りの内訳はいくら?

先程のシミュレーションは会社員で年収1,000万円の場合でしたが、個人事業主で年収1,000万円の場合の税金や手取りの内訳はいくらになるのでしょうか。年間の経費を300万円と仮定した場合のシミュレーションは以下のとおりです。

項目

金額

年間収入

1000万円

所得税(青色申告特別控除が65万円ある場合)

57万5,129円

住民税

50万5,400円

消費税

70万円

国民健康保険料(介護保険料を含まない40歳未満の場合)

71万6,576円

国民年金

19万9,080円

個人事業税(5%の業種である場合)

20万5,000円

事業にかかる経費 ※1

300万円

手取り額の概算

収入-(所得税+住民税+消費税+健康保険料+国民年金+個人事業税)

709万8,815円

※1 経費を支出として計算する場合、手取りは409万8,815円。

会社員で年収1,000万円の場合と違い、個人事業主は消費税や個人事業税の負担が多くなっているため、会社員の場合よりも手取り額は少なくなっています。

年収1,000万円の人の生活レベル

娯楽の余裕

「年収1,000万円」と聞くと、悠々自適に生活できるイメージを持っている方も多いかもしれませんが、手取りは700万円程度となります。そのため、月の娯楽費は3~10万円前後であることが多いようです。それなりに余裕を持って楽しむことは可能ですが、家庭を持っている場合には頻繁に外食やパーティーに出席することは難しいかもしれません。

また、年収1,000万円であれば高級車を購入することも可能ですが、車両価格は年収の半額程度が目安とされています。また、ガソリン代や駐車場代といった維持費の負担も大きいため、無計画な支出は厳しいといえるでしょう。

家賃及び住宅ローンの支払い状況

一般的に、家賃の目安は年収の20~25%といわれています。この目安でいうと、年収1000万円の場合の家賃は月16~20万円を上限とすることが妥当です。都心のタワーマンションなどは難しいかもしれませんが、条件の良い物件に住むことはできるでしょう。

また、年収が1000万円あれば、住宅ローンを5000万円程度まで組めるといわれています。これだけの借り入れが可能であれば、都心で生活することも可能といえるでしょう。

教育費の内情

年収1,000万円で子どもがいる家庭の場合、教育に熱心な方が多いため必要以上に教育費をかけてしまうケースがあります。「義務教育の段階から私学へ通わせたい」と考える方も多いですが、学費や塾代、そのほかに必要な習い事の月謝など、想像以上に教育費は必要です。そのため、教育費の負担が大きくなりすぎたことによる「教育費破産」へと追い込まれるケースが後を絶ちません。年収1000万円付近の方が陥りやすい落とし穴ともいわれているため、慎重に資金計画を検討しましょう。

年収1,000万円の人が制限される公的サービスの例

保育料

年収が1,000万円を超えると、一定の公的サービスが制限されるなどのデメリットもあります。具体例として挙げられるのが、保育園の利用にかかる「保育料」です。保育園は、国からの認可を受けている認可保育園と、認可を受けてない認可外保育園に分類されます。そのなかでも、基本的に認可保育園は所得に応じて保育料が定められています。例えば、東京都世田谷区の保育料は以下のとおりです。

所得

保育料

課税所得が0円

無料

世帯年収500万円

約2万3,000円

世帯年収1,000万円

約5万2,000円

世帯年収1,800万円以上

約7万9,000円

このように、世帯年収500万円と1,000万円の家庭では、月額の保育料に約2万9,000円の差があり、年間で34万8,000円もの差があります。

一方で、認可外保育園の場合は保育料が一律とされている場合が多いため、年収1,000万円を超える方は認可外保育園を選択したほうがお得になる場合もあるでしょう。

児童手当

年収1000万円の人が制限を受ける公的サービスの例として、児童手当も挙げられます。児童手当とは、義務教育を卒業するまでの子どもがいる世帯を対象に、給付金が支給される制度です。児童手当は、通常であれば3歳未満の子どもで月額1万5,000円、3歳~中学生の子どもに対しては月額1万円が支給されます。

しかし、世帯年収が約960万円の場合は月額5,000円に減額され、世帯年収が約1,200万円になると児童手当が受けられなくなります。もし、児童手当を満額受給できた場合には子ども一人当たり198万円を受け取ることができますが、世帯年収が約1,200万円の場合は児童手当を受け取れなくなってしまうのです。

子どもが複数人いた場合にはさらに差が広がるため、かなり大きな制限といえるでしょう。なお、児童手当は子どもの人数や控除額によっても変わるため、自身の場合はどうなるのか確認しておきましょう。

年収1,000万円の人がやるべき節税対策

新NISA

年収1,000万円の人が出費を抑えながら可処分所得を増やすためには、資産運用や節税対策への取り組みが重要です。ここでは、初心者の方でも始めやすい資産運用をご紹介していきます。

まず、年収1,000万円の人がやるべき節税対策として、まずは新NISAをおすすめします。投資によって得られた利益について一定額までは非課税になるという制度です。
2024年に新NISAになってからさらに年間投資枠が増え、つみたてNISAで120万円、成長投資枠は180万円までは非課税となりました。
非課税保有限度額も1,800万円(成長投資枠は1,200万円)と増え、保有期限も無期限となるなど、ますます節税効果が高くなりました。

もちろん、元本割れや選択できる金融商品に制限があるという注意点もありますが、初心者の方でも比較的取り組みやすい資産運用の手段です。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自ら申し込んで掛け金の拠出・運用を行う私的年金制度のことを指します。受給できるのは60歳になってからですが、掛け金と運用益の両方を受け取ることが可能です。また、iDeCoへの掛け金は全額が所得控除の対象となるほか、運用益が非課税というメリットがあります。運用中の手数料は発生してしまいますが、所得税や住民税の節税につながるため、申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。

各種資産運用

資産運用とは、自身が所有しているお金を預貯金や株式といった金融商品として運用していくことで、効率的に資産を増やしていくための方法のことです。運用に成功すれば大きく資産を増やすことができますが、逆に元本割れを起こしてしまうリスクもあるため、仕組みをしっかりと把握したうえで取り組むことが重要です。

資産運用にはさまざまな種類がありますが、代表的な例は以下のとおりとなっています。

  • 円預金
  • 外貨預金
  • 保険
  • 投資信託
  • 株式
  • 債権
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)

それぞれの特性を把握し、自身の目的や資産に合った方法を選択するようにしましょう。

青色事業専従者給与及び専従者控除(個人事業主)

個人事業主の確定申告方法には「白色申告」と「青色申告」がありますが、青色申告を行っている方は「青色事業専従者給与の特例」を利用することが可能です。この専従者給与とは、生計を同一にしている親族が事業に従事しており、その親族に支払う給与のことを指します。

事業専従者が配偶者の場合は86万円、配偶者以外の親族の場合は50万円を控除することができ、節税につながります。ただし、事業専従者と認められるためには一定の要件を満たす必要があるため、事前に確認しておきましょう。

小規模企業共済(個人事業主)

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模事業者が自身で積み立てを行う退職金制度のことです。小規模企業共済に加入している場合、廃業や退職をした際に退職金を受け取ることができます。また、掛け金は月額1,000~7万円までの範囲で設定することができ、その全額を所得から控除することが可能です。

基本的には元本を上回る退職金を受け取ることが可能ですが、加入して20年未満の間に任意解約を行った場合、元本割れを起こしてしまうため注意しましょう。

生命保険料控除(個人事業主)

生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払っている場合、年間で最大12万円まで所得から控除することが可能です。ただし、これらの保険料のすべてが控除対象になるわけではなく、対象として定められた保険商品のみ控除されます。これから生命保険などに加入したいと考えている方は、所得控除の対象になるのか確認しておきましょう。

年収1,000万円を超えて税金・節税対策に不安がある場合は専門家に相談を検討

今回は、年収1000万円の人はいくら税金がかかるのか、損をしないための節税対策なども踏まえてご紹介してきました。年収1000万円もあれば余裕を持った生活ができると思われるかもしれませんが、税金の負担が大きくなったり、受けられる公的サービスに制限があったりするため、意外と贅沢な暮らしはできません。しかし、資産運用などにもしっかり取り組むことで節税できれば、余裕を持った生活ができるでしょう。年収1000万円を超えたことで税金や節税対策について詳しく知りたいという方は、専門家への相談も検討してみてください。

この記事の監修者

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今野 靖丈

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