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会社設立の基礎知識

税務署のお尋ねの確率とは?いつ来るのか・時期や内容・無視した場合のリスクなどについて解説!

更新日:2023.2.27

税務署からの「お尋ね」とは

そもそも税務署の「お尋ね」とは何か?

税務署からの「お尋ね」とは、確定申告の内容について確認するために税務署から問い合わせがくることを指します。税務署からのお尋ねは電話や書面で行われることが多く、質問に対してしっかりと回答すれば問題ありません。対象となりやすいのは、確定申告の内容に税務署が疑問を抱いた場合や、直近で不動産の購入や建築を行った方となっています。

税務署からのお尋ねと「税務調査」を混同される場合がありますが、お尋ねは税務調査と違って質問に回答する法的義務はありません。また、お尋ねの場合は税務署の職員が自宅や事務所を直接訪問し、帳簿類などの確認を行うこともないといった違いがあります。

しかし、虚偽の回答をした場合や、正当な理由なく回答をしなかった場合、税務署から不信感を抱かれる可能性があります。税務署からのお尋ねがあった場合には、しっかりと対応することが望ましいといえるでしょう。

2013年ごろから税務署の「お尋ね」活発化

税務署の「お尋ね」は、2013年ごろから東京都国税局によって活発に行われるようになりました。税務署のお尋ねが活発化した背景としては、不動産投資などを行う富裕層や無申告層において、本来課税されるべき所得が申告されていなかったり、そもそも課税されていなかったりするという問題があります。

日本では申告課税制度が採用されているため、基本的には納税者自身が所得額を計算し、申告した内容にもとづいて課税されます。そのため、納税者の知識不足などの理由によって、本来であれば必要経費に含まれない費用まで計上され、正しい額を課税することができていないという状況が続いていたのです。

そこで、納税者の所得を正確に把握するために、税務署のお尋ねが積極的に実施されることとなりました。なお、確定申告の必要経費には固定資産税・減価償却費・損害保険料などが含まれますが、税務署のお尋ねではこれらの経費の具体的な内訳を確認されることになります。

税務署からの「お尋ね」はいつ来る?

税務調査の頻度

税務調査は、大企業に対してのみ行われるというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、税務調査はすべての事業者を対象に行われるものであり、中小企業や個人事業主も税務調査の対象です。確定申告の方法も関係なく、白色申告と青色申告のどちらの方法で申告したとしても税務調査の対象になり得ます。

気になる税務調査の頻度ですが、法人の場合は10年に一度のペースで実施されることが一般的です。ただし、過去に不正をした履歴がある場合や、事業内容によっては3~5年の頻度で実施される場合もあります。

相続税の税務調査の頻度

相続財産の額によっては相続税を申告する必要がありますが、相続税の申告後に税務調査が実施される場合があります。相続税の税務調査は申告してから1~2年後に実施されるケースが多く、追加で相続税の納付を求められる場合もあるため注意が必要です。

相続税の税務調査が行われる確率は約9%

国税庁が公表した「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」を参照すると、相続税の税務調査が行われた件数は12,463件でした。平成30事務年度において、相続税の税務調査が実施された確率は約9%という結果となり、相続税を申告した方のうち約11人に1人の確率で税務調査の対象になるという計算になります。

税務署からの「お尋ね」が来る概ねの周期

売上が2億円程度の標準的な会社であれば、税務署からの「お尋ね」が実施される確率は概ね5年の周期とされています。また、年間の収入が1,000万円程度の個人事業主であれば、事業をスタートしてから廃業するまでに一度あるかどうかといった確率です。

ただし、これらの周期はあくまでも目安であり、申告内容や不正履歴の有無などによって大きく変わります。適正な申告を毎年行えるよう、専門家の力を借りることも検討していきましょう。

税務署からの「お尋ね」が来やすいケースとは

高額の金融資産を相続した場合

税務署からの「お尋ね」の対象になりやすいケースとして、土地や建物などの不動産よりも、預貯金や有価証券などの高額な金融資産を相続した場合が挙げられます。国税庁が実施した「令和2事務年度における相続税の調査等の状況」を参照すると、預貯金など現金についての申告漏れは529億円にものぼり、全体の約30%を占めているのです。さらに、株式などの有価証券まで含めた場合、全体の半分程度の割合を占めることになります。

高額な金融資産を相続した方は、税務署のお尋ねの対象となる可能性が高いため注意しましょう。

無申告状態の場合

多額の財産を有しているにも関わらず確定申告を行わなかった場合は当然ですが、「財産額を正確に把握しておらず、結果的に無申告となってしまった」というケースにも注意が必要です。国税庁の方針として、無申告は「税の公平性を著しく損なう行為」とされているため、無申告者に対しては厳しい調査が行われています。

令和2事務年度の税務調査では、大口無申告者の疑いがある方を優先的に調査した結果、1件当たりの追徴課税額が943万円にものぼり、過去10年間で最も高い金額となりました。今後も無申告と疑われる方に対する厳しい調査が続くと予想されるため、不安な場合は専門家への相談をおすすめします。

税理士に依頼せずに自分で申告を行っていた場合

税務署への申告は自分で行うこともできるため、必ずしも税理士などの専門家に依頼する必要はありません。税理士に依頼すれば自ら申告する手間は省けますが、報酬を支払う必要があるため自分で申告書の作成を行っているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、税務に関する知識は複雑であり、自分で申告書を作成した場合にはミスが発生してしまう可能性があります。その結果、税務署からの「お尋ね」の対象となったり、追徴課税の対象となったりするリスクがあるのも事実です。「できる限り出費を抑えたい」と考えるのは当然のことですが、税務署から指摘を受けないか不安という方は、税理士への依頼も検討してみてはいかがでしょうか。

税務署からの「お尋ね」で聞かれやすいポイント

必要経費の内訳と内容

税務署からの「お尋ね」ではさまざまな事柄について質問を受ける可能性がありますが、納税者によって確認される事柄は異なります。そのなかでも、税務署からのお尋ねで特に聞かれやすいポイントがいくつかありますので、ここで確認しておきましょう。

まず、「必要経費の内訳と内容」が挙げられます。収入から必要経費を控除した額が所得となるため、必要経費が多ければ多いほど課税価格は低くなるという仕組みです。そのため、この必要経費として何の費用を計上し、どのような内訳となっているのかを税務署は確認します。

不動産の購入

税務署からの「お尋ね」では、不動産の購入価格や購入先、仲介手数料などの諸費用に加えて、これらに要する資金をどのように調達したのかについても問われることが多くなっています。そのなかでも、不動産を購入するための資金調達方法については非常に細かく確認されるため注意が必要です。どの金融機関から融資を受けたのか、借入金にかかる利息はいくらかかるのか、それとも何か資産を売却したことによって得た資金なのか、税務署からの質問にしっかり対応できるよう準備しておきましょう。

不動産の利用状況

税務署からの「お尋ね」があった場合、所有している不動産の利用状況も確認されることが多い項目です。所有している不動産の購入時期や所在地、家賃や共益費などの収入、構造や貸し出し状況などが問われます。

なお、確定申告の際によくあるミスは、礼金や保証金など返還の必要がない費用を収入として計上していないケースです。収入にあたるのは家賃だけでなく、これらの費用や共益費なども総収入額の一部として計上しなければなりません。

また、税務署は不動産の所在地や構造を確認することで、申告した家賃収入が実際の金額よりも低く計上されていないか判断する場合もあります。

年間の総所得や就いている職業に関する情報

税務署からの「お尋ね」では、納税者の年間の総所得や職業などの情報についても確認される場合があります。不動産など高額なものを購入していた場合、総所得と不動産などの購入価格を照らし合わせることによって、資金の流れに不自然な点がないか確認することが目的です。

税務署からの「お尋ね」を無視したらどうなる?

「お尋ね」を無視すると督促ハガキが送られてくる

冒頭でもお伝えしたとおり、税務署からの「お尋ね」に対する回答には法的な義務はありません。そのため、税務署からのお尋ねを無視したとしても、それだけで罰則の対象になることはないといえるでしょう。

しかし、税務署が電話や書面で「お尋ね」を行う理由は、申告内容に不備や気になる点があるからです。よって、税務署からのお尋ねを無視した方には、税務署からお尋ねに対する回答をするよう催促のハガキが送られてきます。

督促ハガキを無視すると税務署から電話がかかってくる

税務署からの「お尋ね」を無視すると、質問に対して回答を求める催促のハガキが送られてきます。さらに、催促のハガキも無視した場合には税務署から直接電話がかかってきます。この電話を無視してしまうと税務調査が実施される可能性があるため、税務署から不信感を抱かれないようにできるだけ対応しましょう。

電話を無視すると税務調査(任意調査)が入る可能性がある

税務署からの電話を無視すると、税務署の職員が自宅や事務所を訪問する税務調査が実施される可能性があります。税務調査には二種類あり、この時点で実施されるのは「任意調査」です。「任意」という言葉が含まれるものの、この任意調査には受忍義務があり、正当な理由なく税務署への対応を拒否した場合には罰則が適用される場合があります。

また、任意調査を行う日程は事前に通知されますが、帳簿書類の改ざんや隠ぺいなどが疑われる場合には、事前通知のない「無予告調査」が実施されることもあるため注意が必要です。

脱税の疑いをかけられると強制調査が入る場合もある

税務署からの「お尋ね」を無視し、脱税の疑いをかけられてしまった場合には「強制調査」が実施される場合もあります。強制調査とは、国税局査察部(通称マルサ)が裁判所の令状をもって強制的に行う税務調査です。国税局査察部は納税に関する資料を押収できる権限を有しているため、強制調査を拒否することはできません。

また、強制調査によって脱税が発覚した場合には、検察庁に告発され、最終的に刑事事件として処理されることになります。脱税額が1億円を超えるなど、よほど悪質な行為をしていなければ強制調査の対象となる可能性は低いですが、知識として覚えておきましょう。

追加徴税が行われるリスクがある

税務署からの「お尋ね」に対して期限内に回答すれば、もし確定申告の内容に不備があったとしても修正申告で対応可能なケースがほとんどです。しかし、税務署からのお尋ねを無視し続けたことによって税務調査が実施された場合、過少申告加算税や延滞税などが課せられる可能性があります。また、申告内容に悪質な改ざんや隠ぺいなどがあった場合、最大で45%もの税率になる重加算税が課せられる場合もあるのです。

当然のことながら、税務署からのお尋ねに回答したからといって、悪質な隠ぺいなどが発覚した場合には重加算税が課せられることがあります。しかし、軽微なミスによって追徴課税が行われるリスクを避けるためにも、税務署からのお尋ねにはできる限り早く対応することが望ましいといえるでしょう。

税務署が「お尋ね」に来る確率が心配ならば専門家に相談も検討

今回は、税務署からの「お尋ね」が行われる確率や内容、無視した場合に考えられるリスクなどについてご紹介してきました。税務署からのお尋ねには法的な回答義務がないものの、対応しなければ税務署から不信感を抱かれることは避けられません。もし税務署からのお尋ねがあったとしても必要以上に恐れることはなく、誠実な対応を心掛けましょう。また、税務署からの「お尋ね」が実施される確率について心配という方は、専門家への相談も検討することをおすすめします。

この記事の監修者

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今野 靖丈

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